『老害』・・・以前にも同じタイトルでエントリーを追加した事がある。老害・・・本人達は自らが“害”になっているとは、想いもよらないんだろうなぁ。
『私が直に経験してきた事によれば・・・』或は『私の為した事は世の中の為になったんだ』って考えを押し付けるようになった段階で、老害は発生し始める。
MMJ 9月号に『医師免許更新制論について、読者に賛否と理由を聞きました。』というコーナーがあった。(注:MMJ の読者は、ほぼ医師の為、掲載された意見はすべて医師から)
率直な意見を、と言う事だろうが、医師免許更新に賛成の理由としては、かなり辛辣なものが多い。
『老害となっている先生の存在、まったく医師として信頼できないような存在を知っているので更新制にすべし』
『人命を預かる臨床医師は・・・・生涯に渡って勉強すべきで・・・・最新の水準についてこれない医師は、社会的に有害だ・・・・・』
『医師不足で困っている地域もあるだろうが、ヤブ医者はいらないし、淘汰されるべきだ』
反対の意見では、保身の為の意見は無く(この辺が“生の声じゃない”感じ?)、医師たるもの、常に研鑚を積んでいる。これ以上、何をやらせたいのか?という意見が主流を占める。
『やれと言われなくたって、勉強している医師は沢山いる。勉強している医師にとって免許を更新する為だけの勉強なんて、無駄以外の何物でもない。』
要するに、専門分野を研鑚する時間が無くなり、平均値は上がるかもしれないが、上の方の医師も少なくなるという意見だ。
どちらにしても、すなわち賛成・反対を問わず、考えている事は“前向き”で“未来指向”で、より良い医療を希求する点では“同じ方向”を向いている。
こんな意見を目にすると、私が所属する“薬剤師”の世界の不甲斐なさを痛感せずにはいられない。
結局、薬剤師としての能力の低さが“実害”を及ぼさないという一点で、老害薬剤師が跳梁跋扈する世界になっているのだろう。しかも、薬剤師の老害は“年齢的なもの”だけじゃない所が恐ろしい。免許を取得して直ぐの“若い薬剤師”達の中にも老害が存在している。老人クラブのサロンと化した某所の発行する機関紙に書かれた内容などは、見るに耐えない。間違いの指摘すら、老人の面子を潰さない為だろう、受け入れる事は無い。
科学者たるもの、間違いが白日の下に曝されれば、すぐさまそれを訂正しなくてはならない筈。薬剤師が町の科学者を自任するのなら、間違いは素直に認めなければ、それは“害”を垂れ流す事に繋がる。
おっと、薬剤師に関する部分は、愚痴なので、かるく流して下され。
で、医師の免許更新制に話を戻すが、一般の方の意見としても、分かり易い更新制を反対する人は少ないんじゃないかな!!過去の功罪に縛られず、現在のあるがままを受け入れ、未来に向けて、より良い医療を希求する。
このように思った方、この感覚を胸に留めておいて、次の文章を読んでくだされ。(本日の主題は、実はここだ。以下はリンクが切れちゃうと意味不明になるので、長いけど全文引用した。)
対談 田原総一朗 × 鳥越
萎縮するマスコミ、覚醒せよ!
鳥越俊太郎
2006-09-04 08:20
田原総一朗さんにインタビューして来ました。
私が聞きたかったのは先日の加藤紘一議員の自宅放火とこれを報じたメディアの報道のあり方、この事件を包む日本の現在の空気。私にはこうしたことは今後の日本人には大きな意味を持っているような気がするんですが、メディアも含め日本人の反応は何か鈍いような気がします。インターネット社会も含め私たちが共有している「言論の自由」がどこかで少しずつ削られているような気がします。
皆さんも考えてください。これは自分たちの問題だと。もちろん戦前のことと現在とを単純に同列に論じられないのは当然です。
が、やはり1921年(大正10年)に東京駅駅頭で原敬首相が暗殺されてから1937年(昭和12年)日中戦争へ入るまでの16年間に、3人の現役総理大臣と元総理大臣合わせて5人もの総理大臣が暗殺されていることを。そして、この後には日中戦争とこれに続く太平洋戦争(大東亜戦争ともいいますがねえ)が存在したという事実を―。
歴史を参考にすれば、政治テロはやはり何か社会の曲がり角の赤信号という気がするのですが、私の杞憂(きゆう)でしょうか??
