« 2006年09月 | メイン | 2006年11月 »

2006年10月 アーカイブ

2006年10月02日

腎臓売買、「妻の妹」説明うのみ 院長「寝耳に水の話」

20061002_cogwheel.jpg私は、臓器売買に関しては、『別に悪くないジャン。なんで世間では悪い事になってるんだ?』ってスタンスだ。

理屈(屁理屈?)はあるのだが、今回はその理屈が主題ではないから、それはおいおい書くとして、この“臓器売買事件”、非常に“妙”な事件だと感じた。

先ずは、逮捕されたドナーとレシピエントの関係。
金の貸し借りの間柄だと言う事だが、よくも偶然に HLA の一致をみたものだ。10万人に1人の間柄が、偶然にも、金の貸し借りの間柄になったわけだ。

小説だったら、“この事件は偶然 HLA が一致していた”では、読者は鼻白しんでしまう。バックに臓器売買のアングラな“組織”が存在していて、それらに操られて、当人達は偶然だと思いつつ、出会ってしまうというシナリオの方が“シックリ”来る所だが・・。

ふと、腎移植は、もしかしたら『HLA を合わせなくてもやっちゃう』って裏技があるのを見落としてたか??と心配になって、医学のあゆみ Vol196 No.13 第5土曜日特集号『臓器移植の最前線』をひっぱりだして、読み直してしまった。

・・・・・やっぱり、そんなイレギュラーはなかった。そんなことをしたら、1~2年のうちにグラフトが脱落してしまう。

じゃ・・・・・この朝日新聞の記事を信じるとしたら、、、

腎臓売買、「妻の妹」説明うのみ 院長「寝耳に水の話」

朝日新聞
2006年10月 2日 (月) 08:54

 愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院であった腎臓移植手術をめぐり、1日、臓器移植法の施行後初めて臓器売買容疑で愛媛県警の強制捜査が入った。病院側は金銭の授受についての認識はなかったとしているが、臓器提供者(ドナー)になった「妻の妹」を名乗る女性との関係は未確認だった。他の医療機関でも戸籍謄本などの証明書類の提出まで求めないケースがあり、患者のモラルを信用するしかない実態も浮かび上がっている。

 ●会見の院長「寝耳に水」

 「寝耳に水の話。病院としては何も言いようがない」。午後1時半すぎから記者会見した貞島博通院長は、事件について「全く知らない」と困惑した表情を見せた。

 貞島院長によると、腎臓の提供を受けた山下鈴夫容疑者(59)の移植手術は05年9月28日、院長代行の万波(まんなみ)誠・泌尿器科部長が執刀した。当初は山下容疑者の内妻の松下知子容疑者(59)から提供を受ける予定だったが、直前に、今回ドナーになった女性(59)が提供することになったという。「ドナーの女性は妻の妹と聞いていたが、確認はしていない」。ドナーが変更になった点については「詳しいいきさつはわからない」と述べた。

 病院の生体腎臓移植手術は患者自身がドナーを探し、移植手術を申し込むケースが大半で、今回もそうだったという。

 移植手術を手がける医療機関は、ドナーを原則として親族に限っている。しかし、臓器移植法や日本移植学会の倫理指針には、本人確認についての規定はない。

 関西のある大学病院の移植チームの医師(28)は「ドナーが本当に親族かどうかは患者側のモラルに委ねられている面が大きい」と言う。

 この病院では、初診から半年以上の診療を重ねなければ原則として手術をせず、「『すぐに手術してくれ』というような怪しいケースには応じていない」という。しかし、「ドナーの医学的な適合性や健康状況などは細心の検査を行うが、患者が親族以外の偽者という想定は、基本的にしていない」と話す。

 生体腎移植を手がける高橋公太・新潟大教授は「直前にドナーが代わることはあまりない。他の人に代えるのであればまた検査をやり直す必要がある。日常的に病院の体制に問題があったのではないか。第三者機関が調査する必要がある」と話している。

 ●執刀医「体形似ていた」 本人確認、保険証だけ

 山下容疑者の腎臓移植手術をした万波泌尿器科部長は1日、朝日新聞の取材に応じた。臓器売買をあっせんしたとされる松下容疑者とドナーの女性が話す様子を見て「とても仲がよさそうに話していたし、体形も似ていたので姉妹でないなんて疑いもしなかった」と話した。

 万波部長は04年の開院時に市立宇和島病院を辞めて宇和島徳洲会病院に移った。豊富な腎臓移植の手術経験があり、これまで600件以上の生体腎移植手術をしてきたという。

 万波部長によると、山下容疑者は04年の開院直後から宇和島徳洲会病院に通い始めた。症状は糖尿病性腎不全で視力も低下していた。

 病院側から移植を勧めたところ、松下容疑者は「私の腎臓を提供する」と申し出た。しかし、血液型が異なるなどの理由から認められなかった。山下容疑者の息子をドナーにする案も出たが、息子が応じなかったという。

 その後、昨年8~9月ごろになって松下、山下両容疑者がドナーの女性を連れて病院に現れ、松下容疑者の妹だと説明したという。病院側はその日のうちに検査をし、2~3日後に移植手術の日程を決めたという。

 万波部長は「家族以外の人が腎臓を提供するなんてことはほとんどなかった。義理の妹だというのは珍しいとは思ったが、いい人もいるもんだと思って追及しなかった」と言う。ドナーの本人確認については「保険証で名前や住所などの照合はするが、それ以上のことはしていない」と話した。

・・・・・この部分が、非常に気になる。。。。

【その後、昨年8~9月ごろになって松下、山下両容疑者がドナーの女性を連れて病院に現れ、松下容疑者の妹だと説明したという。病院側はその日のうちに検査をし、2~3日後に移植手術の日程を決めたという。】

これ、不可能とはまでは言わないけれど、レシピエントが連れてきたドナーを2~3日で HLA のマッチング検査から、ドナーが片腎摘出に耐えられるのかの評価までを行って、手術日まで決めてしまった事になる。


オイオイ、いくらなんでも、そんなこたぁ、無理だろう!!!

この場合、小説ならスッキリするシナリオとしては、新聞社側の読者に対する病院の印象を悪くする為の“印象操作記事”とする事だ。これだって、とって付けた感じは拭い切れないけど。

やっぱり、この事件の背後に“悪の虚大組織”が存在し、それに病院が関わっていたとするなら・・・・・、何もかもが“スッキリ”する。

ドナーは、“悪の虚大組織”が存在するなんて、おもいもよらなかっただろうし、『借金を返してもらえる他に、さらにお金を貰えるよ』と言われていただろうから、その不履行に、警察に行ってしまった。警察は民事不介入だって事も知らずにね。


と、この事件、どうしても“悪の虚大組織”の存在が気になるのでした。
 
 
 
ところで、日本テレビ、朝のズームインで読売新聞の解説員橋本五郎氏が『臓器売買は良くない』と力説していたが、なんだか、白々しく感じたのは、私だけではないだろう。

日本人は“人道的~”はよく口にするくせに、海外に“臓器を”を買いに行く行為は“非難”しないしばかりか、この間のサッカーのサポーターの間で集まった資金に物を言わせて全臓器の入れ替え手術に行った事などは、“美談”に仕立てている。非常に浅慮だ。

臓器売買を人道面から云々するなら、何をか云わんやだろう。(最近、2チャンでは臓器移植の募金活動を非難するスレで燃えて?萌えて?いるらしい)

きっと、親から貰った体を金に代えるなんて行為は、問答無用で“悪”というのだろう。しかも、尊い命を切り刻むってな論調で。

だったら、自殺はどうなのよ?と言いわれちゃうよ。

親から貰った命を自分の手で終わらせるなんて、もっての外じゃないの?臓器売買、売った方も、買った方も犯罪者にするのなら、自殺者は、もっと極悪の犯罪者じゃないの?葬式を出させる事すら、イケナイんじゃないのか?

日本人は“死んだら皆仏になる”から、自殺者は犯罪者じゃないのだ!って言う人もいるだろうけど、死んでもA級戦犯を許さない人達には、どうやって説得するの??

生活する金に困って、自分の命を金に代えてるんだぜ!生命保険を使ってさぁ。悲しき日本のお父さん達は・・・。これをどう扱ったらいいの?

だったら、腎臓を一個5千万~1億円で売ったっていいんじゃないの?


橋本五郎氏は、『何かもっと良い方法がある』ような事を言っていたけど、日本人の多くに見られる“無意識のダブルスタンダード”ってヤツなんだろうな!!
 
 
 
閑話休題

私は、自分の臓器なんだから、『売りたい人は売る、買いたい人は買う』でいいと思う。

以上は臓器売買の“社会的な側面”としての考えだ。

ただし、免疫学的には、一言、言わせてもらわなきゃならないし、結果的に臓器移植そのものを否定することになる。(私は、移植医療は姑息的な医療で過渡的な技術だとしては認めるけど。)

言っておきたいのは『買うのは良いけど、それ“一生モノ”じゃないよ。』なのだ。

一生ものに出来ちゃう人もいるんだけど、それは、免疫学の最先端の知識をもってしても、予測もコントロールも不可能で、結果論ということになるので、『買うのは良いけど、それ“一生モノ”じゃないよ。』としか、言いようが無いのだ。

『運が良ければトトロに会えるよ』よりは、確率は高いと思うけど。


買う人がいなきゃ、売りたくたって売れない。

橋本五郎さん!臓器を売買の商品にしない方法は、これですよ!本当の事を知らしめる事!!マスコミの影響で『臓器が手に入れば、健常人と同じ生活が送れる』って勘違いしている人が多すぎるんだよね。知らない人もいるだろうけど、移植医療の世界には“5年生存率”って言葉があるんだyo。(腎移植に関しては、10年で約6割が維持出来ているが、心臓はもっとシビアだ。)

マスコミは、移植手術までは、ドキュメンタリー番組として良くやるけど、その後はやらない。その影響で、移植は手術が成功すれば、あとはバンバンザイだと誤解してる人がいるんだけど、あれは、罪作りだよねぇ。まぁ、番組では“嘘”は言ってないけど、ほんとうは、術後が重要なのだ。

慢性拒絶反応

これのコントロールがポイントだ。

以下は、免疫学の最先端は、こんな事の理由すら、まだ、把握できていない事の例として、ご覧頂くものだ。何を感じるかは、各自にお任せします。

腫瘍ワクチン --- 何事もほどほどに

腫瘍ワクチンの目的は、腫瘍に対する強力な免疫を引き出すことであるが、克服しなければならない障害の1つに、腫瘍関連抗原(TAAs)に対するT細胞の反応の乏しさが挙げられる。ミモトープは、腫瘍エピトープを模倣するもので、ワクチンで用いてTAA特異的T細胞の数および機能を増大させることができるが、患者の腫瘍退縮は、ワクチン接種によって引き起こされるT細胞の反応の大きさとは相関していないことが多い。Jill Slanskyらは現在、最も効果的な抗腫瘍反応を刺激するのは、T細胞受容体(TCRs)と最大の親和性で結合するペプチドではなく、中程度の親和性で結合するペプチドであることを明らかにしている。

Slanskyらは、コンビナトリアルペプチドライブラリから、主要組織適合性複合体分子H-2Ldとの結合時に、マウス大腸癌のAH1 T細胞エピトープを認識する代表的なTCRへの親和性が増大するミモトープ6種を特定した。培養細胞のT細胞クローンを用いて検討したところ、このミモトープ6種はいずれも、マクロファージの強力な活性化因子であり、充実腫瘍に対する効果的な反応にきわめて重要なインターフェロンγ(IFNγ)の産生を刺激した。また、それらのすべてにおいて、TCRとの結合親和性とT細胞機能の刺激が相関していた。

では、この結合親和性と機能的刺激との間の相関は、in vivoでも認められるのだろうか。マウスにまずミモトープを接種し、次に大腸癌細胞で惹起した。予想どおり、AH1ペプチドが腫瘍増殖を妨げることはなかった。しかし、思いがけず、中程度親和性ミモトープが最も効果的であることがわかった。無腫瘍期間が60日を超えたマウスの数が、高親和性ミモトープを接種したマウスに比べてかなり多かったのである。Slanskyらが高親和性ペプチドをさらに検討したところ、活性化マーカーの発現が予想されるAH1特異的T細胞がマウスで数多くみられたが、このようなT細胞にはエフェクター機能がないことがわかった。高親和性ミモトープを接種したマウスの腫瘍浸潤T細胞によるIFNγの産生は、中程度親和性ミモトープを接種したマウスの同T細胞よりも有意に少なかった。マウスをほかのT細胞の刺激で処理するとIFNγ産生が増大することから、これはAH1ミモトープによる刺激に特異的であるとわかり、興味深かった。

以上のデータから、腫瘍ワクチンに対するin vivoでの免疫応答の有効性を決めるのは、T細胞反応の数ではなく質であることがわかる。このことは、今後、抗癌治療のためのペプチドワクチンをデザインする際に考慮する必要がある。

2006年10月03日

ノーベル医学生理学賞は「RNA干渉 (RNAi)」

20031003_wakuwaku.jpg本日のネタは、もう、これしかないよね。Office Oh!NO のブログなんだから、こういうのは“お約束”だからね。

とは言ったものの、RNAi(RNA interference) ・・・、一般の方はもとより、医療関係者(薬剤師においてはほぼ全滅?)でも知らない人の方が多いと思う。

知ってる人には、その理論も含めて、別に難しい事はないのだが、知らない人には、大変、取っときにくいものかもしれない。

拙著【まめ知識】【Q&Aコーナー】【トピックス】にて「RNAi」をキーワードに検索し、Lecture 『RNAi 新しい遺伝子機能破壊法』を見て頂けると、大体の所が見えてくると思う。

そうすると、「RNAi」の発見が、まさにノーベル賞の理念に叶うものなんだと理解できる筈だ。要するに、生命の根幹に関わる現象で、臨床的な応用は非常に多岐に渡る。そのような生命科学の研究や臨床に多大な貢献をする根源的な“発見”に対して与えられるのがノーベル賞だと。

というわけで、WebMaster's impressions で RNAi の理論や意義を解説するのは冗長になるので、ここでは、別の視点から、RNAi および、ノーベル賞を見てみたい。


さて、私が、今朝、読売新聞の朝刊で見たノーベル医学生理学賞の記事は、一面ではなく、テレビ欄の裏側の反対のページ(わかります?)でだ。こんな、うっかりすると見逃しそうな所に、ひっそりと紹介されていたのだ。

悲しくなった。

教育改革がなんだかんだと、政治家やマスコミも口ばっかりだ。

このニュースは、当然、1面トップを飾るべきニュースだろう!!!

20061003_intel.gif理系離れが指摘されて久しい。学校での授業がつまらないのも一因だろうが、世の中の関心の無さが、こんなところに如実に表れていて、子供たちにも、無意識に伝わってしまっているのだ。

科学の分野で一流になれば、新聞の一面で紹介され、社会から称賛を受けるという刷り込みが、理系離れには、確実に効果がある筈だ。

国を支えるのは、その国の科学力だという事は歴然とした事実だ。

それを、小さい時から刷り込むことで、立身出世=自分の為になり、それは延いてはお国の為になる。そうすれば、日本国民は豊かな生活を享受できるんだ。身近な所では、年金の心配がいらなくなるんだ。という考え方が出来る子供が増える筈だ。


こんな事を言うと、“洗脳”というキーワードで反論もありそうだが、今のマスコミが連日行なっている“特定の国が嫌いになるような”プロパガンダよりはずっとましだと思う。子供たちに大志を抱かせるようなプロパガンダなら、大歓迎だ!!

耳触りの良い「子供たちの興味の対象の自発的な選択を阻害する」なんて言葉も、聞えてきそうだが、子供なんて、自発的に興味の対象なんて探せやしない。偉人達の伝記を読んだって、なにかしら子供の頃に影響を与えてくれる大人がいたはずだ。全員とは言わないけれど。

そういう役目を、新聞やマスコミは意識して欲しい。

村上ファンドやホリエモンみたいな奴等が、多くなれば多くなるほど、日本の国力は衰えるんだからね。国を車に喩えれば、エンジンは理系の頭脳でドライバーは文系の頭脳だと言えると思う。ドライバーがいくらアクセルを踏んでも、エンジンが非力じゃ、スピードでないよ!!

