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2003年03月 アーカイブ

2003年03月02日

遺伝子医学

同様のタイトルの雑誌をご存知だろうか?
この雑誌の別冊号で“遺伝子医学の入門書---これだけは知っておきたい遺伝子医学の基礎知識”というタイトルの本が発売になった。非常にタイムリーな企画である。

私は、この雑誌を創刊号から購読している関係(どんな関係だよ?)で、この別冊号も買ったのであるが、関連分野をもれなく網羅してあるし、良くまとまっていて薬剤師にもちょうど良い内容だと思う。もし、ご存知なければ、是非、読むことを事を薦める。(発行は メディカル ドゥ社 である。3,800円なり。)

この号の序文で、執筆・監修の京大医学部長の本庶佑氏が、『・・・・このように眺めてみると、今日分子遺伝学の知識なしに医療を行うことはきわめて危険である。今日多くの遺伝子解析の結果が症例報告にも登場するようになってきている。症例報告も理解できない検査の意味も理解できない医師やコメディカルが誕生することはゆゆしき事態である。・・・・』と言っている。

まったく同感であるし、そう思ってきたからこそ、私もかなり勉強してきた。


ところで、ここで、注目してほしいのは、本庶氏が“医師やコメディカル・・・”と言っていることである。本庶氏の“コメデイカル”の中には“薬剤師”は入っているのであろうか????(非常に疑問なため?がイッパイ)

ある調査によると、薬剤師の免許を持っている人は、その7割位が『自分(薬剤師)は医療人』と思っているのに対して、一般の人では3割くらいの人しか薬剤師を医療人と考えていないそうである。

このギャップは、一体、何なのか?

自分を“医療人の一員”と思っている薬剤師も、今一度、良く考えて見る必要があるのではないかと思う次第である。

2003年03月07日

花粉症ワクチン??

今朝の日テレ、ズーム・イン朝で、『花粉症のワクチンが出来た!』ってやってた。よく見ると、ペプチド減感作療法の事だ。朝食を取りながら毎朝、見ているのだが、毎度の事、マスコミの医療・医学関係の報道のイイカゲンさには辟易する。

そもそも、ワクチンという言葉を使う事自体、どうかと思うが、まぁ、それは、今回は見逃してやるとするが。。。。。

きっと、あの慈恵医大(だったかな)の先生のコメントもテレビ局の都合の良いところを切り抜かれたものだろう。『まったく、安全です!!』ってね。

確かに今までの“減感作療法”とは全然違うから、それと比べりゃ安全だけど、異物を直接体内にぶち込むんだから、それなりのリスクはあって当然!!!
(ここを見てる人は、何故安全なのか、わかると思うけど、わからない人は、まめ知識 記事No:199『花粉の抗原と抗原エピトープ』を見てね)

しかも、素人の局アナが、夢の新薬で、体質改善とまで言い切っている。あきれて物も言えない。
夢の新薬はいいとしても、体質改善は、まずいだろう!!“体質改善”はサプリメントや如何わしい健康食品にのみ、許される表現だ。正真正銘の治療法では許される表現ではない。


でも、T細胞アネルギーの制御機構って100%解明できたわけじゃないから、理論はバリバリ最先端の免疫学の知識を駆使してるわけだけど、結果が付いてこない可能性が高い。
その意味では、医療従事者も『体質改善』って言葉に頼らなきゃならないかもしれない。治療が巧く行かなかったときのエクスギューズとして。
 
 
 
なにはともあれ、マスコミの無責任な報道で、花粉症は治る病気だと思っている人の、なんと、多い事か!!プンプン!

でも、日テレ・・・GO!GO!ゴジラをやってるから、許してやるけど、今度やったら、ただじゃおかないからな!

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