16年間と言えば、今からさかのぼると1990年から2006年の現在までですね。イラクのクウェート侵攻があったあの年。翌91年には湾岸戦争。あの時から海部、宮沢、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉と9人の首相がいたと思うんですが、このうち5人が政治テロで殺害されたと思ってください。そう思うとまあ、大変ことですね。そういう時代になるのは私は絶対にごめんです。
戦争を知らない世代が多数派になってしまった現在の日本では、いち政治家の自宅が放火されたからと言って別に大騒ぎすることはないだろう、という程度の反応のようですけど、ここは戦争を知る世代に正面からの発言を期待してインタビューしました。
田原さんはこれまでいろいろな脅しにも屈せずビシビシとテレビで発言されていますが、この日も熱かったなあ!!!
以下、9月2日に東京・港区のテレビ朝日で行われたインタビューを一問一答形式でご紹介します。
× × ×
鳥越 「加藤紘一さんの自宅が放火されたのは8月15日。まさに小泉首相の靖国参拝の日でした。そのとき、田原さんはどのような印象、感想を持ちましたか?」
田原 「ちょうど夕方、午後4時か4時半ごろ、加藤さんと電話で話をした。加藤さんがあちこちで頑張っているからその励ましと、『小泉さんはどういうつもりなのか』と話した。電話を切った直後に、テレビ朝日からの連絡で『今、炎上中だ』と。びっくりした」
鳥越 「あの日の朝、(加藤氏は)『スーパーモーニング』(テレビ朝日)にゲスト出演していて、靖国参拝についてはかなり明確に言い切っていた。それで夜、僕も聞いて、まさかと思った。あまりにもストレートすぎる。戦前ならまだしも、この時代に…。多少ありますよ、銃弾送りつけられたりとか、いろいろありますけど」
田原 「僕も脅迫はしょっちゅうありますよ」
鳥越 「私も電話とか来ます」
田原 「ただ、いちばん頭に来たことは、あの報道、新聞もテレビも小さいんですよ。本来なら新聞やテレビなどの全マスコミがキャンペーンをやらないと。でも全くやらない。もう一つは、『朝まで生テレビ』(同)に出てもらっている出演者が、次から次へと断ってきたこと」
鳥越 「それはどういう立場の人ですか?」
田原 「保守リベラル系。加藤さんに近い人。つまり共産党ではなく、保守リベラルが今ここで何かを言うとレッテル張られるということと、身の危険ですよ。これは良くない。何とかしないとどうしようもないと思いました」
=世の中が危険な方向に=
鳥越 「田原さんも長くこの仕事をしてきて、このような世の中全体の雰囲気というのはこれまで感じたことがありますか。それとも初めてですか?」
田原 「初めてです。例えば小泉さんが8月15日に靖国に参拝すると、特に天皇の発言メモを『日本経済新聞』がスクープして、あれから小泉さんの靖国参拝の反対がドーンと増えた。それでも行った。そうしたら賛成が増えた。彼が世論の反対を押し切って参拝したら、世論が小泉さんについていった。賛否が逆転した。これは嫌だなと。世論の逆転現象について新聞もテレビも触れてはいるが、『これはどういうことなのか。実は怖いことだ』と言わない」
鳥越 「正面切って言わないですね」
田原 「安倍(晋三)さんが圧倒的に次期総理となりそうだ。彼が『美しい国へ』(文春新書)という本を書いたと。これを読むと僕らは引っかかることがある。しかし、あの本がベストセラーになっている」
鳥越 「特に最初に『戦う政治家』ということが出ている」
田原 「何と一体戦うのか。北朝鮮や中国かと。もし日本に戦う相手があるのなら違う。今はアメリカが世界を自分勝手に動かしている。そのアメリカにもの申すなら良い。方向が違うだろうと。それがベストセラーだ。読んだ人に感想を聞くと、面白いですよという。そういう中へ世の中が動いている。危険な方向だ。そこで放火事件が起きたのです。下手をすると真似をする者が出てきます。これは良くない」