理系と文系がバランス良く存在する事が、国の発展には重要な事だと思っている。(村上ファンドやホリエモンが金を稼ぐ事自体は、当然、肯定するけどね。)


やっぱり、ノーベル賞という大イベントの発表があった日の一面トップに、これを書けない、あるいは朝のズームインで解説員の橋本五郎氏が一切触れていないのは、ノーベル賞クラスの研究内容が理解できていないからだとしか、考えられない。

新聞社やマスコミは、もっと理系を採用すべきだ。


というわけで、新聞各社のこの記事の内容を比較してみよう。どの新聞社が一番内容が濃いか?(ただし、私は、読売新聞しか購読していないので、何面に掲載された記事なのかわからない。これ、各社のノーベル賞に対する位置づけが推測できるんだけどね。)


ノーベル医学生理学賞、「RNA干渉」発見の米2氏に

朝日新聞
2006年10月02日

 スウェーデンのカロリンスカ医科大学は2日、今年のノーベル医学生理学賞を、米スタンフォード大学のアンドルー・ファイアー教授(47)と、米マサチューセッツ大学医学部のクレイグ・メロー教授(45巨悪は、、、)に贈ると発表した。生体内でDNAとともに遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)が遺伝子の働きを抑える「RNA干渉」という現象を見つけたことが評価された。賞金は1000万クローナ(約1億6000万円)で、両氏で折半する。授賞式は12月10日、ストックホルムである。

 この現象を応用して、がんなどの治療に生かそうという研究が世界中で進んでいる。その研究に関連して東京大教授らの論文捏造(ねつ・ぞう)疑惑が浮上するなど、激しい競争がくり広げられている分野でもある。

 DNAが2本の鎖がらせんのように連なっているのに対し、多くのRNAは1本の鎖状だ。RNAの主な仕事は、細胞核にあるDNAから写し取られた遺伝情報を、たんぱく質の製造工場へ伝える「伝令役」だ。

 2人は線虫を使った実験で、細胞の中にわずかに存在する2本鎖状のRNAが、1本にほどけて伝令役のRNAに取り付くと、その部分の遺伝子が働かない「干渉」が起きることを98年に報告した。

 人工的につくった2本鎖のRNAを細胞に入れれば、狙った遺伝子の働きだけを抑えられる。病気に関連する遺伝子を邪魔すれば、治療につながると考えられている。

 現在、実際に2本鎖RNAを製剤化し、目の病気である加齢黄斑変性の治療を目指す臨床試験が米国で進んでいる。日本でも、がんなどへの治療応用を目指し、動物実験が盛んに行われている。

朝日新聞は科学の分野を紹介する時にさえ、『東京大教授らの論文捏造(ねつ・ぞう)疑惑が浮上するなど、激しい競争がくり広げられている分野でもある。』こういう表現を使う。しかも、言いっぱなし・・・。これを読んで、この分野の研究内容にどんな印象を持たせたいのだろうか?その意図が、良く分からない!もしかしたら、科学万能の世の中に対して、警笛を鳴らす・・・とか??(やっぱり“悪”を捏造して、正義の味方になりたいんだ・・・)

だから、科学や医療の分野に携わる人達から、総すかんを食らうんだよな!バカだねぇ!

サイエンスにバイアス(偏見)を持たせるなっ!!つーの。

おっと、こんな批判してる場合じゃなくって、RNAi の内容に関しては、まぁまぁかな!私は理解しているので、1を読んで10を想像しちゃうんだけど、知らない人が読んだ時、想像を膨らませるのかは、良くわからない。でも、間違いは無い。
 
 
 

ノーベル生理学・医学賞に米2教授、リボ核酸研究で

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2006年のノーベル生理学・医学賞を米スタンフォード大医学部のアンドリュー・Z・ファイア教授(47)と米マサチューセッツ大医学部のクレイグ・C・メロー教授(45)に授与すると発表した。

 授賞理由は、たんぱく質の合成を阻害する「RNA(リボ核酸)干渉の発見」。賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億6000万円)を2人で半分ずつ分ける。授賞式は12月10日に行われる。

 RNA干渉は、DNAと同じ化学物質(塩基)で作られたRNAの断片が、細胞内でたんぱく質の情報を伝えるRNAに働き(干渉)、RNAを分解してたんぱく質が合成されなくなる現象をいう。

 ファイア教授とメロー教授は、土の中に住む線虫の細胞内に、2本鎖RNAを注入すると、2本鎖のうち1本がほどけて筋肉を作るRNAに結合、筋肉が作られなくなるのを確認した。筋肉以外のRNAでも、ごく微量のRNAの注入で、同じ現象が起こることを確認、1998年、英科学誌ネイチャーに発表した。

 RNA干渉の発見は、がん、ウイルス性肝炎やエイズなどの感染症、遺伝性の難病などで、病気の原因となるたんぱく質の合成を抑える「RNA治療薬」を開発する道を開いた。世界でも研究競争が激しい分野となっている。

(2006年10月3日1時48分 読売新聞)

ふむふむ、最後の段落なんて、“未来”を感じさせる内容になってるねぇ! RNAi の解説自体は可も無く不可も無くって感じかな!?

でも、全体的に『サイエンスには関心無い』って感じ。
 
 
 

ノーベル賞:医学生理学賞、米国の2教授に 「RNA干渉」、新薬開発に道

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、06年のノーベル医学生理学賞をアンドルー・ファイアー・米スタンフォード大医学部教授(47)と、クレイグ・メロー・米マサチューセッツ大教授(45)の2氏に授与すると発表した。両氏は生物の遺伝情報を伝える役のRNA(リボ核酸)が対になった「二重鎖RNA」で、遺伝子の発現が阻害される「RNA干渉」という現象を線虫で発見し、98年に発表した。この現象は人間にも共通しており、二重鎖RNAを人工的に作ることで新薬開発などに道を開いたことが評価された。この分野では、国内第一人者とされる東京大教授の不正疑惑が発覚、同教授が一部の論文を取り下げるなど、競争が過熱している。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金計1000万クローナ(約1億6000万円)が贈られる。

 両氏は、ひも状のRNA2本がはしごのように対構造になった二重鎖RNAを線虫の細胞に入れた。すると、鎖がほどけて1本になり、対応する遺伝子の発現が阻害され、たんぱく質が合成されないことを発見した。

 生体内でも、こうした二重鎖RNAが作られ、有害な遺伝子の発現が抑えられている場合があることも発見された。この機能を応用し、網膜の加齢黄斑変性症やC型肝炎、エイズ、がん、ホルモン異常などの治療薬の研究が進んでいる。

 ◇画期的な技術--東京大医科学研究所の中村義一教授(遺伝子動態分野)の話

 最初は「まゆつば」とも思われていた研究だ。それなのに、2人が98年に最初の論文を発表してからわずか8年しかたっていないのに、いまや世界中でこの技術を用いて医学研究が行われ、実用化一歩手前の新薬が開発されつつある。米国では、高齢者に多く、失明の原因となる「加齢黄斑変性症」で実用化が間近になっており、抗がん剤などでの開発が盛んだ。DNAの複製反応を人工的に繰り返して増幅させる「PCR(合成酵素連鎖反応)」に匹敵する画期的な技術だ。

 ◇大腸菌を使い、14年早く研究--名大教授論文、参考文献に

 ノーベル財団は2日、ノーベル医学生理学賞の受賞理由を解説した資料で参考文献として、水野猛名古屋大教授(分子細胞機構学)らの論文を挙げた。

 ファイアー、メロー両氏より14年早く、大腸菌を使ってRNAの転写阻害作用を実証していたが、ヒトへの共通性は見いだせなかった。

 水野教授はニューヨーク州立大に留学中、この論文を発表したが、その後は研究対象を植物に移した。水野教授は「84年当時は新規性のある研究で、その後、世界中の研究者がいろいろな生物で同じ働きを試し、線虫を使った彼らの研究に行き着いたと思う。ここ数年以内にこの分野の研究者がノーベル賞を受賞するとは思っていたが……。大腸菌より線虫の方が、研究に適していたのだろう。我々の研究は早すぎたのかもしれない」と話していた。【山本建】

毎日新聞 2006年10月3日 東京朝刊

毎日新聞も「東京大教授の不正疑惑が発覚、同教授が一部の論文を取り下げるなど・・・」としているのだが、後半の研究の応用と歴史を紹介する事で、この分野の研究者達の間での注目と“過激な競争(秒進分歩)”を良く表せている。

RNAi の説明にしても、ダブルストランド(二本鎖)RNAが細胞質中でほどけて、そのほどけた一方が、mRNA に作用していく様子が、うまく表現されていると感じる。


私が毎朝訪れている医療従事者専門サイト m3.com のニュースソースは、何故か、共同通信と毎日新聞だ。。。。

なんとなく、解るような気がする。。。。

2006年10月04日

韓国の潘外交通商相、国連事務総長へ 東アジア初

20061004_suzusi.jpg今朝、朝食を取りながらニュースを見ていたら、国連事務総長へ韓国の代表が(事実上)決まったというニュースに妻が憤慨していた。

『なんで、韓国なのよぉ~?』『なんで、日本からは選ばれないのぉ?』と。

妻は、国連事務総長が“絶大なる権力保持者”だと勘違いしているようだ。

まず、国連は第二次大戦の戦勝国が作った“平和”を希求する組織で、勝った側は“平和を希求し”負けた側、すなわち枢軸国側は“戦争を希求する”とされ、敵国条項が折り込み済みの組織である事を理解していないのだ。敵国条項には具体的には国の名前は挙げられていないが、枢軸国の事である。そして、連合国側の国は、『(枢軸国側の国が)国連憲章に違反した行動を行なった場合に連合国の構成国は(単独でも)国連決議に拘束されずに無条件に軍事制裁を課すことができるとしている。』とされている。

日本は“敵国”なのだ。日本は、無条件に軍事制裁されちゃう側なのである。こんな国からは事務総長は選べない。もっとも、枢軸国が国連に参加するようになってからは“死文化”しているようだが、2006年現在、まだ、削除されていない。

それに、、、どのような組織であれ政体であれ、必ず“動脈硬化”を起こす事を理解していない。現に、国連の決議に従わない例が、散(頻?)発している。アメリカのイラク攻撃についてもしかり、北朝鮮への制裁についても中国・韓国の態度しかりと。まぁ、今となっては“道徳”や“モラル”の発信基地みたいなもんだ。

だから、権力もへったくれもないから、別に怒らなくても良いんだって。それに、国連で、まともに力があるのは安保理だけで、国連総会ってところは、発展途上国の陳情場所であって、事務総長ってのは、ほぼ、そこを仕切るだけで、発展途上国から選ばれるんだよ、って。


朝の忙しい時間帯だったので、妻に説明している時間が無くって、「ふんふん、そうだね。でも、そんな事、気にしなくって良いんじゃない」って事で終わらせたので、気になっていた。

で、その時に、ズームインの辛坊さんが、「後で、どうして日本から選出されないのか、じっくりやります」って言っていたのだが、私は、その時間帯には電車の中だから、辛坊さんが何を言ったのかも、気になっていた。私の国連に対する“認識”は、間違っていないだろうか?って。


で、いろいろとネットで調べてみたら、、、、別な意味で、私にとって新発見があったので、それを書きたい!!!

韓国の潘外交通商相、国連事務総長へ 東アジア初

朝日新聞 記事の解説部分を抜粋

 〈国連事務総長〉 国連事務局の最高責任者。安保理が投票で候補者を1人に絞り、その勧告を受けた総会が任命する。国連憲章では、世界の平和を脅かすとみられる問題について「安保理に注意を促す権限」が与えられ、現職のアナン氏をはじめ歴代の事務総長は独自に多くの国際紛争の調停にあたってきた。任期は慣行で1期5年。6代目のガリ氏以外は、すべて再選されているが、これまでに3期以上務めた例はない。「大国以外からの選出」が不文律といわれる。

と、上の記事に驚いてしまったのだ。

それは、どこの新聞社も書いていない『「大国以外からの選出」が不文律といわれる。』を朝日新聞が書いている事だ。


私は、朝日新聞は、中国と韓国が大好きなんだとばっかり思っていた。

こんな事を書くなんて、知らない人にも『韓国は二流国家だよ』と言っているようなもんじゃないのか?“大国”の定義の問題かもしれないが、わざわざ、寝た子を起こし邪推させるような文言を入れなくても良いようなもんんだが・・・。

もし、朝日新聞は韓国が嫌いだとしたら、、、むむむむ、難しい。理由が良く解らん。中国の言ってる事は正しいけど、韓国に対しては『図に乗るな!!』なのかな??

朝日新聞の対韓国の記事は、しばらく、ウォッチだ。


まっ、それは置いといて、どこの新聞も“敵国条項”に触れていない。もしかして、これって、みんな本当に意識してないのか?タブーなのか???良く解らなかった。

私の中では、これって、国際世論を推し量るのに、ベースになっているだが。。。(第二次大戦、正確には太平洋戦争での“悪役”を日本が受け持ったと。平和という目的の為に、プライドを捨て、っていうか負けたんだからしょうがない、アメリカの落とし所に乗った。だから、バーターでアメリカは日本を守ってくれる・・と。)


続いて、毎日新聞を見たのだが、北朝鮮の核実験と絡めて、的を得てた見解を示していると思う。

要するに、中国は子分の北朝鮮がこれ以上“顰蹙を買う”事をしたら、『関係を切る』と言ってるので、北挑戦の暴走の抑止力になりつつあるが、韓国は今まで北朝鮮への制裁に参加させる弱みが無かった。

それで、韓国を“国連事務総長”に担ぎ出し、“北朝鮮制裁の道を選択せざるを得なくした”というシナリオである。非常に納得出来る。

潘次期国連事務総長:中東など国際紛争の調停者を志向
毎日新聞 抜粋

 ただ、5大国中心の安保理とは異なり、国連総会では途上国の発言力が強い。ガーナ出身のアナン氏に対しては途上国側も親近感を持っていたが、経済成長を成し遂げた韓国の立場は微妙だ。国連総会の論議では米国など先進国と途上国の対立が目立つ。先進国の利益代表とみなされれば、国連改革などで立ち往生する事態も予想される。


北朝鮮核実験予告:「潘事務総長」祝賀ムード盧政権に冷水
毎日新聞
 【ソウル中島哲夫】北朝鮮の「核実験予告」は、潘基文(バンギムン)外交通商相の次期国連事務総長「当確」の情勢で祝賀ムードの韓国政府に、冷水を浴びせるような衝撃を与えた。実際に北朝鮮が核実験に踏み切った場合、最も困惑せざるを得ない立場に追い込まれるのは、米国の不興を買ってまで対北融和政策を続けてきた盧武鉉(ノムヒョン)政権だからだ。

中略

 ただ、北朝鮮は狙いを貫徹しようとする傾向が強い。核兵器保有宣言については、米国との非公式な接触での「ささやき」を皮切りに、時間をかけて徐々に具体化させ、真偽は別としてついに既成事実化させた経緯がある。同様の手法で「核実験をしても致命的な制裁を受けない」結果を目指しているとしたら、極めて危険だ。


潘事務総長:盧政権全面的支援で実現 板ばさみの可能性も

 【ソウル堀山明子】韓国の潘基文(バンギムン)外交通商相の次期国連事務総長への就任内定は盧武鉉(ノムヒョン)政権の全面的な支援で実現した。対北朝鮮政策を巡り米国との摩擦が続く盧政権にとって国連事務総長のポストは国際社会で韓国の発言力を高める手段となる。だが、事務総長に就任すれば潘氏は韓国の国益を代弁するわけにはいかず、国連トップとしての職務と母国からの期待との間で板挟みとなる局面も予想される。

中略

 北朝鮮がミサイル発射や核危機をエスカレートさせる中、韓国政府は北朝鮮に対する国連制裁に向けての動きが加速する事態を憂慮している。このため「北朝鮮への制裁を国際社会に踏みとどまらせる目的で、盧政権は国連事務総長ポストの確保を狙った」(韓国政府筋)との見方もある。

 しかし、盧政権は03年以降、北朝鮮の人権侵害を非難する国連の決議案採決に際し3年連続で投票しなかったり、棄権するなど、国際社会の大勢と対立する面もある。事務総長としての潘氏はいずれ、北朝鮮問題などで韓国の国益を優先する盧政権との相互協力・依存の構図から脱却する必要に迫られそうだ。

韓国政府(って言うか盧武鉉)の浅慮で、対北朝鮮政策は、墓穴を掘る事になるのかもね!!フフ、おもしれぇぜ!!
 
 
 
そして、読売新聞・・・・・、全然、記事が少ない・・・・残念。あまり関心が無いようだ。(読売新聞って、頭悪いのかなぁ??まぁ、ジャイアンツの為に存在している新聞社だからなぁ・・・)

より、いっそう、辛坊さんの見解が聞きたかった。でも朝のワイドショーみたいなもんだし、時間も限られているから、どれだけの見解が聞けるのか・・・。
 
 
 
さて、もう一点、非常に気になった記事が、これ。

太陽の塔・スラムダンクなど「メディア芸術100選」
2006年10月4日(水)08:38

 文化庁メディア芸術祭実行委員会は3日、50年代から現代までの、印象に残ったアートやアニメーション、漫画などをアンケートで選ぶ「日本のメディア芸術100選」を発表した。3万3884人が投票した。

 部門別の上位は以下の通り。

 アート部門1位「太陽の塔」(岡本太郎)▽2位「明和電機ライブパフォーマンス」(明和電機)▽3位「魚器シリーズ」(同)

 エンターテインメント部門1位「やわらか戦車」(ラレコ)▽2位「ピタゴラスイッチ」(佐藤雅彦・内野真澄)▽3位「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂)

 アニメーション部門1位「新世紀エヴァンゲリオン」(庵野秀明)▽2位「風の谷のナウシカ」(宮崎駿)▽3位「天空の城ラピュタ」(同)

 マンガ部門1位「スラムダンク」(井上雄彦)▽2位「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)▽3位「ドラゴンボール」(鳥山明)

「太陽の塔」(岡本太郎)と「やわらか戦車」(ラレコ)は順当な所だと思うけど、中国に“三流”と酷評されている「スラムダンク」(井上雄彦)は、益々、気になってきた。

中国人気質を知る為にも、ブックオフで、全巻買うしかないかな!!

ストレスは癌の血管新生を促進する

キター━━━━ (*゚∀) (∀゚*)━━━━━━!!!!!!!!!!!!

