過敏症・アトピー・アレルギー
アレルギー性疾患の話をする時に、いつも思う事は、この領域の言葉の定義の“あいまいさ”である。“アトピー”を例にとって見ると、本来の“花粉症や喘息などの発症し易い家族性の体質”という意味以外に、アトピー性喘息のように“IgE 依存性アレルギー”のこととして使用されるケースが多い。
ヨーロッパアレルギー学会ではこのような混乱を避ける為に、アレルギー疾患に関する用語の改定を提言しているそうだ。
それによると、、、
過敏症:正常被験者には耐えられる一定量の刺激への暴露により、客観的に再現可能な潮紅を引き起こす疾患の事。
アレルギー:免疫学的機序によって開始される過敏性反応
アトピー:低用量のアレルゲンに反応して IgE 抗体を産生し、喘息、鼻粘膜炎、湿疹などの典型的な症状を発症し易い個人的または家族性の体質。
従って、アトピー性喘息ではなく、“(IgE依存性)アレルギー性喘息”と統一し、アトピーという用語は皮膚炎を除き、家族性の体質を現す場合以外使用しないのが望ましいと言う事になる。。
過敏症とアレルギーを厳密に区別す目点も重要だ!
そうする事で、化学物質過敏症は免疫反応が介在しない事、アレルギーではない事が明確になる。これって、良くいるよね!化学物質過敏症をアレルギーとごっちゃにしている人(医療人)。
食物アレルギーにおいて使用されてきた“仮性アレルギー”という用語は、“非アレルギー性食物過敏症”に統一されるのである。
やっぱり、言葉の定義は大切だね。特に、免疫学は範囲が膨大で難しいので、特にハッキリとしておく事が重要な分野だね。でも、肝心の免疫学の内容を理解していない人には、いくら言葉を定義しても、意味が無いのは言うまでもないけど。