=萎縮するマスコミ=
鳥越 「(放火事件の当初の報道では)容疑者が右翼であるということと年齢は出たが、名前は出なかった」
田原 「(容疑者の所属団体である)『大日本同胞社』と実名が出なかった。僕はある週刊誌でその右翼団体の名前を書いたら、編集部は『悪いけど削ってくれないか』と言うんです。それでけんかになって。要するに警察が逮捕をしていない、逮捕をしていない人間を書くわけにいかないと。それは警察の論理であって、ジャーナリズムは警察の論理に縛られることはないと強引に書いたら、編集部で大騒ぎになった。結局、押し切って出しましたけどね。テレビもどこも出しませんでした」
鳥越 「実名を出したのは『週刊新潮』(新潮社)だけでした」
田原 「中には『名前を出したら右翼の宣伝になる』という編集者までいた。何を言っているのか…。マスコミ全体が萎縮している。いろいろな問題で萎縮しています」
鳥越 「あの時点では、逮捕はしていないが、明らかにいろいろな状況から彼が犯人だと分かっているわけです。家宅捜索もしていました。しかし、逮捕状を取っていないと右にならえで事実を伝えないことはマスコミの逃げです。僕も田原さんと同じように危機感を感じた」
田原 「最近、マスコミは大事な問題から逃げている。例えば9月6日に秋篠宮に子供が生まれる。問題は皇室典範改正の議論をしないことだ。これはやるべきです。小泉さんはやりました。安倍さんは絶対にしませんよ。しかし、議論はしないといけない。さらに怖いことは、『日経』がスクープした天皇発言のメモだが、今や『日経』自身までしぼんでしまった」
鳥越 「天皇発言ではないのじゃないかと櫻井よしこさんをはじめいろいろな人が書いていますよ。いろいろと検証するのは僕はいいと思うが、検証ではなくて世の中の雰囲気で怯(ひる)んでいるというか、萎縮している空気があるのは嫌ですね」
田原 「安倍さんの『美しい国へ』を読んだら保守とリベラルの違いが書いてある。保守はいいが、リベラルはとても危険な存在だと決めつけている。なぜならば、反保守であり、革命まで支持すると。つまり、(新左翼セクトの)革マルや中核までリベラルは支持すると」
鳥越 「それは違います」
田原 「全くの間違い。そういうところが随所にあるんです。この間も岡崎久彦さんが『朝まで生テレビ』に出演し、『戦争犯罪は犯罪でない。責任は取らなくても良い。戦争に負けただけじゃないか』と話した。こういう暴論がだんだん広がっている。しかも岡崎さんは安倍さんの指南番です」
=マスコミの自主規制=
鳥越 「昨日も安倍さんは『報道ステーション』(同)に出て、戦争犯罪について、小泉さんはA級戦犯を戦争犯罪人といったけれども、安倍さんはあれは国内法によって犯罪者ではないと言い切っていました」
田原 「では、あの戦争で何百万も死んだ日本人、あるいは中国人。その責任をどう取るのか? やはり、赤紙を押しつけられて戦死した人間と赤紙を出した側とは全く違います。国内法がどうこうではなく、何百万も、中国を入れれば何千万も死んだ、殺した、その責任は一体誰が取るのか?」
鳥越 「戦争を始めた人、戦争を指導した人ですね」
田原 「安倍さんの発言でいちばん危険なところは、番組で僕が『日中戦争は侵略戦争だ。太平洋戦争はやや質が違う』と言ったら、安倍さんは『それは後世の歴史学者が決めることだ』と答えた。しかし、今になって関ヶ原の合戦は徳川家康が正しいのか、石田三成が正しいとのかとかいっても意味がない」
鳥越 「そういう戦争の評価もそうですけど…」
田原 「また、この人に自民党が雪崩現象で圧倒的に支持している。もう一つ怖いのは谷垣(禎一)さんや麻生(太郎)さんは非常に支持率が低く、安倍さんに対する支持率は圧倒的に高い。こういうときにあの放火事件が起きた」
鳥越 「だから余計嫌な感じがする」