20061004_mona_kiss.jpg思いもよらない薬の、素晴らしい薬効が“発見”された。

もし、ヒトにも応用できるなら、かなぁ~り、画期的だ。副作用が出尽くしている所も、、、
(・∀・)イイ

(って、ちょっと、ふざけちゃったけど、真剣に狼狽しちゃったので、悟られないようにする為でした。)

でも、ふと、冷静になって考えてみると、後ろ向きコホートで、答えが出そうな気もするんだけど、誰か、やってないのかなぁ??

βブロッカーと Ca 拮抗薬とかその他の降圧剤を使った試験なんてゴロゴロしてるんだから、途中で“発がん”で脱落した例をカウントするだけでも、事足りそうな・・・。ってそんなに簡単じゃねぇ~か!!

というわけで、まずは読んで下され。(写真は滝川クリステルに記事を読ませるという“絵”にしたかったんですが、こっちの方が256倍面白いので、関係無いけど、使っちゃいました。ゴメン。)

ストレスは癌の血管新生を促進する

Nature Reviews Drug Discovery September, 2006

ストレスが癌に及ぼすと思われる影響については、盛んな議論が行われている。この2つの間のつながりに関する研究のほとんどが、ストレスは免疫応答を低下させて癌を引き起こすという抑制的な影響に注目しているのだが、今回、もっと直接的な関連が見つかった。

Thakerらはマウスの卵巣癌モデルで、ストレスホルモンが腫瘍の血管新生に影響を与え、それによって腫瘍の成長と転移が盛んになり、癌の進行が加速され得ることを実証し、Nature Medicineに報告している。

著者らはストレスと癌の間のつながりを調べるために、免疫系が働かない「ヌードマウス」をまず1週間ストレス条件下においた後に、腹膜腔にヒト卵巣癌系列細胞を注入した。ここでのストレスは物理的拘束によるもので、マウスを周期的に運動できないようにする。この処置により、視床下部-下垂体-副腎系および交感神経系の活動が高レベルになるが、これは慢性的ストレスの特徴である。癌細胞を注入して2週間後、腫瘍の悪性度にはストレスの有無によって大きなちがいが生じた。ストレス下にあるマウスでは、腫瘍結節の数や腫瘍重量増加が「ストレスのない」マウスの2から3倍だったのである。さらに、対照マウスでは腫瘍は腹膜腔だけに限られていたのに対し、ストレス下に置かれたマウスの50%で腫瘍は肝臓や脾臓に広がっていた。卵巣癌細胞の異なる細胞系列や、同位性乳癌モデルを用いて行った同様の実験から、このようなストレスの影響が多様な腫瘍細胞系列ではっきりと認められることがわかった。

分子レベルでは、この影響は、ストレス誘導性の組織カテコールアミンによって活性化される腫瘍細胞β2アドレナリン受容体によって伝達されることがわかった。この受容体は卵巣癌細胞系列のほとんどで過剰発現されている。ストレスの影響はβ2アドレナリン受容体拮抗薬によって模倣することができ、β遮断薬であるプロパノロールで阻害された。β2アドレナリン受容体を持たない卵巣癌細胞系列変異体と、β2アドレナリン受容体を低分子干渉RNAでノックダウンした腫瘍細胞は、ストレスの影響に「免疫性」が見られ、この受容体が中心的な重要性を持つことがさらに確認された。β2アドレナリン受容体の下流では、カテコールアミン作動性刺激が、サイクリックAMPプロテインキナーゼA依存性経路を介して血管内皮増殖因子(VEGF)の発現を誘導することがわかった。その結果VEGFの濃度が上昇し、腫瘍の血管形成が増進した。卵巣癌細胞はこの仕組みにより自身への血液供給を増強しているらしい。

免疫機能、神経化学的機能および内分泌機能へのストレスの影響はよく知られているが、今回の研究は、神経内分泌ストレス応答が腫瘍細胞のホルモン受容体を介して悪性組織の増殖と活性にも直接影響することを明らかにした最初の報告である。もし、この機構がヒトでも確認されれば、卵巣癌やおそらくは他の種類の癌、特にβ遮断薬が安全かつ容易に使える癌の管理に大いに関係してくると思われる。著者らは他の内分泌シグナル伝達経路もまた、環境次第で腫瘍細胞の生物学的性質に影響を与えるだろうと考えており、神経内分泌機能を標的としたCNSレベルでの治療的介入が、悪性疾患の進行に対するストレスの有害な影響から患者を守る新しい戦略となるだろうとしている。

血管新生を促す生理物質を探索し、その阻害剤を・・・なんて躍起になっていたにもかかわらず、臨床的な効果はさっぱりだった血管新生阻害剤は、もしかして、この流れに収束しちゃうの??って感じ??

だって、こっちだったら、高血圧の診断が付けば、いくらでも投与できるし、忍容性は悪かろう筈も無いしで、βブロッカーで駄目なら、他にすりゃ良いだけだし・・・・ってね。

まぁ、主流にはならないにしても、強力な助っ人には成り得るよね。もしかしたら、後10年もしたら、解熱鎮痛剤だったアスピリンが、抗血小板剤として認識されるように、βブロッカーといえば、薬価の安い“血管新生阻害剤(補助剤)”としての地位を確立しているかも!!

期待しよう!!


ついでだから、もう一本、紹介しておこう。

新しい抗うつ薬の強力な標的

Nature Reviews Neuroscience September, 2006

Nature Neuroscience誌9月号に掲載される研究によると、TREK1とよばれるカリウムチャネルは、抗うつ薬の新しい標的となる可能性がある。通常よく用いる抗うつ薬の標的は、神経伝達物質セロトニン量の上昇によりはたらくと考えられているが、TREK1チャネルは、脳のこれとは異なるシグナル伝達経路を通じて作用するのかもしれない。

 Michel Lazdunskiと共同研究者らはTREK1チャネルの遺伝子を欠損しているマウスで研究した。このチャネルは通常、神経細胞の静止膜電位を設定する背景電流にかかわっている。

うつ病のモデルに使われるいろいろな行動テストでは、対象マウスは抗うつ薬処置を受けたかのように行動した。それに加えて、セロトニン作動性の活性増加も示し、おだやかなストレスに応答するストレスホルモンのコルチコステロンの分泌量が健常マウスが示すよりも多くなかった。

さらに、Lazdunskiらは、TREK1チャネルは通常の抗うつ薬により直接阻害されることも報告している。

 TREK1の遺伝子を欠損するマウスが抗うつ薬の投与を受けたように振る舞うという今回の発見は、カリウムチャネルの“遮断薬”となる低分子物質が治療に効果がある可能性を示唆している。

 TREK1がセロトニンによらない経路を通じて抗うつ効果を示すことが明確になれば、将来のTREK1チャネルをねらった治療が通常の抗うつ薬よりも速効性で副作用が少ない可能性が考えられる。

K チャネルといえば、それこそ、細胞の1個1個にあるわけだから、よくよく、そのサブタイプの特異性を見極めないと、マウスじゃ良かったけど、ヒトじゃ・・・って。

しかし、新世代の SSRI や SNRI が自殺との関係を取沙汰されている昨今、違った抗うつ剤の開発は必要だし、脳機能の解明のツールとしても役立ちそうで、こっちも、期待出来そうな研究である。

まぁ、その前に、『既存の抗うつ薬の“作用機序の一つ”が解明された』って事でも良いとは思うんだけどね。この研究の評価は。(自分で実験しないで、評価だけしている私は、お気楽です。ハイ。)

2006年10月06日

科学に背を向ける過激な環境保護主義者たち

環境保護という恐怖:科学に背を向ける過激な環境保護主義者たち
Nature October 05, 2006

20061006_cover_nature.jpg過激な環境保護活動は「国内テロリズム」とよばれてきており、FBIは国家に対する深刻な脅威と見なしている。

「地球解放戦線」(Earth Liberation Front、ELF)や動物解放前線(Animal Liberation Front、ALF)などはよく知られているが、このような「動物の権利擁護」を唱える「過激派」や環境テロリストは、この15年間で米国全土での1000件を超える犯罪行為に責任があるとされている。

最も過激な例では、研究施設に爆弾が投げ込まれたり、放火されたりした。いったい何が、環境活動家をしてこのような過激な手段に訴えさせるのだろう。

今週号のNews Featureでは、Emma Marrisが環境保護運動の過激な科学排撃勢力を取材報告し、彼らの「環境保護への激しい情熱」が生じる原因を探る。

表紙の写真は、2002年2月にオレゴン州ポートランドで、デモ行進する抗議者たち。その中には、ELFの支援者として参加している者もみられる。

社会問題としての、科学に背を向ける、或は関心がない、または無知な人たちによる過激な行動は、なにも“環境保護”だけではなく、“善人”の仮面をかぶった政治家や政治に口を出すマスコミにも、多々、見受けられる。

科学の素養のない人間による、非生理学的、非生物学的、非物理学的、非化学的な言動は、また、それの素養のない人達に、大いに受け入れられるという側面も持ち、当人たちも、その弊害に気付いていないという、悪循環に陥っている。

それは、次のニュースのようなニュースに対する“反応”をみても、良く解る。

日本の権益失効と主張 イラン油田で石油公社総裁
2006年10月5日(木)10:45

 【テヘラン4日共同】イラン南西部に位置する中東最大級のアザデガン油田の開発について、国営イラン石油公社のノーザリ総裁は4日、「日本の機会は失われた」と述べ、同油田に対する日本の国際石油開発の権益は失効したとの見方を示した。開発契約は2004年2月に締結、日本側は75%の権益を確保したが、投資額の上積みなどをめぐり交渉が難航していた。イランのファルス通信が伝えた。

総裁は、国際石油開発がアザデガン油田で小規模の権益を確保するかもしれないが、主要な事業者にはなれないと語った。イランは単独での開発を主張している。

これに対し、日本政府高官は5日「交渉は継続中」との認識を示し、決裂回避へ向け対応策を講じる方針だ。

欧州の競争相手を抑えてアザデガン油田の権益を獲得してから2年半余り。日本悲願の自主開発油田の確保は重大な局面を迎えた。

こんなもの、別に、いいじゃん。今となっては地球環境を破壊するだけの化石エネルギーの“日本悲願の自主開発油田”なんて!!(だいたい、いつ頃の悲願だよ?)
新聞各社も、こんな時に『日本の危機』とか言ってんじゃないよ!揃いも揃って、バカ!

こんな時こそが、代替エネルギーの開発のバネに出来る時じゃないか!!日本の優秀な研究者達の出番だろう!その人達を鼓舞しろよ!

新聞ってのは、“逆境を作った犯人探し”と、その“吊るし上げ”で、“正義漢”ブリたい“低レベル脳”の持ち主の集団だ。(その“逆境”自体が“虚像”である事が多い)

こんな奴等に、何も考えていないポケーッとした国民は、『そうか、こういう時には、この様に反応すればいいのか!』ってなっちゃうんだよな、まったく!

こういう体質の急先鋒が朝日新聞だ。そして、日本人の多くが“全ての問題解決=犯人探し”と洗脳されてしまっており、朝日に洗脳されている人達の良い例が“小泉靖国=犯人”だ。何を持って“日中間が最悪”なのかも示しもせずイメージだけが先行しているし、小泉=靖国参拝を犯人にしようがしまいが、そんな事とは関係なく、F1 中国グランプリには佐藤琢磨がアグリチームから参戦するし、トヨタは大量の資金を中国で消費する。


ちょっと語気が荒くなってしまって、ご容赦!


問題解決という点で、理系脳と文系脳を比較する事は、あまりしたくないのだが、文系脳には理想論を軸にする人が多いように感じる。『人間、話せば解る』と言ったような現実を無視した理想形や、また、『~たら、~レバ』と今更どうにもならない過去ばかりを追いたがる、そんなイメージが私には文系脳のイメージとして出来上がっている。

そして、文系脳は、問題を評価する時の“軸”が往々にしてブレ易い。環境問題のシーンでは、化石燃料の浪費を非難し、原油確保のシーンでは化石燃料の消費を促す方向で理論を展開し、その際には代替エネルギーが視野に入っていない。

多分、文系脳の人からは『エネルギーの確保と環境問題は別問題』との反論があろうかと思う。
『確保はするけれど、後は使い方で環境問題には対処できる・・・』と。

・・・ホント、人間性善説で理想論者だ。

エネルギーなんて確保すれば、後は、最速で使い切るだけだ。何故なら、人間の本能だからだ。あればあるだけ使う。自分だけが“省エネ”して馬鹿は見たくないとしか考えない。大衆なんてそんなもんだ。これが現実だ。小出しにすればその“愚かなる大衆”が黙っていない。黙っていないばかりか、それに迎合する政治家や解説者は、悪政だと評価する。(こんな時にも、文系脳は“小出し”を“計画的”という詭弁を使う。意味無いんだって!文学的表現としては意味があってもね。)

こんな事は、見えているのに、言葉を操れば問題は解決できると思っている。

法律を作って、適用しないのと同じだ。最高20年のハズの“危険運転致死罪”が現実には6~7年の実刑で終わっている。

最高刑期20年の“危険運転致死罪”を作って、世の中が良くなると思っているのが“文系脳”だといっても良い。文系脳は“危険運転致死罪”での“軸”とエネルギー問題での“軸”、環境問題での“軸”、外交での“軸”など、『一点!ここからの視点で見たのが、私の主義主張です』というのが無く、それぞれその場その場で、都合の良い理論を持ってくる。

憲法第9条改正に反対の人は、平和憲法を持っていれば“ミサイル攻撃は無い”と信じている。だから、ミサイルが日本の領土に着弾した時の事を想定して、事前に考えて置く事が本当の“問題解決”“リスクマネジメント”の筈なのに、『それはイカン』という。で、実際にミサイルが打ち込まれたら『憲法改正をしようしたからだ。そんな事しなければ、、、』との理論に持ち込む。

多くの人は、この場合の“滑稽さ”が理解出来るのに、日中関係では小泉=犯人から離れられない。そして、この事を文系脳は自覚していないのだ。私の言う“軸のズレ”とはこういう事だ。今後、日本の首相が靖国参拝しなくなっても、中国は歴史認識を日本の外交カードとして使わない事はないだろう。未来永劫。(言い続けろって言ってるし・・・)

こうなっても、文系脳は『あの時、小泉がやったからで、もし、やらなかったら・・・』と理論を展開するのだろう。

もし、今の日中間に、問題があるとして、『問題があるのなら、これから、それを根本的に解決しようよ!』とする態度や具体的な案は、文系脳からは出てこないのは、火を見るより明らかだ。誰か犯人を作って、スケープゴートにする・・・。中国から F1 チームが生まれるように、日本が技術指導したり、それを日本政府がバックアップしたり、、、中国国民の肌で感じる“日本感”を変えてあげれるのも一つの方法なのに、文系脳は、後ろ向き・・・。誤まって、詫びて、スケープゴートを作って、『これで許してね』・・・。
 
 
 
日本の理系離れは、深刻かもしれない。

しかし、理系脳、文系脳を考える時は“脳梁”を意識しないわけにはいかない。(理性的に判断しなければならない場面で、感情が入るのが、脳梁の働き。)

脳の構造の変化だとすれば理系離れを“教育問題”には出来ない。

脳梁が“より分断されている”のが理系脳だとしたら、日本の環境(メタゲノム、メタ化学物質)が、脳梁の分断を抑制しているのかもしれない。

脳の脳梁は、女性で太く密だ(男性の2倍)。ホモサピエンスはデフォルトで女性型だ。何もしなければ、すべて雌になる。(雄は胎児の初期に、Y染色体上にある男性化遺伝子が働いて、雌から雄に作り替えられる)環境ホルモンが脳の男性化を阻害する、私の言う文系脳は男性化阻害だけじゃないが、すなわち、SEX レスの夫婦やカップルが増えている事を考えてみても、私の指摘も、強ち、アサッテの方向でもないだろう。

文系脳は時代(環境)による必然かもしれない。

科学万能というか、ある程度、科学が進歩すると、それを抑制する為のフィードバックがかかる・・・。日本だけなんて、(っていうか、世界の理系離れってのがあるのかどうかを知らないだけだが)非常にローカルだけど、こんなのもあるのかもしれない。


というわけで“日本の理系離れ”、教育で克服(感情を廃して理性的な判断が)出来るようになるのか・・・・、別のところで、これも興味の対象である。

the environment or education,that is a question.

予算委員会 --- 田中眞紀子代議士質疑

20061006_yawaraka7s.gif10月6日の予算委員会、田中眞紀子(民主党・無所属クラブ)氏の質疑が面白いらしい。ということで、帰宅して夕飯を食べてから、腰を据えて見ました。(見て無い人は、『衆議院インターネット審議中継』で見られるよ!!)

・・・・・・・アレ?面白くなる前に終わっちゃったぞ?

いつ、面白くなるのかと、期待していたのだが、、、期待はずれ。1時間無駄にしたァ。

いつもの、日本語能力が低い田中眞紀子氏らしい、怒鳴り声と耳障りの良い単語を散りばめての独演のようなものであった(質疑のはずだが、ほとんど質問になっていない)。その独演も、まるでリーブ21の『話を聞いて、悩みを共感して、生えた喜びを一緒に味わいたいな』みたいな頓珍漢な理論の展開で、息が抜けるような笑いしか出ない。

極めつけは、『外交は愛だ』に首相に『北朝鮮に愛は必要ない』と切り替えされて、舌の根が乾かぬうちに『北朝鮮に愛は必要ないのは当然の事で』と、今言ったばかりなのに、まるで『北朝鮮に愛は必要ない』は自分が言ったかのように力説しちっゃて・・・。

マックス・ウェーバーに言及するあたりでは、なにやら引用していたようだが、何を言いたかったのか不明。

そして、行間には『私を誰だと思ってんのよ?』『日中国交正常化の田中角栄の娘よ』『日本列島改造論の田中角栄の娘よ』がひしひしと・・・・・。

最初に京大中西教授の本を引用しながら、日本の歴史認識にも触れていたが、最後に田中眞紀子氏自身が『いろんな国のいろんな考え方があって・・・民主主義がどうたらこうたら・・・お互いに、折れるところは折れて・・・』と思いっきり自己矛盾しているのには、開いた口が塞がらなかった。最初から自説(当然中国シンパ)を押し付けてるだけ押し付けてるくせにね!!

ありゃ、文系脳じゃなくって、ただの精神分裂病かもしれない。主義主張が一貫していない。行き当たりばったり、自分に都合の良い解釈だけを押し付ける。

眞紀子の唯一良かったところは、アメリカ産牛肉の安全性に付いてだけだな。これに関しては、全く、眞紀子の言う通り。吉野屋のギュウドンなんて、危なくって食えたもんじゃないぜ!アメリカの牛は数が多すぎて、全頭検査出来ない事実を突きつけられて、農水大臣困ってたもんなぁ。しかし、牛が生きているときは農水省、屠殺された瞬間から厚生労働省所管とは、今のままじゃ、人の vCJD が発症しても、国は責任逃れの一手だな。眞紀子じゃないけど、『責任は誰がとんだよ?』って言いたいね。

関係ないけど、安倍首相、ほんとに話下手だねぇ!煽られてムキになっちゃダメだよ。麻生さんなら、眞紀子にギャフンって言わせられただろうに、出番がなくって、残念!


ところで、文化庁メディア芸術祭実行委員会による「日本のメディア芸術100選」でも有名になった『やわらか戦車』の第7話を見ると、いつも思い出す事がある。

キャッチセールスにまんまと騙されたのに、それに気付いていないやわらか戦車を見て、先輩戦車が言う、、、、

『おまえほど、悲しい生き物を見たことが無いよ!俺は!』

って部分なんだけど、これって、まるで、、、、

いつも中国の肩を持ち靖国神社参拝には反対、愛車はカローラ、楽しみはささやかな晩酌、朝日新聞を読んでいる労働者階級の平均的な日本人をイメージしちゃって、悲しくなってしまうのだ。

何故って、その肩を持っている相手、すなわち中国上海や北京のエリート達は日本人と上手に付き合いメルセデスや BMW を乗り回し、一方、中国の田舎暮らしの農民たちは、貧しすぎてテレビを見ることも出来ず、日本の首相の名前は言うに及ばす、なにやってるかなんてどうでもよくって、極極一部の過激な中国人たちが繰り広げるデモ行進と中国共産党の政治家だけが言っている“歴史的認識”を心のよりどころにしているんだもの。

さらに、中国寄りのスタンスで身を立てている日本の政党や政治家にも、存在を利用されているし・・・。

朝日新聞を読んでいる労働者階級の平均的な日本人が、もし、中国人と知り合う機会があったとしても、多分、歴史的認識を語るしかないよなぁ。でも、中国人だって、過激な一部を除いて、自国の歴史だって疎いから、中国人のほうにも話す事も無いだろうなぁ。困っちゃうね。(私なら、運が良い事に、話題には事欠かない。専門の薬理学、分子生物学や同業の薬剤師や医療従事者と制度や治療法などの話を出来る。漢方の話なんかは、是非してみたいと思ってるしね。)

そして、中国人だって、知的レベルの高い人は、お互いに歴史認識の違いがあるのは当然であることは知っているから、こんな話は、パーティーや懇親会ではしない。(おっと、学会みたいになっちゃった)

中国人と知り合う機会があっても、彼らに迎合する歴史認識を語るだけしか出来ない、そんな事いわれても、中国人だって嬉しくは無いだろう。。。。

それなのに、けな気に中国の肩を持っている・・・・。

これって、片思いしているモテない男の物語にも通ずるか・・・。

『おまえ達ほど、悲しい生き物を見たことが無いよ!俺は!ほんとに、生真面目なんだよね、おまえ達は!!良い人過ぎるよ。』


注意:中国シンパの日本人をステレオタイプに“朝日新聞を読んでいる労働者階級の平均的な日本人で愛車はカローラ”としたのは、特に意味はありません。なんとなく、漠然とした私のイメージであって、誰か特定の人をイメージしているわけじゃありません。誤解なきようにお願いします。

2006年10月10日

北朝鮮の核実験

こういうタイミングで北朝鮮が動くというのが、メタゲノムだなぁと感じる今日この頃、みなさんはいかがお過ごしだろうか?私は、昨日、丸一日をかけて庭の植え込みの手入れをしていたので、今日は手足が筋肉痛である。

20061010_monaa.jpgさて、こんな時はどうでも良い『靖国参拝』を取り上げない日本の新聞各社の態度には、非常にまともな感覚だと胸をなで下ろしている所だが、官房長官のルーチンの記者会見で、どっかのバカが『日本の非核三原則の国是に付いて・・・』と質問して、官房長官が呆れていたのには笑ってしまった。(日本が核武装するのでは?という噂に、核武装に対して釘をさそうとする意図がミエミエで“自爆”だな)

それと、『盧大統領は会談後の記者会見で、「前提条件(靖国問題)が解決しなければ対話しないというのではなく、対話を通じて参拝しないよう説得する外交方針にした」と説明。そのうえで「参拝が強行されたら、回復の兆しが見えた日韓関係が再び硬直化するのではないか」と語った。』毎日新聞 2006年10月9日 22時37分 にも、笑ってしまった。

日本の自己主張が正当であり、まったく無理の無い事を認めざるを得なくなって、このまま、日本の首相がなし崩しに参拝すれば、韓国は強気の態度をなし崩しに引っ込めなきゃならないのだろう。でも、もう、こんな“突っ張ってるけど弱腰な”韓国をいじめてもしょうがないので、日本の首相は、韓国の大統領に恥をかかせない為にも、自分の考えだけで行動すれば良いと思う。靖国問題で、中国・韓国の肩を持っている人達は、日本の侵略戦争を肯定的に解釈している人達が当該国にさえ、少なからずいる事を無視しないで、この現実を加味して、自分の考えをまとめ直して欲しいと思う。

中国や韓国が靖国問題で折れてしまったら、振り上げた拳の落とし所が無くなっちゃうよ!!靖国参拝反対の方々!!(多分、この方達は、コカ・コーラを毎日飲むと、歯が溶けると信じているんだろうなぁ。。。。関係ないけど、ふと、そういうタイプだと感じた。)


20061010_syokatu.jpgところで、『どうせ、やってんだろうなぁ』とは思ってたけど、こんなに凄いとは知らなかった中国のパクリ経済、なんと!中国GDPの20%とは、開いた口が塞がらない。

この間の日本アニメの締め出しも、“クレヨンしんちゃん”が実は日本産だと真実を知られるのが怖かったからなのかもね・・・!知的財産権というものが国際的に認められている事を知らないのかもしれない。なんたって、10億人もいるんだから、いろんなヤツがいても不思議はないし、こんなヤツらを中国政府がとっちめようとすれば、ならず者反逆者に成り下がる(内政問題勃発)のは目に見えている。

しょうがないので、“外敵=日本”を作って“ガス抜き”しているという、中国の台所事情が良く良く見えてきて、『中国!オマエ達もかなしい生き物なんだなぁ』と・・・。

日曜日の報道2001に出演してた石原慎太郎は中国人の教授に怒り捲くってたけどね。

閑話休題

日本人は「写真だけ撮って帰る群れ」・・・これには、ちょっとショックを受けてしまった。

「写真だけ撮って帰る群れ」 仏紙に邦人旅行批判 観光関係者に怒りととまどい

2006年10月9日(月)17:10

 フランス紙フィガロに日本人団体旅行客を批判するような内容の記事が掲載され、観光関係者はショックを受けている。フランス政府公認ガイド約100人で組織するパリ日本語ガイド協会(浜田達郎会長)は、フィガロ紙などに対し抗議の手紙を送った。背景には、日本人団体客への先入観のほか、バカンスや旅行に対する考え方の相違もあるようだ。 (パリ・井手季彦)

■「別荘奥に避難」

 問題の記事は8月8日付で、モネの風景画やルブランの小説・怪盗ルパンシリーズの「奇岩城」の舞台として知られるノルマンディー地方エトルタを紹介したもの。

 ここでフランス人がいかに静かなバカンスを過ごしているかつづった上で、別荘オーナー組織のメンバーの言葉として「日本人の群れはパリから昼前に着いて、そそくさと2つの奇岩の写真だけ撮る。そして帰る前に、お土産や体のマッサージに使うため、禁じられているのに海岸の小石を拾う」と記述している。

 「(日本人が多い)ピーク時には、別荘の人たちは庭の奥深くに避難する」とも書いている。

 同ガイド協会メンバーでガイド歴30年の宮永佳子さんは「わずかな休暇を利用して名所を回ることが悪いことか。エトルタは、印象派絵画に興味を持つなど知識を持った人のツアーが多い。禁止されたことをするはずがない」と憤る。

■トラブルはなし

 同協会は9月中旬、フィガロ紙とエトルタ市、エトルタ観光協会に「記事は事実誤認で偏見に満ちている」とする抗議の手紙を送った。

 フィガロ紙から返事は来ていないが、取材に対し記事を書いた記者は「取材相手の言うことをそのまま書いた。日本人を傷つけたなら謝りたい」と話した。

 一方、エトルタ側は、ジャンベルナール・シェックス市長とマガリ・チュイリエ観光局長が連名で「記事は市民の声を反映していない」とする手紙を準備。エトルタは人口1640人。1351戸の家屋のうち別荘が477戸というバカンスの町だ。

 同観光局長は「観光しか産業のない市にとって、日本人は大切なお客さん。これまでトラブルはなく、夏だけ別荘に来る人が言ったことを記者がうのみにしたのだろう。小石はフランス人も持ち帰っているし、1、2個おみやげにしても問題ない」と、熱心に日本人受け入れ姿勢を示した。

■観光形態は変化

 「日本人の旅行は、1980年代の『10日間欧州周遊』のような駆け足観光から、団体でバスを使ってフランス各地をめぐる第2段階を経て、今は好きな場所へ個人で行くようになってきた。記事は第2段階のイメージのままだが、一般のフランス人の見方は変わってきている」。福岡市などのホテル勤務を経てパリのホテルで日本市場担当をしていたダビッド・ラマさんは指摘する。

 「ただ、フランス人の団体旅行の場合、写真を撮るためだけに短時間、名所に立ち寄ることは嫌う人が多い」と、ラマさん。チュイリエ観光局長も「せっかくエトルタまで来たのだから、本当はもっとゆっくりしてほしい」と本音を語る。

 バカンスは「空白、無為」という意味も持つ言葉。フィガロ紙の記事は、いわれなき中傷だったが、年に最低2週間、最高4週間の連続休暇をとる権利が保証されたフランスと、平均連続休暇が7.7日(2005年)の日本社会の差が、両国民のバカンスや旅に対する意識の違いにあらわれているのは確かなようだ。

=2006/10/09付 西日本新聞朝刊=

そして、遠い記憶が蘇ってきた。

昔昔、NHK が放送した『電子立国日本』という番組の中で、コンピュータ黎明期の日本の研究者達が過去を振り返るシーンでこんな事を言っていた。

昔、欧米で開催される電子工学関連の学会では、不思議な“音”に欧米の研究者達は悩まされていた。その音は何かと言うと、参加した日本人研究者が、発表のスライドが切り替わるたびにシャッターを切る音だった。そして、欧米の研究者達は日本人研究者達を馬鹿にして相手にし無かった、と。

番組では、その馬鹿にしていた日本人に、いつしか追い抜かれてしまう・・・という内容だったのだが、遠い昔話としていた事が、今でもリアルタイムで現実だということに、ショックを受けてしまったのだ。

アメリカ人はともかく、ヨーロッパの気位の高い人達からすれば、日本人は“金を落す良い客”ではあっても、決して好かれない民族なんだなぁと。そういえば、イタリアの高級ブティックでは、日本人の客は無視して相手にしないのが、常識だという。

日本は、アジアだけじゃなく、世界に向けて、もっと自分達をアピールしなきゃ駄目なんだよなぁ。


その昔、欧米の“真似”から入った日本は、今では、中国・韓国に真似されっぱなしだ。そして、それは、欧米の20年から30年遅れていた日本の更に後ろ20年から30年遅れて、中国や韓国が存在している事を示している。

日本は何も言わずに欧米から技術を盗み、インスパイアされ、今の状態まで成長してきた。中国・韓国は、『ギャーギャー』言いながら、日本から“盗んで成長”している。

どっちもどっちだとも言えるけど、欧米人には“奥ゆかしさ”は理解できないんだから、エキスを吸い尽くされて、出し殻に成り下がった日本が、その時にさえ、『何も言わない』『黙っていながら、気づいてもらう』事に終始していたら、やがて、アジア最低の国家に成り下がるのは必至かもしれない。

そうならないように、日本人は自己主張できる体質に変わらなきゃならないんじゃないかな。あまり、時間的な猶予はないと思う。20年~30年?


というわけで、大したニュースも無い?ので、今日は、こんなところで。


p.s.北朝鮮の突然の暴走!は大ニュースなんだけど、面白味にはかける。

俺が将軍様だったら、アジアの現情勢下では、“静観”するのに、このすっとこどっこいは、やっちゃったんだよねぇ!良くわかんない!!というわけで、この将軍様の心理状態を考察してみようかなぁ!?この際だから。

2006年10月11日

老害の証明

20061011_neat01.gif『老害』・・・以前にも同じタイトルでエントリーを追加した事がある。老害・・・本人達は自らが“害”になっているとは、想いもよらないんだろうなぁ。

『私が直に経験してきた事によれば・・・』或は『私の為した事は世の中の為になったんだ』って考えを押し付けるようになった段階で、老害は発生し始める。

MMJ 9月号に『医師免許更新制論について、読者に賛否と理由を聞きました。』というコーナーがあった。(注:MMJ の読者は、ほぼ医師の為、掲載された意見はすべて医師から)

率直な意見を、と言う事だろうが、医師免許更新に賛成の理由としては、かなり辛辣なものが多い。
『老害となっている先生の存在、まったく医師として信頼できないような存在を知っているので更新制にすべし』
『人命を預かる臨床医師は・・・・生涯に渡って勉強すべきで・・・・最新の水準についてこれない医師は、社会的に有害だ・・・・・』
『医師不足で困っている地域もあるだろうが、ヤブ医者はいらないし、淘汰されるべきだ』

反対の意見では、保身の為の意見は無く(この辺が“生の声じゃない”感じ?)、医師たるもの、常に研鑚を積んでいる。これ以上、何をやらせたいのか?という意見が主流を占める。
『やれと言われなくたって、勉強している医師は沢山いる。勉強している医師にとって免許を更新する為だけの勉強なんて、無駄以外の何物でもない。』
要するに、専門分野を研鑚する時間が無くなり、平均値は上がるかもしれないが、上の方の医師も少なくなるという意見だ。

どちらにしても、すなわち賛成・反対を問わず、考えている事は“前向き”で“未来指向”で、より良い医療を希求する点では“同じ方向”を向いている。

こんな意見を目にすると、私が所属する“薬剤師”の世界の不甲斐なさを痛感せずにはいられない。

結局、薬剤師としての能力の低さが“実害”を及ぼさないという一点で、老害薬剤師が跳梁跋扈する世界になっているのだろう。しかも、薬剤師の老害は“年齢的なもの”だけじゃない所が恐ろしい。免許を取得して直ぐの“若い薬剤師”達の中にも老害が存在している。老人クラブのサロンと化した某所の発行する機関紙に書かれた内容などは、見るに耐えない。間違いの指摘すら、老人の面子を潰さない為だろう、受け入れる事は無い。

科学者たるもの、間違いが白日の下に曝されれば、すぐさまそれを訂正しなくてはならない筈。薬剤師が町の科学者を自任するのなら、間違いは素直に認めなければ、それは“害”を垂れ流す事に繋がる。

おっと、薬剤師に関する部分は、愚痴なので、かるく流して下され。


で、医師の免許更新制に話を戻すが、一般の方の意見としても、分かり易い更新制を反対する人は少ないんじゃないかな!!過去の功罪に縛られず、現在のあるがままを受け入れ、未来に向けて、より良い医療を希求する。

このように思った方、この感覚を胸に留めておいて、次の文章を読んでくだされ。(本日の主題は、実はここだ。以下はリンクが切れちゃうと意味不明になるので、長いけど全文引用した。)

対談 田原総一朗 × 鳥越

萎縮するマスコミ、覚醒せよ!
鳥越俊太郎

2006-09-04 08:20

 田原総一朗さんにインタビューして来ました。

 私が聞きたかったのは先日の加藤紘一議員の自宅放火とこれを報じたメディアの報道のあり方、この事件を包む日本の現在の空気。私にはこうしたことは今後の日本人には大きな意味を持っているような気がするんですが、メディアも含め日本人の反応は何か鈍いような気がします。インターネット社会も含め私たちが共有している「言論の自由」がどこかで少しずつ削られているような気がします。

 皆さんも考えてください。これは自分たちの問題だと。もちろん戦前のことと現在とを単純に同列に論じられないのは当然です。

 が、やはり1921年(大正10年)に東京駅駅頭で原敬首相が暗殺されてから1937年(昭和12年)日中戦争へ入るまでの16年間に、3人の現役総理大臣と元総理大臣合わせて5人もの総理大臣が暗殺されていることを。そして、この後には日中戦争とこれに続く太平洋戦争(大東亜戦争ともいいますがねえ)が存在したという事実を―。

 歴史を参考にすれば、政治テロはやはり何か社会の曲がり角の赤信号という気がするのですが、私の杞憂(きゆう)でしょうか??