田原 「一番の問題は日本には言論の自由があるのに、マスコミはみな自己規制することです。全部自己規制。昨日の大阪版読売新聞には大阪の同和行政に関する不正という同和問題が書かれている。大問題ですよ。しかし、東京の新聞はどこも書いていない。岐阜のことは書いても、同和の問題が絡むと書かない」
鳥越 「過去にも何回かそういうことはありましたが、何かマスコミ全体に、嫌な雰囲気が広がってきた」
田原 「あちこちで感じますよ」
=「言論の不自由」とは何か=
鳥越 「僕は66才で、田原さん70才超えているでしょう」
田原 「僕なんか余生だと思っている」
鳥越 「そういう人間しか言わない。若い人たちはそのことの意味さえ分からない。言論の自由といっても、そのことの意味を分かっていないんじゃないか」
田原 「言論の不自由とは何かが分かっていない」
鳥越 「原敬が東京に来て殺された1921年から日中戦争に入る1937年までに現役の首相が3人、そして高橋是清、斉藤実を入れると元首相、現役の首相5人が暗殺されているんです。そして日中戦争、太平洋戦争と、最終的に戦争を始めました」
田原 「テロが変えたんです。つまりテロが横行して、リーダーが総理大臣はじめ怖がったんです。しかし、暗殺だけでものが言えなくなったのではありません。言論統制が具体的に行われるのは日中戦争が始まってからです。言えるのに言わない、今と似ている。それから満州事変だってみな『万歳』です。なぜ言わないのか?」
鳥越 「(新聞の)部数が売れたのです」
田原 「反戦やっていると部数が落ちる。今まさにそうでしょ。右翼の雑誌が部数が伸びるわけですよ。鳥越さんのようなことをいっていると…」
鳥越 「視聴率が上がらない。そこが怖いです。教訓としてくみ取らないといけないですね」
田原 「こういう傾向が強まれば強まるほど、そういうこと(反戦)をやっていると視聴率が上がらないぞと、新聞は部数が伸びないぞと、いうことになってくる。それが怖い」
=死にものぐるいで発言を=
鳥越 「10年、20年後に加藤さんの自宅が放火されたのはひとつの曲がり角だったみたいなことになるのは嫌ですね」
田原 「可能性はある。僕は小学校の5年のときに敗戦ですからね、戦争知っている世代。僕は使命感がある。何が起きてもやられても言い続けないと」
鳥越 「僕も戦争を知っている最後の世代です。5歳のときですから。空襲があり、防空壕に入っていましたから。僕もどんなことがあろうとも言わなきゃいかん」
田原 「あの戦争が間違っているかどうかを後世の歴史学者に任せようとは、とんでもない話だ」
鳥越 「沖縄では洞窟の中で住民、女性や子供が同じ日本軍に銃殺されました。なぜか。それは東条英機が作った戦陣訓のためだ。生きて虜囚の辱めを受けるなという戦陣訓があったため、鬼畜米英に捕まったら何があるか分からないということで殺された。そういうことが実際に起きているわけです」
田原 「古賀誠という政治家がいます。彼の父親はレイテで戦死した。(古賀さんは)レイテの、父親が死んだ場所に数年前行きました。密林の中の洞窟ですね。(死因は)飢え死にです。つまり軍人が死んだのは餓死なんです。生きて虜囚の辱めを受けるなと言うから、飢え死にしてしまう。むちゃくちゃだ、これは」
鳥越 「レイテ島だけではなくガダルカナル島も同じ。ガ島と言われた。ガは餓死のガだと言われたくらいです。インパール作戦もひどいものです。小泉さんとか安倍さんが靖国を語るとき、国のために戦って亡くなった人の魂云々と言うが、僕は聞くたびに違和感がある。なぜなら、(戦死者の多くは)お国のために戦ったのではなく、無理矢理連れて行かれて、本当は生きていたかったのに、本当に無謀な戦争のために死んだ犠牲者だと感じる」
田原 「ガダルカナルには日本の駆逐艦が救助に行くんです。そして、縄梯子であがれというと、途中でどんどん落ちて死んでいく。実際にその駆逐艦で作業をした人から聞いた」