 16年間と言えば、今からさかのぼると1990年から2006年の現在までですね。イラクのクウェート侵攻があったあの年。翌91年には湾岸戦争。あの時から海部、宮沢、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉と9人の首相がいたと思うんですが、このうち5人が政治テロで殺害されたと思ってください。そう思うとまあ、大変ことですね。そういう時代になるのは私は絶対にごめんです。

 戦争を知らない世代が多数派になってしまった現在の日本では、いち政治家の自宅が放火されたからと言って別に大騒ぎすることはないだろう、という程度の反応のようですけど、ここは戦争を知る世代に正面からの発言を期待してインタビューしました。

 田原さんはこれまでいろいろな脅しにも屈せずビシビシとテレビで発言されていますが、この日も熱かったなあ!!!

 以下、9月2日に東京・港区のテレビ朝日で行われたインタビューを一問一答形式でご紹介します。


 × × ×
鳥越 「加藤紘一さんの自宅が放火されたのは8月15日。まさに小泉首相の靖国参拝の日でした。そのとき、田原さんはどのような印象、感想を持ちましたか?」

田原 「ちょうど夕方、午後4時か4時半ごろ、加藤さんと電話で話をした。加藤さんがあちこちで頑張っているからその励ましと、『小泉さんはどういうつもりなのか』と話した。電話を切った直後に、テレビ朝日からの連絡で『今、炎上中だ』と。びっくりした」

鳥越 「あの日の朝、(加藤氏は)『スーパーモーニング』(テレビ朝日)にゲスト出演していて、靖国参拝についてはかなり明確に言い切っていた。それで夜、僕も聞いて、まさかと思った。あまりにもストレートすぎる。戦前ならまだしも、この時代に…。多少ありますよ、銃弾送りつけられたりとか、いろいろありますけど」

田原 「僕も脅迫はしょっちゅうありますよ」

鳥越 「私も電話とか来ます」

田原 「ただ、いちばん頭に来たことは、あの報道、新聞もテレビも小さいんですよ。本来なら新聞やテレビなどの全マスコミがキャンペーンをやらないと。でも全くやらない。もう一つは、『朝まで生テレビ』(同)に出てもらっている出演者が、次から次へと断ってきたこと」

鳥越 「それはどういう立場の人ですか?」

田原 「保守リベラル系。加藤さんに近い人。つまり共産党ではなく、保守リベラルが今ここで何かを言うとレッテル張られるということと、身の危険ですよ。これは良くない。何とかしないとどうしようもないと思いました」


=世の中が危険な方向に=

鳥越 「田原さんも長くこの仕事をしてきて、このような世の中全体の雰囲気というのはこれまで感じたことがありますか。それとも初めてですか?」

田原 「初めてです。例えば小泉さんが8月15日に靖国に参拝すると、特に天皇の発言メモを『日本経済新聞』がスクープして、あれから小泉さんの靖国参拝の反対がドーンと増えた。それでも行った。そうしたら賛成が増えた。彼が世論の反対を押し切って参拝したら、世論が小泉さんについていった。賛否が逆転した。これは嫌だなと。世論の逆転現象について新聞もテレビも触れてはいるが、『これはどういうことなのか。実は怖いことだ』と言わない」

鳥越 「正面切って言わないですね」

田原 「安倍(晋三)さんが圧倒的に次期総理となりそうだ。彼が『美しい国へ』(文春新書)という本を書いたと。これを読むと僕らは引っかかることがある。しかし、あの本がベストセラーになっている」

鳥越 「特に最初に『戦う政治家』ということが出ている」

田原 「何と一体戦うのか。北朝鮮や中国かと。もし日本に戦う相手があるのなら違う。今はアメリカが世界を自分勝手に動かしている。そのアメリカにもの申すなら良い。方向が違うだろうと。それがベストセラーだ。読んだ人に感想を聞くと、面白いですよという。そういう中へ世の中が動いている。危険な方向だ。そこで放火事件が起きたのです。下手をすると真似をする者が出てきます。これは良くない」


=萎縮するマスコミ=

鳥越 「(放火事件の当初の報道では)容疑者が右翼であるということと年齢は出たが、名前は出なかった」

田原 「(容疑者の所属団体である)『大日本同胞社』と実名が出なかった。僕はある週刊誌でその右翼団体の名前を書いたら、編集部は『悪いけど削ってくれないか』と言うんです。それでけんかになって。要するに警察が逮捕をしていない、逮捕をしていない人間を書くわけにいかないと。それは警察の論理であって、ジャーナリズムは警察の論理に縛られることはないと強引に書いたら、編集部で大騒ぎになった。結局、押し切って出しましたけどね。テレビもどこも出しませんでした」

鳥越 「実名を出したのは『週刊新潮』(新潮社)だけでした」

田原 「中には『名前を出したら右翼の宣伝になる』という編集者までいた。何を言っているのか…。マスコミ全体が萎縮している。いろいろな問題で萎縮しています」

鳥越 「あの時点では、逮捕はしていないが、明らかにいろいろな状況から彼が犯人だと分かっているわけです。家宅捜索もしていました。しかし、逮捕状を取っていないと右にならえで事実を伝えないことはマスコミの逃げです。僕も田原さんと同じように危機感を感じた」

田原 「最近、マスコミは大事な問題から逃げている。例えば9月6日に秋篠宮に子供が生まれる。問題は皇室典範改正の議論をしないことだ。これはやるべきです。小泉さんはやりました。安倍さんは絶対にしませんよ。しかし、議論はしないといけない。さらに怖いことは、『日経』がスクープした天皇発言のメモだが、今や『日経』自身までしぼんでしまった」

鳥越 「天皇発言ではないのじゃないかと櫻井よしこさんをはじめいろいろな人が書いていますよ。いろいろと検証するのは僕はいいと思うが、検証ではなくて世の中の雰囲気で怯(ひる)んでいるというか、萎縮している空気があるのは嫌ですね」

田原 「安倍さんの『美しい国へ』を読んだら保守とリベラルの違いが書いてある。保守はいいが、リベラルはとても危険な存在だと決めつけている。なぜならば、反保守であり、革命まで支持すると。つまり、(新左翼セクトの)革マルや中核までリベラルは支持すると」

鳥越 「それは違います」

田原 「全くの間違い。そういうところが随所にあるんです。この間も岡崎久彦さんが『朝まで生テレビ』に出演し、『戦争犯罪は犯罪でない。責任は取らなくても良い。戦争に負けただけじゃないか』と話した。こういう暴論がだんだん広がっている。しかも岡崎さんは安倍さんの指南番です」


=マスコミの自主規制=

鳥越 「昨日も安倍さんは『報道ステーション』(同)に出て、戦争犯罪について、小泉さんはA級戦犯を戦争犯罪人といったけれども、安倍さんはあれは国内法によって犯罪者ではないと言い切っていました」

田原 「では、あの戦争で何百万も死んだ日本人、あるいは中国人。その責任をどう取るのか? やはり、赤紙を押しつけられて戦死した人間と赤紙を出した側とは全く違います。国内法がどうこうではなく、何百万も、中国を入れれば何千万も死んだ、殺した、その責任は一体誰が取るのか?」

鳥越 「戦争を始めた人、戦争を指導した人ですね」

田原 「安倍さんの発言でいちばん危険なところは、番組で僕が『日中戦争は侵略戦争だ。太平洋戦争はやや質が違う』と言ったら、安倍さんは『それは後世の歴史学者が決めることだ』と答えた。しかし、今になって関ヶ原の合戦は徳川家康が正しいのか、石田三成が正しいとのかとかいっても意味がない」

鳥越 「そういう戦争の評価もそうですけど…」

田原 「また、この人に自民党が雪崩現象で圧倒的に支持している。もう一つ怖いのは谷垣(禎一)さんや麻生(太郎)さんは非常に支持率が低く、安倍さんに対する支持率は圧倒的に高い。こういうときにあの放火事件が起きた」

鳥越 「だから余計嫌な感じがする」

田原 「一番の問題は日本には言論の自由があるのに、マスコミはみな自己規制することです。全部自己規制。昨日の大阪版読売新聞には大阪の同和行政に関する不正という同和問題が書かれている。大問題ですよ。しかし、東京の新聞はどこも書いていない。岐阜のことは書いても、同和の問題が絡むと書かない」

鳥越 「過去にも何回かそういうことはありましたが、何かマスコミ全体に、嫌な雰囲気が広がってきた」

田原 「あちこちで感じますよ」


=「言論の不自由」とは何か=

鳥越 「僕は66才で、田原さん70才超えているでしょう」

田原 「僕なんか余生だと思っている」

鳥越 「そういう人間しか言わない。若い人たちはそのことの意味さえ分からない。言論の自由といっても、そのことの意味を分かっていないんじゃないか」

田原 「言論の不自由とは何かが分かっていない」

鳥越 「原敬が東京に来て殺された1921年から日中戦争に入る1937年までに現役の首相が3人、そして高橋是清、斉藤実を入れると元首相、現役の首相5人が暗殺されているんです。そして日中戦争、太平洋戦争と、最終的に戦争を始めました」

田原 「テロが変えたんです。つまりテロが横行して、リーダーが総理大臣はじめ怖がったんです。しかし、暗殺だけでものが言えなくなったのではありません。言論統制が具体的に行われるのは日中戦争が始まってからです。言えるのに言わない、今と似ている。それから満州事変だってみな『万歳』です。なぜ言わないのか?」

鳥越 「(新聞の)部数が売れたのです」

田原 「反戦やっていると部数が落ちる。今まさにそうでしょ。右翼の雑誌が部数が伸びるわけですよ。鳥越さんのようなことをいっていると…」

鳥越 「視聴率が上がらない。そこが怖いです。教訓としてくみ取らないといけないですね」

田原 「こういう傾向が強まれば強まるほど、そういうこと(反戦)をやっていると視聴率が上がらないぞと、新聞は部数が伸びないぞと、いうことになってくる。それが怖い」


=死にものぐるいで発言を=

鳥越 「10年、20年後に加藤さんの自宅が放火されたのはひとつの曲がり角だったみたいなことになるのは嫌ですね」

田原 「可能性はある。僕は小学校の5年のときに敗戦ですからね、戦争知っている世代。僕は使命感がある。何が起きてもやられても言い続けないと」

鳥越 「僕も戦争を知っている最後の世代です。5歳のときですから。空襲があり、防空壕に入っていましたから。僕もどんなことがあろうとも言わなきゃいかん」

田原 「あの戦争が間違っているかどうかを後世の歴史学者に任せようとは、とんでもない話だ」

鳥越 「沖縄では洞窟の中で住民、女性や子供が同じ日本軍に銃殺されました。なぜか。それは東条英機が作った戦陣訓のためだ。生きて虜囚の辱めを受けるなという戦陣訓があったため、鬼畜米英に捕まったら何があるか分からないということで殺された。そういうことが実際に起きているわけです」

田原 「古賀誠という政治家がいます。彼の父親はレイテで戦死した。(古賀さんは)レイテの、父親が死んだ場所に数年前行きました。密林の中の洞窟ですね。(死因は)飢え死にです。つまり軍人が死んだのは餓死なんです。生きて虜囚の辱めを受けるなと言うから、飢え死にしてしまう。むちゃくちゃだ、これは」

鳥越 「レイテ島だけではなくガダルカナル島も同じ。ガ島と言われた。ガは餓死のガだと言われたくらいです。インパール作戦もひどいものです。小泉さんとか安倍さんが靖国を語るとき、国のために戦って亡くなった人の魂云々と言うが、僕は聞くたびに違和感がある。なぜなら、(戦死者の多くは)お国のために戦ったのではなく、無理矢理連れて行かれて、本当は生きていたかったのに、本当に無謀な戦争のために死んだ犠牲者だと感じる」

田原 「ガダルカナルには日本の駆逐艦が救助に行くんです。そして、縄梯子であがれというと、途中でどんどん落ちて死んでいく。実際にその駆逐艦で作業をした人から聞いた」

鳥越 「体力がないわけですね。そういう経験をした人は亡くなっていくし、そういうことを語らなくてはいけないという人も数が少なくなっている」

田原 「だから鳥越さんや筑紫さんや僕を含めて、生きて体験している人間が死にものぐるいで言わなくてはいけない」

鳥越 「加藤紘一さんもそういう思いがあるので、放火の後も発言を続けますと言いました」

田原 「しかし、下手するとメディアが彼を出さなくなる。こうなったら怖いです」

鳥越 「出さなくなる…うーん、なるほど。出すとやばいということになる。安倍政権の下の世の中を田原さんは危惧されていますか?」

田原 「今の政治は世論です。小泉さんがあそこまで強気になったのは支持率が50%近いからだ。むしろ鳥越さんや僕たちががんがん言わないといけない。特に来年の7月は参議院選挙がありますから」


=敗戦経験を知らぬ世代へ=

鳥越 「何となく日本国民がある空気に支配され、一方にワーといく感じだ」

田原 「昨日安倍さんが各局の番組出たでしょ。誰かけんかした?」

鳥越 「佐山展生さんだけでした」

田原 「何と言った?」

鳥越 「自衛隊は海外で(銃を)撃ったらダメだ、撃ったら恨みの連鎖に巻き込まれる、人を殺すなと。安倍さんは、イギリス軍やオランダ軍が助けてくれるのに、襲われたときにやらなければならないと話した。それでも撃ってはダメだと佐山さんが言った。問題は集団的自衛権です。安倍さんは政権構想の中で集団的自衛権を解釈で認めると」

田原 「日本は敗戦というとても貴重な体験をしたんです。日本は敗戦という体験を活かさなくてはいけない。安倍さんをはじめ戦争を知らない世代は、敗戦という体験を分かっていない。岸信介はおじいさんだ。岸さんは総理大臣になって、彼はタカ派だけど、アメリカに行く前にアジアから見たんです。アジアを大事にしようとした。しかし、安倍さんの応援団は中国はほっとけといっている。これはとても危険ですよ」

鳥越 「安倍さんは小泉さんと違って多少は中国のことを考慮しているんじゃないですか?」

田原 「安倍さんと小泉さんの違いは、小泉さんほど頑固じゃない。小泉さんが5年間もったのは、ひとつは頑固。人の言うことを一切聞かない。ふたつめは言い出したら曲げない。安倍さんは普通の人。僕が怖いのは応援団の言うことを聞き過ぎだという点です」

【編集部注】一部の誤字を訂正しました(9月5日12:45)


私、田原総一朗氏のテレビ番組は好きで、5~6年ほど前までは欠かさず見ていた。でも、最近はあまり見ていない。60歳代の頃の氏は、現状の把握する能力が鋭かったが、最近では、『自分の欲するものしか見ない』という、偏見を正当化する事に終始する態度が鼻に付いてしまって、あまり見なくなったのだ。

この対談の中でも、、、、
田原 「安倍さんの発言でいちばん危険なところは、番組で僕が『日中戦争は侵略戦争だ。太平洋戦争はやや質が違う』と言ったら、安倍さんは『それは後世の歴史学者が決めることだ』と答えた。しかし、今になって関ヶ原の合戦は徳川家康が正しいのか、石田三成が正しいとのかとかいっても意味がない」
とある。

田原氏にとっては、自分が経験した太平洋戦争と関ヶ原の合戦は一緒にして欲しくない。戦争体験者にしか解らない戦争の悲惨さ・・・・・と、太平洋戦争の経験を持論の金科玉条にしてしまっているところで、既に“老害”を感じてしまうのだ。

現在“老害”になっている医師であっても、過去には必要とされ市民の為になってた時期もある筈だ。そんな良い過去を持っていてさえも、その過去の柵に縛られていると、現在にとっての“未来指向”の医療の世界では“害”となる。

まして、ひとりの人間が『この目で見た事実(戦争)』と言ったって、いろんな見解があるし、その善悪を決める事が“未来指向”の国と国の関係の為に“役立つ”とは到底思えない。

“外交の為”を思うのなら、戦争責任の解釈を論点にしても、まったくポジティブな結果は得られない事は、明白だ。双方に言い分があるのだから当然だ。

田原氏が“自分の体験した”戦争を大切に思いたい気持ちは、良く解るが、物事を冷静に偏見無く判断する為には、過去の出来事でも現在起っている事でも、“白けて”見る目が必要だ。

それに最適な人が、なんども言ってるように“学者”なのだ。

双方の国の学者達による議論の末に出された結論で、双方の国が共に“溜飲を下げる”事が正しい態度と言える。(カエサルもあの時代に既に言っているように、人間は理性的な考えと感情的な考えが混在し、それによって突き動かされているのだから、過去を引き合いに出せば、エルサレムの悲劇を繰り返すだけであり、これだけは歴史が証明している。)

ぶっちゃけた話、これから現在と未来を生きていくのは、若い世代なのだ。これは日本だけじゃなく、中国も韓国もアジアの国も世界中そうなのだ。老害の意見は“逃げ切り”である事指摘しなくては、この対談は客観的に見えなくなってしまう。(安倍総理が訪韓した時、歴史認識を相互に研究する場を作る事で合意した事は、大変意義がある。メンバーには学者だけを揃えて欲しい。この対談の時点で、田原氏はこんな展開は予想できないんだから、その分は差し引いてあげなきゃならないけどね。)
 
 
 
北朝鮮の核実験があってからの中国・韓国の態度の変わりように気づかない人はいないだろう。

中国・韓国の立場に立って考えれば、、、、
■靖国問題と戦争責任で日本に対しては、随分突っ込んじゃったけど、このままじゃ、未来に向けてまるっきりメリッットが無いのは明白だ。
■でも、あれだけ言い方題しちゃったんだから、いまさら引っ込みつかないし、一部の国民だったにせよ、こんなに簡単に扇動され過激になるとは、思ってもみなかったんだよねぇ。(注1)
■それに、日本は今は黙ってるけど、あまり追いつめると、逆ギレして、今の我が国の恥部を全世界に曝け出しそうで怖いしなぁ。実際されたら、外交カードどころじゃなく、逆効果だしなぁ。そうなったら、もう ODA も国際援助もしてもらえないだろうしなぁ。
■でも、なんの切っ掛けも無いのに、日本叩きを止めちゃったら、国民が黙ってないだろうしなぁ・・・・・、なんか、名案はないものかなぁ・・・?

といってたら、全く状況を把握できていない頓珍漢な北朝鮮がやってくれちゃったので、中国・韓国は渡りに舟。しかも、日本の首相も変わった事だしって。

中国・韓国も振り上げた拳を引っ込めるタイミングを探っていたんだから、この手のひらを返したような態度の変化に対して、日本のマスコミには、余計な突っ込みは入れない事を願いたい。


鳥越氏に対しては、『もちろん戦前のことと現在とを単純に同列に論じられないのは当然です。』と言っておられるように、田原氏ほど、“自分の経験”を金科玉条にしていないので、偏見は少ないと思うけど、、、(注2)

◆マスコミの“萎縮”は“意図的に報道しない”と合わせて、バランスが取れています。

◆言論の自由が怖いのは尤もですね。それをやっている国、中国と韓国に切々と説いて下さい。


田原氏には、、、、

◆皇室典範改正の議論は結構。女系を認めても良い。ただし、今後、男子が生まれないという事態は有り得ません。生殖医療の進歩のおかげです。必ず男が産まれます。
女系天皇が認められる法律を作っただけで、満足するのであれば、まさに建前論者と言わざるをえません。仏作って魂入れずです。田原氏が『愛子様を天皇にせよ』と主張するのであれば、建前だけじゃなく、実態も伴った主張であると言えますが。。。

魂を入れない仏を作って、何か、意味がありますか??


全体的に、、、

◆戦争を放棄せよといい続けている、実態はどうでも良い人は、もう、後は死んでいくだけの逃げ切り世代なので、呑気な事を言っていられるという感じですね。


20061011_neet13.jpg若い世代が、戦争したがっているとでも考えているのだろうか?この“老害”の人達は?

そう感じている“老害”の人達には、次の文章を読んでもらおう。これが、若い世代の実態だ。別の意味で、、涙が出ちゃうけど、戦争なんて絶対起こさないって。

注:あるブログから転載です。URL は失念した。二度と訪れる事はないとは判断した為。

ニートに関する本を読んだ。

正直なところ「こんなひとがいますよ」という内容で、最後に画期的なニート救済策が提示されているわけではないのだけれど、興味深い。

テレビの短い特集で取り上げられるニートは、おもしろおかしく描かれることが多く、親のすねかじり・ごくつぶしのどーしようもない奴らがニート代表のように登場する。

でも実際のところ、「働いたら負けかなと思っている」ニートもいるとして、働きたくないのではなく、働きたいけど働けない(動き出せない)タイプが数多くいる。

この本はそんなニートに焦点を当ててました。

 

≫≫「勘違いしてほしくないんです。きちんと働く気が無いわけでもないし、世の中甘く見ているわけでもないし、将来に対する不安がないわけでもないんです。

わたし、とりあえず働くってできないんですよ。納得したいんです。大きなことをしたいとかはないんです。大きい、小さいは、勝手に人が決めることだから。自分が納得できればいいんです。」

わかるなぁ。「とりあえず働く」ができないんだよなぁ。両親がいなくなるとか莫大な借金を抱えるとか危機的状況にあったら、どんな仕事もがむしゃらにすると思う。

 

≫≫「就職の履歴書も書けって言われれば書けるんですけど、志望動機が書けないし、書いても面接で突っ込まれたら、自信持って『やりたい』って言えないんですよ」

まさにわたし。完っ全にわたしのことだ。よくぞ代弁してくれた。ってかわたしも同じこと言ってたし今も言えるわ。

 

≫≫「正社員になっても、やめたいって言う人もいるみたいだし、大変そうだなと思うんです。でも、そういう話を聞いて、うらやましいなとも思うし…。うらやましいなとは思うけど、スーツ着てオフィスに通うのは似合わないなと思ったりするんです」

わたしもわたしも。ちゃんと働いてる人を見ると、「えらいなぁがんばってるなぁわたしもがんばったほうがいいかなあ」って思うんだけど、スーツ・オフィスに抵抗が…。

 

≫≫「昔からないんですよね。これだけをがんばってきましたっていうのが。高校も大学もわりとすんなり入っちゃったんで。いつも『やればできる』と言われて、自分でもやればできるんだと思ってここまできちゃった」

おおおおお。またわたしのことだ。受験勉強も苦労することなく中高一貫校+大学に入りました。部活・サークル・バイトは「ほどほど」レベル。そう、だーかーらー、ESやら面接が困るんだよなぁ。がんばってきた・苦労したって自信持って話せない。人生で一番苦労してるのは、まさにその就職活動ですよって話ですよ。

 

≫≫「彼らは、明確にコミュニケーションを「苦手」と意識していた。だから、見ず知らずの相手に短時間で「自分はこんな人間です」と伝えなければいけない面接を、必要以上に怖がってるようだった。」

あああああ。ハイハイ。自分がどんな人が伝えられない。面接怖い怖い。

 

わたしは今学生でバイトもしていて、一応ニートではないものの激しくシンパシーを感じてしまう。でもニートを理解できない人もたくさんいるだろうから、この本の著者が

「ニートは「働きたくない」のではなく、なぜか「働くために動き出すことができない」でいるだけだ。動き出すために、未知の誰かからの早い時点でのきっかけを必要としているのだ」

と言ってくれていて、ニートじゃない人にも伝えてくれるだけでも価値があると思われ。


注1:このエントリーを追加し後、韓国では「太陽政策」に集中砲火が浴びせられているらしい。元々何に対しても誰に対しても激しい民族なんだよね。でも、日本のメディアはこれに付いては、一切指摘しない事を祈る。そんな事は、百害あって一利無しだからね。

注2:鳥越氏は BMW Z4 に乗っておられる。同じ BMW 乗りなので、親近感があるのは事実。その分、田原氏より突っ込みは鈍ってます。ハイ。

※金科玉条・・(「科条」は法律の意)きわめて大切な法律。重要な規則。現代では、自分の主張や立場を守るための、絶対のよりどころの意に用いる。

2006年10月12日

首相「『ぐちゃぐちゃ』とは不まじめ」

20061012_fukushima.jpgハイハイ、わかりました。また伝統芸能ですねぇ?

あっ、福島さん!集団的自衛権の行使を反対している間に、ミサイルが着弾しましたよぉ!!
あっ!憲法改正を反対している間に、2発目が着弾しましたよ!!

あなた方のご意見は、平和な時に聞きますから、少し、黙って見ていてください。これから米軍と合同で、北朝鮮を粛清してきますから。その後で、伝統芸能のご意見を拝聴しましょう。直ぐ終わりますから。

その後で、どうしても責任を取れとおっしゃるなら、辞職します。そして、後はお任せしますよ。平和な時にしか政権を取れないあなた達でも、北朝鮮がいなくなれば、3ヶ月くらいはもつでしょうから。


・・・・って、言って欲しいよなぁ!安倍さん、もしくは、閣僚の面々。

こんな時に、参院予算委集中審議で、発言を認めてもらえることを幸せだと思えよ!社民党!他の誰かが命をかけて勝ち取った平和の中でぬくぬくとしながら、平和論をぶっている偽善者連中!

2000年前のローマだったら、『処罰者名簿』の筆頭だな。よかったね!現代の日本で。福島さん!!


というわけで、そろそろ寝ようかなって思ってネットのニュースを見たら、目が冷めるような記事が目に飛び込んできたので、思わず、エントリーを追加しちゃったわけだ。

ネタはコレ。

首相「『ぐちゃぐちゃ』とは不まじめ」 論戦で福島氏に
2006年10月11日(水)19:24

 「首相就任前は、集団的自衛権の行使はできる、とはっきり言っていた」。11日の参院予算委集中審議で、社民党の福島党首は、安倍首相が集団的自衛権について「行使に当たるかどうか個別に研究する」と答弁したことにかみついた。

 「認めるのかどうか、端的に聞いている」と問う福島氏に、首相は「物事を単純化し過ぎている」。具体例を挙げ「一定の条件がそろっていれば可能ではないか」と説明した。さらに福島氏が「就任前はぐちゃぐちゃ言ってなかった」と追い打ちをかけると、首相も「正確で精密な議論を『ぐちゃぐちゃ』というのは極めて不まじめな態度だ」と声を荒らげた。

というわけで、今夜は最高!!じゃなかった、今夜はもう寝る。

ニュー安倍 君子豹変ですか

20061012_mrko_otoko.jpg妻と娘が幼稚園をずる休みして、妻の実家に遊びに行った。

いつものように、東京駅まで送りに行って、帰りに BMW のディーラーにブラッと立ち寄って、次期 X5 の7人乗りの話で盛り上がり『出たら買います!』(ほんとか?)と宣言して帰ってきてから、妻と娘が居なくなってところで楽しみにしていた「24-TWENTY FOUR」をじっくりと鑑賞した後、『さぁ~て、なにか面白い事は・・・』とネットをブラブラしていたら・・・

あったよ、あったよ、ありました!!

うっひょ~~~~~~!!

うまれてこのかた、最高に吐き気がする社説を見つけたので、ご報告しましょう。。
(尚、本文と写真はあんまり関係ありません・・・?)

ニュー安倍 君子豹変ですか

 拝啓 安倍晋三さま

 首相に就任されて半月がたちました。組閣人事に始まって所信表明演説、国会論戦、中国、韓国訪問、そして北朝鮮の核実験発表への対応と、目まぐるしいばかりの毎日です。

 テレビに映る安倍さんの表情からは、緊張感と充実ぶりが伝わってきます。

 半月前を振り返ると、私たちは不安でいっぱいでした。

 なぜかと言えば、首相になるまでの安倍さんの言動が、私たちの考え方とあまりに隔たっていると思ったからです。歴史認識や外交、教育、安全保障など国の基本にかかわることばかりでしたから、真正面から論戦を挑まざるを得ない。そんな覚悟を固めていました。

 けれど目下のところ、私たちの心配は杞憂(きゆう)だったようです。

 首相になると、先の大戦の「植民地支配と侵略」を謝罪した村山首相談話を受け継ぐと表明しました。総裁選では、何度ただされても言を左右にしていたのがウソのような変貌(へんぼう)ぶりです。

 従軍慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた河野官房長官談話も、すんなり認めました。外交の積み重ねや基本の歴史認識をゆるがせにしなかったことが訪中、訪韓を成功に導いたと思います。

 「ニュー安倍」の驚きは続きます。

 北朝鮮が核実験を発表するや、日本の核保有の可能性を明確に否定しました。首相のブレーンが主張する核武装論とはまったく違う立場です。同時に、歴代自民党政権の非核政策を継ぐまっとうな主張でもあります。

 肝いりの教育再生会議のメンバーを見ると、勇ましい保守派からの起用は限られ、バランスを考えた多彩な顔ぶれに落ち着きました。

 君子は豹変(ひょうへん)す、と申します。

 国政を担うことの責任感が安倍さんをわずかな期間に成長させたとすれば、大いに歓迎すべきことです。

 「これじゃ朝日新聞の主張と変わらないよ」。旧来の安倍さんに期待した人たちからは不満も聞こえてきそうです。

 安倍さんは国会答弁で「私が今まで述べてきたこととの関係で批判はあるだろう。甘んじて受ける」と軌道修正を認めました。残念なのは、あれほどこだわってきた持論をなぜ変えたのか、その説明が足りないことです。

 総裁選では党員向けに右寄りの発言をし、首相になると一転、ソフト路線で支持率を上げ、参院選を乗り切る。地金を出すのは政権が安定してから……。そんな邪推をする人も出てきそうです。

 「闘う政治家」を目指す安倍さんですから、よもやそんな姑息(こそく)な戦術を取るとは思えません。持論を変えた理由を一度、国民にきちんと説明してはいかがでしょう。安倍さんに一票を投じた党員たちも聞きたいのではないでしょうか。

 正しさを見極め、豹変する。そのことは、決して恥ずべきことではないのですから。

敬具


なんて言って良いやら、、、、喧嘩に負けた小学生が、悔し紛れに強がっている情景が目に浮かんできた。しかも、コイツ、小学生のくせに“コデブ”で髭剃り跡が青く、冬でも半ズボンで通しているような、運動音痴で、クラスでは人気がなく気持ち悪がられているような、そんな小学生しかイメージ出来ない、、、、

ユーモアのつもりなのだろうが、ちっとも面白くなく、厭味ったらしいたらありゃしない。すげぇ~、センス無い文章なんだけど、こんな文章を読むために、朝日新聞を定期購読している人が、かわいそうになった。(西欧では、ユーモアは文化なのだろう、ウイットにとんだユーモアばかりなのに、日本人のユーモアってのは、全く、品がない。日本人には、厭味とくだらないギャグしかウケないから、こんなことになるのかなぁ?こんなんで面白いなんて思ったら、品性が疑われちゃうよ!!)

しかも、余裕を見せたつもりなんだろうけど、顔の皮一枚剥げば、引き攣っている事は、ミエミエだ。お隣、韓国なんかは真剣だよ!


---キモイんですけど、この社説---


こういう事態の時には、余裕なんてかましてないで、必死になれよ!そして、こんな時には、必死な姿の方が共感を呼ぶって事を知っておいた方が良い。
心理学、集団心理学の勉強をしなおした方がいいんじゃないの?このキモイ社説を書いた朝日の社員は?もっと、脳の構造と機能を勉強した方が良いぞ!!(あっ、敵に塩を送っちゃったかな??まぁ、イイヤ、敵もバカすぎると、張り合い無いからな。)
 
 
 
こっちの、韓国「中央日報」の社説のほうが、よっぽど、、、

(・∀・)イイ

【社説】北核実験が「小さな問題」という盧大統領

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は記者会見と与・野党代表懇談会などで北朝鮮の核実験を契機に現政府の太陽(包容)政策を見直しする意思を表明した。

といえども盧大統領は北朝鮮の核実験を「こんな小さな問題」と指称するとか「太陽(包容)政策が核実験をもたらしたという指摘には、余裕をもって因果関係を考えてみたらいいだろう」と言及した。政策転換が避けられないことを認めながらも依然として未練を捨てることができないことを感じさせる部分だ。

盧大統領の語法がいつものように渦中でも両極端な論争の言葉の遊びをしていないかと疑わしくさせる。北朝鮮の核実験というおびただしい挑戦を迎え、国民はこの国最高のリーダーシップである大統領から安保はどうなり、経済はまともに回るのか、国民はどんな心構えをしなければならないのかに対する決意を聞きたかった。特に「自主」と戦作権問題など盧大統領があれだけ主張した対北対外政策が今回の事態を契機にどんな変化をもたらすかについて気になった。

しかし記者会見や一連の懇談会で大統領の言葉と態度は「大統領がまだ変わっていない」という感じを与えるに十分だった。これはこの政府がこのような状況になってもまだ危機意識を感じないという虚脱感を抱かせた。

北朝鮮の核実験は核兵器保有を既定の事実化しようとする意図で実施されたのだ。これを機に韓半島はもちろん東北アジア全体の安保均衡が根本的に崩れるだろう。北朝鮮が核兵器を保有したということはたとえ我々が経済力と在来式戦力が優位にあったとしても、米国の安保公約があったとしても、核兵器によって北朝鮮の対南挑発抑止力を顕著に弱化させる結果をもたらすことが明らかだ。

国連安全保障理事会が即刻で対北制裁を論議し、全世界ほとんどすべての国が北朝鮮を即刻で非難したのに、むしろ最大の被害国である韓国の大統領がもっともあいまいな態度をとっているという点で問題がある。盧大統領は太陽政策のみをずっと主張することは難しいと明らかにした。といえども太陽政策の失敗はよく考えてみなければならないとはどういうことなのか分からない。

北朝鮮はすでに進む道を決めた。韓国の太陽政策は失敗に終わった。それなら今後の韓国の政策はどうしなければならないのかを明らかにしなければならない。開城(ケソン)工団と金剛山(クムガンサン)観光はどうするか。北が決定的に韓国の急所を狙ったのに、まだ大統領は目が覚めない感じだ。「こんな小さな問題」という表現はさらに問題だ。北朝鮮の核実験が小さな問題なら大統領にとって大きな問題とは何か。これが国民の財産と生命を守らなければならない義務がある大統領の発言か。大統領の言葉通り「安保不感性も困るが、度が外れた安保敏感証も困る」という考えなら「深刻な状況だが、政府が状況を管理するから国民は動揺するな」と言うとか「危機状況にあるので団結しなければならない」と訴えるとか、その方が国民をより安心させるのではないか。韓国戦争以後、最大の安保危機を目前にしても大統領の状況認識が相変らずぼんやりしているという疑問を生むだけだ。

国家の安危を屈せずに責任を負うリーダーシップが望まれる。

※韓国「中央日報」(日本語版)より。。


この間、『ドイツでは、日本のお笑い芸人みたいな人はいない』って事を書いたが、日本人から“知的な笑い”が失われつつあるのは、化石のような“笑点”や古き良き“漫才ブーム”の頃のお笑いとは質が変化して来ている“現在のお笑い”のせいなのだろうか??