鳥越 「体力がないわけですね。そういう経験をした人は亡くなっていくし、そういうことを語らなくてはいけないという人も数が少なくなっている」
田原 「だから鳥越さんや筑紫さんや僕を含めて、生きて体験している人間が死にものぐるいで言わなくてはいけない」
鳥越 「加藤紘一さんもそういう思いがあるので、放火の後も発言を続けますと言いました」
田原 「しかし、下手するとメディアが彼を出さなくなる。こうなったら怖いです」
鳥越 「出さなくなる…うーん、なるほど。出すとやばいということになる。安倍政権の下の世の中を田原さんは危惧されていますか?」
田原 「今の政治は世論です。小泉さんがあそこまで強気になったのは支持率が50%近いからだ。むしろ鳥越さんや僕たちががんがん言わないといけない。特に来年の7月は参議院選挙がありますから」
=敗戦経験を知らぬ世代へ=
鳥越 「何となく日本国民がある空気に支配され、一方にワーといく感じだ」
田原 「昨日安倍さんが各局の番組出たでしょ。誰かけんかした?」
鳥越 「佐山展生さんだけでした」
田原 「何と言った?」
鳥越 「自衛隊は海外で(銃を)撃ったらダメだ、撃ったら恨みの連鎖に巻き込まれる、人を殺すなと。安倍さんは、イギリス軍やオランダ軍が助けてくれるのに、襲われたときにやらなければならないと話した。それでも撃ってはダメだと佐山さんが言った。問題は集団的自衛権です。安倍さんは政権構想の中で集団的自衛権を解釈で認めると」
田原 「日本は敗戦というとても貴重な体験をしたんです。日本は敗戦という体験を活かさなくてはいけない。安倍さんをはじめ戦争を知らない世代は、敗戦という体験を分かっていない。岸信介はおじいさんだ。岸さんは総理大臣になって、彼はタカ派だけど、アメリカに行く前にアジアから見たんです。アジアを大事にしようとした。しかし、安倍さんの応援団は中国はほっとけといっている。これはとても危険ですよ」
鳥越 「安倍さんは小泉さんと違って多少は中国のことを考慮しているんじゃないですか?」
田原 「安倍さんと小泉さんの違いは、小泉さんほど頑固じゃない。小泉さんが5年間もったのは、ひとつは頑固。人の言うことを一切聞かない。ふたつめは言い出したら曲げない。安倍さんは普通の人。僕が怖いのは応援団の言うことを聞き過ぎだという点です」
【編集部注】一部の誤字を訂正しました(9月5日12:45)
私、田原総一朗氏のテレビ番組は好きで、5~6年ほど前までは欠かさず見ていた。でも、最近はあまり見ていない。60歳代の頃の氏は、現状の把握する能力が鋭かったが、最近では、『自分の欲するものしか見ない』という、偏見を正当化する事に終始する態度が鼻に付いてしまって、あまり見なくなったのだ。
この対談の中でも、、、、
田原 「安倍さんの発言でいちばん危険なところは、番組で僕が『日中戦争は侵略戦争だ。太平洋戦争はやや質が違う』と言ったら、安倍さんは『それは後世の歴史学者が決めることだ』と答えた。しかし、今になって関ヶ原の合戦は徳川家康が正しいのか、石田三成が正しいとのかとかいっても意味がない」
とある。
田原氏にとっては、自分が経験した太平洋戦争と関ヶ原の合戦は一緒にして欲しくない。戦争体験者にしか解らない戦争の悲惨さ・・・・・と、太平洋戦争の経験を持論の金科玉条にしてしまっているところで、既に“老害”を感じてしまうのだ。
現在“老害”になっている医師であっても、過去には必要とされ市民の為になってた時期もある筈だ。そんな良い過去を持っていてさえも、その過去の柵に縛られていると、現在にとっての“未来指向”の医療の世界では“害”となる。
まして、ひとりの人間が『この目で見た事実(戦争)』と言ったって、いろんな見解があるし、その善悪を決める事が“未来指向”の国と国の関係の為に“役立つ”とは到底思えない。