笑うことが悪いとは言わないが、怒鳴ったり、怒ったり、切れて見せたり、そんな“突っ込み”ばっかりで得る笑いや、厭味や皮肉、褒め殺しで得る笑いは、TPOを弁えなかったり、度を越したりすると、逆効果になると感じるのは、私だけだろうか?

朝日の社説は、キモイのは確かだが、日本人として情けなくなってしまう社説でもある。

2006年10月13日

浅尾慶一郎の質疑に見る民主党員の BDNF の SNP

20061013_mangekyo.jpg民主党は、モナーは論外として、先の田中眞紀子氏に質疑の時間を与えたり、今回の浅尾慶一郎氏の質疑の内容を見てもわかる通り、まったく、政権を取るに値しない事が確定したので、解散を命ずる。

浅尾慶一郎氏の“暴走”だったとしたら、こいつは“クビ”にしなきゃならない。もっとも、11日にも森裕子氏が週刊誌ネタで質問している事から、党是(民主党の国対の考え?)と考えるのが無理が無い。


こんな下らない低次元な内容を質問する為に、私は税金を払っているんじゃない。


安倍首相も、そもそも、こんな質問に答えなくても良さそうなものだし、自分への批判ほど大切な意見は無いんだから、積極的に読まなきゃ駄目だ。批判から目を背ける総理とかのネタにされちゃうyo。安倍首相って、釣られやすいんだよねぇ。これが、私が、最も心配している所でもある。麻生さんなら、こんな質問に“釣られ”ないんだけどねぇ!

こんな質問は、どっちに答えても、安倍総理のメリットはない。足を引っ張る(日本の事なんか最初から考えてない)事しか考えていない、ハナクソのような野党のずる賢い連中が、考えた質問なんだから、真っ向勝負はしちゃいけないんだよ。

ローマ人、いや、ローマの時代の名将ベスト4だって、真っ向勝負なんて数えるほどで、勝負をかわす事には、なんのためらいも無かったんだから、恥ずかしい事じゃない。

安倍総理には、何がなんでも、憲法第9条改正と教育改革を実現して欲しいのだから。

安倍首相「私を中傷する週刊誌は読まない」

読売新聞 2006年10月12日(木)23:32

 「私の誹謗(ひぼう)中傷を含む週刊誌の記事はあまたある。そういう週刊誌を読むつもりはない」――安倍首相は12日の参院予算委員会で、こう語った。
 民主党の浅尾慶一郎氏の質問に答えたもので、首相は「私は日本のためにすべての時間を割いていきたい」と強調。また、こうした週刊誌を名誉棄損で訴える意思があるかどうかとの質問には「歴代首相の中で、週刊誌の記事をいちいち取り上げて訴訟を起こした人はいないと思う」と述べた。11日の同委で、民主党の森裕子氏が首相を批判する週刊誌の内容をそのまま引用する形で質問したことに、首相は一時声を荒らげたが、この日は冷静に受け流していた。


閑話休題

さて、Science 誌 October 6, 2006, Vol.314 に非常に興味深い論文が掲載されている。

不安なマウスと不安な人間(Anxious Mice and Men)

Science October 6, 2006, Vol.314

抑うつ症や不安障害に寄与する遺伝子は未だに知られていないが、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子に最近発見された一塩基変異多型(【略】SNP)Val66Metが、ヒト集団によくある気分障害や不安障害に関係しているかもしれない。

Chenたちは、BDNF Met/Metバージョンを発現するトランスジェニックマウスに、ヒトで記述されていたのと同様の脳の解剖学的変化と記憶の変化があると報告している(p. 140)。

この対立形質の変異体はまた、ヒトにおける不安に関する表現型の特徴を再現するが、これら変異マウスは一般的に広く使われている抗うつ薬には応答しなかった。


“不安”という精神状態は、“出来事”に対する人のリアクションに非常に大きな影響を与える。

核弾頭を搭載したミサイルが、実際に日本人の多く住む何処かの都市に着弾し10万単位の人が死んだら、間違いなく、日本人全員が不安を感じるのだろうけど、現段階では、感じ方に“温度差”があるのは仕方の無い事なのだろう。

事実、韓国盧大統領は北朝鮮の核実験を「こんな小さな問題」と感じているし(政治的なブラフだとは思うけど、本心かもしれない)、日本の社民党・共産党は、先ずはじめに“日本の核武装”を心配している。(これも、政治的な演出だとは思うが、本心かもしれない)


アメリカからは、『日本はアメリカの核の庇護の下で、安心して寝ていられる』と軽く見られ、ブッシュは『極東の事は自分達でやれ!』と軍事力での介入はする気が無いらしい。ハワイ島においては迎撃態勢は完了したが、沖縄の米軍基地を守る為の配備が・・・沖縄の人垣に阻まれて・・・・。もし、日本人の為に血を流してくれるのなら、日本海側に配備する必要があるのは、戦略の素人だってわかる。

アメリカの若者が、自分達で何もする気も無い日本人の為に、自らの命を懸けてくれるだろうか?ふつうは、『嫌だ』って言うわな!ブッシュだって、イラクでアメリカの若い命が沢山犠牲になって、アメリカ国民から『なんで、アメリカが犠牲に?』との疑問を突き付けられているんだから、いくら小泉さんとの約束だったとしても、日米安保はお座なり、いや、なおざりにするのは当然と言える。


という状況下で、まず、『日本の核武装阻止』を決めちゃうのは、順番が違うと思うわけだ。

でも、これも、(BDNF)遺伝子に発見された一塩基変異多型(SNP)、すなわち、BDNF の66番目のバリンがメチオニンに置き換わっている人では、そうは感じないという・・・・、事かもしれない。(ヒトとマウスでは、遺伝子の役割も違っている事はあるし、マウスでの結果がヒトに当てはまらないとしても、リアクションの違い位はあるだろうとの素人考えによっているわけだが・・・。)

私の遺伝子型が、Val か Met のどちらなのかはわからないが、私の“脳”は『先ず、日本人の安全を最優先する。核兵器なんて持たない方が良いに決まっているけど、最悪の事態を迎えそうなら、核武装もやむなし』との結論に導かれる“発火”をするみたいだ。そして、目的(日本国民の安全)の為の手段に“足枷”にならないように憲法を変えたいと。

(この BDNF だけで、考え方が決まるわけじゃないので、くれぐれも誤解なきよう!)

『話せば、わかる!』なんて考えている人は、遺伝子の SNP なんて想像も付かないんだろうなぁ!だから、【人間は皆同じ思考回路を持っている】という事を前提としているとしか考えられない結論に行き着く。人間なんて色々な考え方をするんだよ!北朝鮮のチリチリパーマの考えがわかんないのは当然!多様性がなかったら、ホモ・サピエンスとしての遺伝子を後世に残せないし、多様性があったからこそ、現在、地球上にヒトが生きているんだからね。

それに、言葉のコミュニケーションが万能だと思わない方が良い。言葉はコミュニケーションの一部だ。言葉を持たない生物は、ボティランゲージ、人間の言葉で言えば“暴力”“武力”でコミュニケーションしている。チリチリパーマに言葉で通じなければ、体で理解してもらう。地球上の生き物だから、当然だ。

これも、私の遺伝子型が“発火”させている(笑)。

2006年10月17日

日本の、これから「医療に安心できますか」

20061017_firebaby.gif10月14日土曜日の NHK の番組があった為か、私が毎日訪れている医療ブログ(医師執筆)では、『医師不足』とか『医療政策』などなど、大変な盛り上がりを見せている。

NHK は、度々、このような番組を放送するが、いつも『医療に対する期待にバイアスが係る事を助長しかねないなぁ』と思ってしまう。ごく一部の“医療関係者”達だけで話し合っている様な内容に終始するので、見てて、鼻白んでしまうのだ。(だから、見ない事が多い。)

イヤミたっぷりで言わせてもらえば、私の言う“医療関係者”とは“医者と病院好きな患者(ミュンヒハウゼン症候群?)”の事である。

番組作りに参加しているメンバーからして、いつも、偏っている。

本当に医療の問題点を探り出し、解決したいなら、出演メンバーは、開業医、勤務医、公立と私立病院長、国公立・私立医学部教授(基礎・臨床)、歯科医師、薬剤師、看護師、その他の医療従事者の代表、厚労省役人、文部科学省役人、10歳代から70歳代までの各年齢世代の患者代表と健康で病院に係った事の無い人の各年齢世代の代表。

さらに、宗教家、医療経済学者、統計学者、生物学者、分子生物学、遺伝学者、進化遺伝学者の方も加えるべきだ。

そして、馬鹿代表としてタレントに出演してもらう。(おっと、これは余計かな?)


何が“バイアス”で問題なのかというと、一言で言えば、この“医療関係者”だけでの話し合いでは、『医療を受ける事が前提であり、医療を受けないという選択肢が含まれていない』と言う事なのだ。

例えばがん。現代医療では“初期の固形癌”か発見されると、必ず手術して取っちゃう。これを統計学的に処理すると、母数も多くなるが、完治例も多くなるので、見かけ上、治療成績が上がる。

しかし、現在の日本の実態は、総死亡に占めるがん死亡数は減っていない。じゃ、癌の完治率とは一体、何ナノだ?という事になる。

『結局、どんなに頑張っても、癌で死ぬ人は癌で死ぬんジャン』『研究しても意味無いジャン』という意見も出て来るだろう。

こういう意見も含めて、『研究しても意味無いジャン』に対しては生物学者や基礎の大学教授などに激論をかわしてもらう。統計的なマジック?には統計学者に解説を、“死”そのものに対する心の在り方では宗教家に語ってもらう。

もしかしたら、癌になっても『じゃ、治療しなくてもイイヨ。別に直ぐ死んでも家族が路頭に迷う事も無いし』という患者も出て来るだろう。逆に『後、1年は、絶対死ねない。何としても生かしてくれ』って考えの人も出て来るだろう。

私の立場(薬剤師)からなら、現代医療で消費されている医薬品の半分は“無意味な投薬”だと発言するだろう。無駄な投薬を無くして、必要な医療に差し向ける為だ。(私と正反対の意見の薬剤師もいる。そして薬を消費させる事に喜びを感じている薬剤師が多い事も、付け加えさせてもらう)

コレステロール低下薬や骨粗鬆症、高血圧症に、全ての患者に投薬が必要だとは思われない。これを証明するには、分子生物学者に“投薬が必要な人と否の人を見分ける知見を得てもらう”しかないわけだ。医療経済学的に、限りある原資(国家予算)を何処に配分するのか?分子生物学者に配分する事で、無駄な投薬とそれに伴う薬害を防止する為に研究を加速してもらうという方法も、目的の為には考えられる訳だ。

さらに、大学教育では、どのような職種、あるいは研究分野に重点を置くかという事を考えなきゃならない。医師が不足していると現場の声だが、一方で、現場の医師が忙しいのは医師が雑用までしているからだとの指摘もある。アメリカの医療現場で日本の医師が働く時、まず、最初に戸惑うのがこれだという。日本の医師は雑用をしたがるのだ。そして、それが医師の仕事だと思っているらしい。アメリカでは予診やカルテ書きは医師はしない。イギリスでも医師の仕事は、“判断と指示”だという。

看護師や他のスタッフがやるべき仕事まで、日本の医師はやってしまう為、良かれと思ってやった事なのに、他の職種の反応は『私の仕事を取らないで!』と怒られるのだとか。

医師というリソースの有効活用という面では、ビジネスのマネージメントのプロの意見も必要かもしれない。或は、医師の海外からの流入を積極的に進める方法もあるだろう。外国の医療制度と医師を日本国内に迎え入れるには、医師法や医療法を弄らなければならない。だから、医療問題にも詳しい国会議員の参加も得たい所だ。(看護師は海外流入が決まった、大変良い事だ。薬剤師もして欲しい。私は賛成だけど無能な薬剤師は反対するだろうなぁ!!)


さて、医療を、別の側面から見てみよう。

現代の医学の限界がの底が非常に浅いのなら、結局、初期癌を見つけてもらって、それを取り除いてもらう事は、“患者の自己満足”とも言えるわけだ。

予防をすれば医療費は安くなるという研究結果があるが、医療費は増えるという結果も出ている。喫煙にしてもしかり。禁煙を推進すると“短期的には医療費抑制”だが、長期的には“医療費が増大する”というデータもある。(出典の明示は探すのがメンドくさいのでカンベンしてくだされ)

この初期癌の患者にとってみれば、“死の病気”から免れたのだから、この医療は『質が高い』と判断するだろう。しかし、本当に質が高いのか?

とある医療系ブロクのコメント欄に、言い得て妙の表現があったので、一部を引用させて頂く。

『日本では【医療に何を求めるのか?という点で】心情的にアクセスとコストが優先されていると感じます。
【実は、現代社会においては】医療の質とコスト、アクセスは3つの内2つまでしか手に入りません。
船の速度(質)と積み荷の量(コスト)、走行距離(アクセス)を3つとも他の船より優れた状態には出来ません。
医療の質が低い状態で低い医療費と世界一のアクセスを得ていた平和な時代から医療の質(成績や医療安全)を警察の力まで使って強制し始めたので、まずアクセスが失われ、医療費も上昇し始めています。』
(【 】内の言葉は WebMaster の補足)

“医療の質”という点を一つ取ってみても、それは時代的にも相対的であり、同時代においては個人間で相対的である事を如実に表していると思う。

結局、質を高めると言ったって、現状で満足している人もいるわけで、日本人全員が満足できる制度の構築は“無理”であり“非現実的”であり“無駄を内包する”と言わざるを得ないのだ。(死を克服するのが医療の最終目標というのなら、絶対的な医療の質は存在するけど、“死”なんて克服すべきモノじゃない。そんな事したらヒトは滅ぶ。)

そうすると、サービス提供に対する“満足度”に個人差があるものは、一律に提供しなくても良いともいえる。或は、公的資金を当てにするんじゃなくって、自己負担でヤレと。

国民皆保険の基では、『都会から田舎まで、同じ料金で、同じ質の医師に係れる。これは凄い事だ』と自画自賛しているようだが、都会でも満足している人もいるし不満な人もいる。田舎でもしかり。

都会で満足している人にとっては、“医療の質(これが問題の一つなのだが)”を高く設定する為に『消費税を20%にします』といわれたら、絶対反対の筈だ。

結局、ここでも万人が満足する制度と“医療の質”が存在しない事になる。
 
 
 
では、最初に戻って、『日本の、これから「医療に安心できますか」』って、具体的に何が心配なの?
 
 
 
最後に、私の意見を!!

私は、これからの医療には『標準化と個別化』が即急に必要だと感じている。そして、この言葉がこれからの医療の“キーワード”になると信じている。


◆標準化・・・質の向上(底上げという意味。)
◆個別化・・・オーダーメイドの医療(DNA 分野の研究が無くてはならない)

これは、全く次元が違うものと考えている。

私はの言える事は、薬剤師の仕事の範疇だけなので、、、、、
薬剤師の医療における仕事の範疇での質の向上は、すべてインフラの整備に行き着く。
患者個々に対応する能力(個別化)は薬剤師が個人的にどれだけ勉強しているか?知識があるか?情報を整理できるか?に行き着く。
と考えている。

インフラの整備というのは、例えば、ネットワークによる情報の共有化。日本の全薬局と病院の薬局は、ネットワークで繋がれ、各ノードに患者情報が蓄積され、それをいつでも参照できるというシステムを作り上げる事である。(ICカードやお薬手帳などもあるが、意義の説明や患者の紛失など、継続性の観点から、適切ではない)

禁忌薬や嗜好、現在の服用状況を参照出来るだけで、かなり質は向上する。個々の薬剤師が気づくとか、うっかりなんて低次元の話は無くなるわけだ。

患者の保険証のコードを入力すると、専用の DNS によりその患者のデータのある場所が示される。すなわち、保険証のコードが、サイトの URL のような役回りを果たすわけだ。そして、瞬時に画面に表示される。患者にとってみれば、日本全国、一度、何処かで病院に係れば、後は、薬局に行って『ごちゃごちゃ』と、インタヴューされたり、そのおかげで待たされるという事もなくて済むという副次的なメリットも生じる。


個別化は、まさに患者の満足度に直結する事だから、これに対応できた方が望ましい。しかし、オール薬剤師で必要なスキルかというと、それは違うと思っている。正しく、薬を貰うだけで満足する人も多いのだから。どちらにしても、個別対応で15分、30分と時間が係る事があるのだから、これに対して、フィーを付けるべきだと思っている。流れ作業で正確に薬を交付する行為には、点数は要らない。まして、錠剤を数えるだけの行為に、どうして点数が必要なのか??