“外交の為”を思うのなら、戦争責任の解釈を論点にしても、まったくポジティブな結果は得られない事は、明白だ。双方に言い分があるのだから当然だ。
田原氏が“自分の体験した”戦争を大切に思いたい気持ちは、良く解るが、物事を冷静に偏見無く判断する為には、過去の出来事でも現在起っている事でも、“白けて”見る目が必要だ。
それに最適な人が、なんども言ってるように“学者”なのだ。
双方の国の学者達による議論の末に出された結論で、双方の国が共に“溜飲を下げる”事が正しい態度と言える。(カエサルもあの時代に既に言っているように、人間は理性的な考えと感情的な考えが混在し、それによって突き動かされているのだから、過去を引き合いに出せば、エルサレムの悲劇を繰り返すだけであり、これだけは歴史が証明している。)
ぶっちゃけた話、これから現在と未来を生きていくのは、若い世代なのだ。これは日本だけじゃなく、中国も韓国もアジアの国も世界中そうなのだ。老害の意見は“逃げ切り”である事指摘しなくては、この対談は客観的に見えなくなってしまう。(安倍総理が訪韓した時、歴史認識を相互に研究する場を作る事で合意した事は、大変意義がある。メンバーには学者だけを揃えて欲しい。この対談の時点で、田原氏はこんな展開は予想できないんだから、その分は差し引いてあげなきゃならないけどね。)
北朝鮮の核実験があってからの中国・韓国の態度の変わりように気づかない人はいないだろう。
中国・韓国の立場に立って考えれば、、、、
■靖国問題と戦争責任で日本に対しては、随分突っ込んじゃったけど、このままじゃ、未来に向けてまるっきりメリッットが無いのは明白だ。
■でも、あれだけ言い方題しちゃったんだから、いまさら引っ込みつかないし、一部の国民だったにせよ、こんなに簡単に扇動され過激になるとは、思ってもみなかったんだよねぇ。(注1)
■それに、日本は今は黙ってるけど、あまり追いつめると、逆ギレして、今の我が国の恥部を全世界に曝け出しそうで怖いしなぁ。実際されたら、外交カードどころじゃなく、逆効果だしなぁ。そうなったら、もう ODA も国際援助もしてもらえないだろうしなぁ。
■でも、なんの切っ掛けも無いのに、日本叩きを止めちゃったら、国民が黙ってないだろうしなぁ・・・・・、なんか、名案はないものかなぁ・・・?
といってたら、全く状況を把握できていない頓珍漢な北朝鮮がやってくれちゃったので、中国・韓国は渡りに舟。しかも、日本の首相も変わった事だしって。
中国・韓国も振り上げた拳を引っ込めるタイミングを探っていたんだから、この手のひらを返したような態度の変化に対して、日本のマスコミには、余計な突っ込みは入れない事を願いたい。
鳥越氏に対しては、『もちろん戦前のことと現在とを単純に同列に論じられないのは当然です。』と言っておられるように、田原氏ほど、“自分の経験”を金科玉条にしていないので、偏見は少ないと思うけど、、、(注2)
◆マスコミの“萎縮”は“意図的に報道しない”と合わせて、バランスが取れています。
◆言論の自由が怖いのは尤もですね。それをやっている国、中国と韓国に切々と説いて下さい。
田原氏には、、、、
◆皇室典範改正の議論は結構。女系を認めても良い。ただし、今後、男子が生まれないという事態は有り得ません。生殖医療の進歩のおかげです。必ず男が産まれます。
女系天皇が認められる法律を作っただけで、満足するのであれば、まさに建前論者と言わざるをえません。仏作って魂入れずです。田原氏が『愛子様を天皇にせよ』と主張するのであれば、建前だけじゃなく、実態も伴った主張であると言えますが。。。
魂を入れない仏を作って、何か、意味がありますか??
全体的に、、、
◆戦争を放棄せよといい続けている、実態はどうでも良い人は、もう、後は死んでいくだけの逃げ切り世代なので、呑気な事を言っていられるという感じですね。
若い世代が、戦争したがっているとでも考えているのだろうか?この“老害”の人達は?
そう感じている“老害”の人達には、次の文章を読んでもらおう。これが、若い世代の実態だ。別の意味で、、涙が出ちゃうけど、戦争なんて絶対起こさないって。
注:あるブログから転載です。URL は失念した。二度と訪れる事はないとは判断した為。
ニートに関する本を読んだ。
正直なところ「こんなひとがいますよ」という内容で、最後に画期的なニート救済策が提示されているわけではないのだけれど、興味深い。
テレビの短い特集で取り上げられるニートは、おもしろおかしく描かれることが多く、親のすねかじり・ごくつぶしのどーしようもない奴らがニート代表のように登場する。
でも実際のところ、「働いたら負けかなと思っている」ニートもいるとして、働きたくないのではなく、働きたいけど働けない(動き出せない)タイプが数多くいる。
この本はそんなニートに焦点を当ててました。
≫≫「勘違いしてほしくないんです。きちんと働く気が無いわけでもないし、世の中甘く見ているわけでもないし、将来に対する不安がないわけでもないんです。
わたし、とりあえず働くってできないんですよ。納得したいんです。大きなことをしたいとかはないんです。大きい、小さいは、勝手に人が決めることだから。自分が納得できればいいんです。」
わかるなぁ。「とりあえず働く」ができないんだよなぁ。両親がいなくなるとか莫大な借金を抱えるとか危機的状況にあったら、どんな仕事もがむしゃらにすると思う。
≫≫「就職の履歴書も書けって言われれば書けるんですけど、志望動機が書けないし、書いても面接で突っ込まれたら、自信持って『やりたい』って言えないんですよ」
まさにわたし。完っ全にわたしのことだ。よくぞ代弁してくれた。ってかわたしも同じこと言ってたし今も言えるわ。
≫≫「正社員になっても、やめたいって言う人もいるみたいだし、大変そうだなと思うんです。でも、そういう話を聞いて、うらやましいなとも思うし…。うらやましいなとは思うけど、スーツ着てオフィスに通うのは似合わないなと思ったりするんです」
わたしもわたしも。ちゃんと働いてる人を見ると、「えらいなぁがんばってるなぁわたしもがんばったほうがいいかなあ」って思うんだけど、スーツ・オフィスに抵抗が…。
≫≫「昔からないんですよね。これだけをがんばってきましたっていうのが。高校も大学もわりとすんなり入っちゃったんで。いつも『やればできる』と言われて、自分でもやればできるんだと思ってここまできちゃった」
おおおおお。またわたしのことだ。受験勉強も苦労することなく中高一貫校+大学に入りました。部活・サークル・バイトは「ほどほど」レベル。そう、だーかーらー、ESやら面接が困るんだよなぁ。がんばってきた・苦労したって自信持って話せない。人生で一番苦労してるのは、まさにその就職活動ですよって話ですよ。
≫≫「彼らは、明確にコミュニケーションを「苦手」と意識していた。だから、見ず知らずの相手に短時間で「自分はこんな人間です」と伝えなければいけない面接を、必要以上に怖がってるようだった。」
あああああ。ハイハイ。自分がどんな人が伝えられない。面接怖い怖い。
わたしは今学生でバイトもしていて、一応ニートではないものの激しくシンパシーを感じてしまう。でもニートを理解できない人もたくさんいるだろうから、この本の著者が
「ニートは「働きたくない」のではなく、なぜか「働くために動き出すことができない」でいるだけだ。動き出すために、未知の誰かからの早い時点でのきっかけを必要としているのだ」
と言ってくれていて、ニートじゃない人にも伝えてくれるだけでも価値があると思われ。
注1:このエントリーを追加し後、韓国では「太陽政策」に集中砲火が浴びせられているらしい。元々何に対しても誰に対しても激しい民族なんだよね。でも、日本のメディアはこれに付いては、一切指摘しない事を祈る。そんな事は、百害あって一利無しだからね。
注2:鳥越氏は BMW Z4 に乗っておられる。同じ BMW 乗りなので、親近感があるのは事実。その分、田原氏より突っ込みは鈍ってます。ハイ。
※金科玉条・・(「科条」は法律の意)きわめて大切な法律。重要な規則。現代では、自分の主張や立場を守るための、絶対のよりどころの意に用いる。