そして、満足したら“お金が係る”を当たり前の世の中にする。これが一番大事。じゃ、薬剤師と会話なんてしないよって事でも、患者の安全な薬物療法に支障を来す事は無いというセーフティネットがあれば、安心だ。

そして、薬剤師の報酬の原資は、医薬品の購入額と販売額との利ざやに求めるべきだと思う。製薬メーカーは薬価に守られて儲け過ぎ!!病院や薬局の薬剤師は市場原理に任せて、安く買うべきだ。この方が医療費抑制効果がある。(ただし、高いものはより高くなるけど、これは公的保険でみれば良い)

こうする事で、薬剤師の個別化への対応を怠ると、報酬が無い状況に追い込む事で、いやがおうでも“意味のある勉強”をしなくてはならなくなり、一石二鳥というわけだ。

薬剤師の世界では、この“勉強”という言葉の定義が甚だ曖昧であるので、ただ、『勉強しています』なんて言葉は、まったく、信用できないからだ。
最新の論文を独力で読まずして、メーカーの商品説明会や薬剤師会主催の勉強会と称するものに参加するだけの“勉強”なんてのは“笑止千万”である。(これは愚痴)
 
 
 
というわけで、薬剤師が患者個々に対して行なう行為、すなわち、個別化は現状では殆ど期待できないと考えた方が良いが、標準化に関しては、薬剤師が関与せずとも実現できる部分でもあるので、現実の可能性が大きい。

とちらにしても、私は『標準化と個別化』が『日本のこれからの“医療”には必要』と言いたい。(まだまだ、指摘できていない所が多々あると思うが、ご容赦くだされ。)

スタチン類は癌のリスクを低下させない

20061017_image3.jpgさてさて、性懲りも無く、またこの話題だ。スタチン系のコレステロール低下作用には全く興味が無い私は、スタチン系のこれには興味がある。

いわゆる、化学発癌予防薬としての効果だ。

以前、ここの clone(マリンンパの雑感)『スタチンのガン予防効果の新機序?』で、 sionoiri 氏とコメンントのやり取りが出来て、大変実りのあるエントリーネタだったわけだが、また、今度もネタになるのだろうか??

結局、がん化の定義の問題もあるし、何を以って“発がん抑制”とするのかにも因るんだけど、がん化の瞬間(こんな表現あるのか?)ミクロな一部分をみれば“抑制的”に見える事もあるし、また逆もあり、がんの発育の環境と言った面からでも、一面だけを捉えれば、促進にも抑制にも見える。また、癌化した細胞のもとの臓器によっても、それは結果が違うと。


---なんだか、“戦争”の評価に似ているなぁ---


そうなのだ、小さな宇宙とも表現される“人体”、この中での出来事は、地球上で各国の外交や戦争や平和にも似た、一言では、とても表現できないもののように感じてしまう。

トータルとして、平和になるか戦争になるか?戦争が起きたとしても、局所では“悲しみ”“恨み”が発生しても、大きな目で見れば、、、太平洋戦争のように、あるいは満州国設立のように、一言では表現できない事なのだろう。ラストエンペラー溥儀は何を思っていたのだろう?(溥儀にしかワカンナイから、考えても無駄。後世の人間が分析して熱く語るのだけは、カンベンなっ!って感じ?)日本がこのまま、腐って自滅していくのを食い止めるのは、もしかしたら、政治じゃなく、北朝鮮のミサイルが着弾する事かもyo!(おっと脱線)


ひとつひとつのミクロな積み重ねで、大きなモノが見えてくるのか?

それすら、まだ、答えは出ていないのだろう。

でも、スタチンが結果として“がん”のリスクを低下させないって、メタアナリシスで答えが出るのか?

他に方法が無い現在、これに頼るしかないんだけど、個別に適用出来ないデータで、臨床的に何が言えるのだろう?NNT が 117 のコレステロール低下治療のようにね。

その人にとっては、オール or ナッシングなわけなんだから、『%』で言われてもねぇ!


というわけで、ご覧ください。

スタチン類は癌のリスクを低下させないという、新たなメタアナリシス結果

提供:Medscape

今までで最大規模のメタアナリシスが行われ、以前の結果と同様に、スタチン類は癌リスクを低下させないという結論が出た。ただし、癌リスクの低下を示す疫学研究も複数存在する。

Zosia Chustecka
Medscape Medical News


【10月11日】スタチン類と癌リスクに関する今までで最大規模のメタアナリシスが行われ、癌リスクは低下せず、スタチン類には予防効果がないことが結論づけられた。

『Journal of Clinical Oncology』9月25日号に発表されたこの最新のメタアナリシスは、アテネ大学(ギリシャ)のStefanos Bonovas, MDらが実施した。35のランダム化臨床試験の対象になった109,143例の患者のデータに基づいており、「同種のメタアナリシスの中ではもっとも規模が大きく、包括的なものである」と論説記事で述べられている。

癌リスクに対してスタチン類に予防効果がないという結論は、2006年初めに『Journal of the American Medical Association』に発表された大規模メタアナリシスのひとつ(Dale KM et al. JAMA. 2006;295:74-80)を含む、他のメタアナリシスすべてにおいて一致するものである。すべての報告において、関連性は否定されている、と論説委員は記している。

これとは反対に、全ての癌や局所癌の発症においてスタチン類が癌リスクの低下に効果があるという結論を導いた疫学研究が複数あることもこの論説記事で指摘されている。これら研究のひとつとして2005年の『New England Journal of Medicine』に発表された研究(Poynter JN et al. N Engl J Med. 2005;352:2184-2192)は、多くの関心を集めた。この研究はイスラエルの症例対象研究にもとづいたもので、結腸直腸癌のリスクが47%減少したとしている。

しかしながらその他の疫学研究ではスタチン類には癌リスクへの予防効果が見つからず、ごく少数とはいえ、むしろ癌リスクが増加したとする研究も存在することを、論説委員であるウィスコンシン・マディソン大学のKyungmann Kim, MDが指摘している。

「現段階で引き出すことができる唯一の結論は、スタチンの使用と癌リスクとの間の関連性は、(1)良くても決定的に確証されておらず、(2)悪ければまったく効果がないということも考えられる」とKim博士は記している。

事態はもう後戻りできないのか?

「この知見が臨床医に与える影響はどのようなものだろうか?」とKim博士は問いかけている。スタチン類を多発性骨髄腫と転移性大腸癌に対する治療として、また乳癌と大腸新生物に対する予防的化学療法(さらに神経形成異常に対する臨床試験が開始される予定)として使用した場合を研究する早期段階臨床試験がすでに複数開始されている、と同博士は指摘している。

「もし、万が一、これらの研究によって信頼性のある予備データが得られた場合、この矛盾を解決する明確で単純な方法は確定的なランダム化対照比較試験を実施することである」。しかし、確定的ランダム化試験を実施できる期間はそう長くは続かない。この薬剤の使用が急速に広まって適格な患者群を見つけることが困難となり、データの夾雑の問題が出てくるためである。「事態は、もう後戻りできない状況になっている」と同博士は述べている。


J Clin Oncol. Published online September 25, 2006.

Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape

ところで、とあるブログで『閑話休題』の使い方を“コメント欄”で指摘されていた人がいた。『話の内容からすると、間違ってない?』って。

私が誰かのエッセイか何かで始めてこの単語を目にした時、まったく意味が解らなかったので、辞書を引いた事があった。で、余談モードを抜けて、本筋に戻すって意味だって知ったんだけど、ブログを書くようになって、タマに、くだらない内容の方が、実は書きたかったりした場合、敢えて“余談”に見える方を『閑話休題』して書き進める事があるんだけど、こういう使い方は、間違っているのだろうか??

スタチン系の発がん抑制を書いている時に、戦争責任の話に“余談”して、スタチン系の本題に復帰する時に『閑話休題』で抜けるのが正しいとは思うんだけど、書いてて【燃える】のは、実は戦争責任だったりする場合は、どうなるのだろう?

タイトルもスタチン系だし、引用もスタチン系だしという事で、どんなに主張したい事が戦争責任だったとしても、『閑話休題』で戻るのはスタチン系が正しいのだろうか?

そうすると、AAAと話しが続いて“余談”が挟まり、閑話休題、AAAが正しい使用法なのか?

AAAを枕にして閑話休題、本題って流れでは、誤用なのだろうか??

いや、人の振りして我が振り直せって奴です。ハイ。スタチン系とは何の関係ないっス!
 
 
 
閑話休題

化学発癌予防って、実は、週刊【医学のあゆみ】で特集されていた事があった。(Vol.204 No.1 2003.1.4~)この時は、スタチンだけじゃなくって、酪酸、ビタミンD、カロチノイド、NSAIDs、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、SOD、ホリフェノール、植物性素材、果実成分、フラボノイド、アントシアニン、カルコン、クルクミン、ニンニク、イソチオシアネート、葉酸、ビタミンB12、食物繊維にラクトフェリンなどに、理屈をくっ付けて、発がん抑制効果を示していた。

ふむふむ、こういう“見方”もあるのかぁ!と感慨深かった。

臨床的に“効果がある、無い”は大切なんだけど、細かい部分の(屁?)理屈を知るのも、なかなか、面白いものなのだ。

そう、歴史の解釈に似ている。。。。2000年前のヨーロッパが解るのは、カエサルとキケロの書き残したものがあるからだといわれているように。これだって、たった二人の記述なんだから、本当か?って言われれば、それまでだ。二人が創作作家だったりする可能性だってあるわけなんだからね。

でも、面白いものは面白い。

2006年10月20日

PD様の脳障害にニコチンが保護効果

20061020_tabacoimage.jpgまずは、これを読んでみて下され。

PD様の脳障害にニコチンが保護効果

動物実験でリスクが25%低下

〔ニューヨーク〕 独立非営利研究組織であるパーキンソン病研究所(カリフォルニア州サニーベール)のMaryka Quik氏らが行った5年に及ぶ新研究によると、ニコチンはパーキンソン病(PD)で生じるのと同じタイプの脳障害に対して保護効果があるという。この研究はPDに特徴的な脳機能の漸進的な低下を引き起こすMPTP(1-methyl-4-phenyl-1、2、3、6-tetrahydropyridine)で処理された実験動物で施行され、Journal of Neurochemistry(2006: オンライン版)に発表された。6か月にわたりニコチンを投与された動物は、ニコチンを投与されなかった動物に比べMPTPによる傷害が25%少なかった。


細胞の生存を促進

 ニコチンの脳保護効果は、PDの発病率が喫煙者で低いことを説明するとともに、早期PD患者の治療にニコチンが有効かもしれないことを示唆している。

 PDは進行性の神経変性疾患で、中脳の小さな細胞群の死により引き起こされる。これらの細胞の漸進的減少により、正常な身体活動に必要な化学的メッセンジャーであるドパミンが減少する。

 この研究を助成した米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のDavid A. Schwartz所長は「人々に喫煙を勧めようとは思わないが、この結果は明らかなPD症状のない動物におけるドパミン産生細胞の生存をニコチンが促進することを示唆している。また、PDの進行を減速させるためのニコチン使用も考えられる」と述べている。

 研究者らは、これらの知見に基づいてたばこの煙のどのような成分がこの効果を引き起こすのか考察した。筆頭研究者のQuik氏は「われわれはニコチンに注意を集中している。なぜなら、研究の結果ではPDにかかわる脳領域のドパミン放出をニコチンが刺激するからである」としている。

 この理論を試験するため、同氏らはドパミン産生脳細胞を選択的に破壊するMPTPを用いて実験動物を処置した。半数の動物には低用量のニコチンを 6 か月間併用投与した。この間、ニコチン用量は、たばこの煙に含まれるレベルにまで徐々に引き上げた。


成長因子の放出を刺激か

 試験の結果、MPTPのみを投与された動物はドパミン含有脳細胞機能の75%を喪失したのに対して、MPTPとニコチンを併用投与された動物では50%にとどまった。Quik氏は「この結果が示すように、ニコチン治療は細胞損傷を25%軽減した」と述べている。

 この効果に関する直接の説明はできないが、研究者らは神経細胞の成長と修復に決定的役割を果たす内因性蛋白質である成長因子の放出をニコチンが刺激するためと考えている。さらに、同氏は「ニコチンはMPTPで誘発される損傷から細胞を保護する免疫系を活性化させることも考えられる。PDの症状は線条体終末におけるドパミンが80~90%欠落したときにようやく発症する。つまり神経終末の損傷が80%か60%かの違いは、発症するかしないかの違いになるかもしれない」としている。

 現在可能なPD治療は、日々の症状の軽減に限られているが、疾患の進行を遅らせ、さらには予防するためにニコチンが用いられる日が来るかもしれない。同氏は「現在の対症療法では疾患の進行を止められない。症状は悪化し、管理がいっそう困難となる。神経保護により疾患の進行を止め、症状の悪化を防ぐ治療を受けられるようになるであろう」と付け加えている。


これを読んで『ふむふむ、タバコも“害”ばっかりじゃないんだぁ』って思った方、貴方が、もしアメリカ市民だったら、今度のアメリカ議会の中間選挙で、間違った選択(というより、情報操作の被害にあう)をさせられてしまうかも知れない。

20061020_Pierrot_LE_FOU.jpgこの研究では、喫煙者の特徴、喫煙者の性癖は疾患の発病率と関係が無いかのような前提で考察を進めているが、IQや職業別の喫煙率を見る研究から、IQの低い層ほど、また、知的レベルの低い職業ほど喫煙率が高いという調査結果と、『瘋癲の寅さん』でも触れたけど、高学歴=勉強好き=「例えば、ドパミンが長期に不足していると、パーティーに参加するよりも、机に向かって勉強する事を好むようになるかもしれない」のように、知的レベルの高い職業に就く人が、もともとドパミンが少ないって言う遺伝学的な個性があった為の結果だとすると、『喫煙者にパーキンソン病が少ない』理由が『煙草中のニコチンのおかげ』といっていいのかどうか、わからない訳だ。

快楽に溺れない人=喫煙癖があっても禁煙が簡単にできる人は、もともと脳内ドパミンレベルが低いだけなのかもしれない。ドパミンが不足する事がパーキンソン病の原因なんだから、それだけ発症するリスクが高いわけだ。

IQ が低い原因は脳内ドパミンレベルの影響だけじゃないのは明らかだが、パーキンソン病の生涯発症リスクは2%、医師を含む高等な教育を受けたグループは4%で、教育レベルが低い労働者では1%というデータは、これを裏付けている。

喫煙のご利益を云々するためには、“ドパミンが少ないって言う遺伝学的な個性”というバイアスを取り除いた臨床試験をしなくっちゃならない。

また、禁煙が何度も挫折する人は、『自分の意志が弱い』などと、自己嫌悪に陥る事は無い。何故なら、そういう“脳”を持っているからだ。この喫煙を止められない“脳”はパーキンソン病に対しては“強い”んだから、禁煙できない事を自慢して良い。(本当か??)
 
 
 
科学という分野は、仮説を裏付けるデータと共に提供されると、科学とは縁遠い人にとっては、あっけなく信用させる事が出来る分野だと言える。

そして、科学とは縁遠い人の方が数の上では“マジョリティ”なので、この人達の間に形成される“コンセンサス”が“世論”となり、すなわち、万人に『わかった気分』にさせる事になるのである。なんの理由もなく『わかった気分』にひたっているだけなら“実害”はないが、データの提供の方法一つで、色々な印象を植え付ける事が出来る“ネタ”にもなり得るわけだ。上の『喫煙がパーキンソン病に良い』というようにね。

そういう意味で、米議会中間選挙を見てみると、違った面が見えてくると思う。

米議会中間選挙での科学という切り札

Nature October 19, 2006

11月の米議会中間選挙は大きな山場である。民主党が過半数を占めるためには、上院で6議席、下院で15議席を勝ち取る必要があり、ジョージ・W・ブッシュ大統領にとっては、残る任期の間に勢いを盛り返すか、死に体となって何もできずに交代を待つだけかという大きな違いになる。

激しい選挙戦では、民主党も共和党も取って付けたように科学の問題を取り上げて、有権者を動かそうとすることがある。胚性幹細胞研究に対する大統領の最近の拒否権発動は、共和党、民主党のどちらにとっても、自党と他党の候補者の違いを際立たせるよい材料となった。3つの州では、候補者が気候変動、幹細胞、それに(カリフォルニア州ではお決まりといえる)クリーンエネルギーなどの「科学的問題」を主な争点として現職に挑んでいる。

今週のNews Feature特集では、選挙戦で科学がどのような役割を演じているかに注目する。


このように、アメリカ議会の選挙において、アメリカ市民は“科学”という“解ったような解んないような”問題で振り回されている訳だが、実は、日本の我々には、そんな事はどうでも良くって(ホントは良くないけど、当面はどうでも良い)、この選挙において“北朝鮮の核開発”が全く取り上げられていない事に、注意を向けなきゃならないのでは?と思うわけだ。アメリカ市民にとっては、単に極東の問題で『そんな事、私達の生活と何か関係があるのか?』という感覚なのだろう。

当然の事である。

米国大統領は“世界の警察”を自負するアメリカの面目を保つ為にも、極東には介入したい所だろうが、“現場にソッポを向かれ”ちゃ、元も子もない。(大統領が共和党で議会が民主党なんて事になったら、いつぞやの青島幸男都知事状態だし、)事実、アメリカ市民、アメリカ軍に所属する第一線の兵士達、及び、その兵士達の家族にとってみれば、自分達に直接降りかかる脅威(北の核がテロに回った事が事実となれば動くのだろうが)でもない事で、アメリカの若い命が犠牲になる事に、耐えられなくなってきている。(イラク戦争の後遺症)

日本は、もしかしたらリップサービスになってしまうかもしれない“アメリカの核の傘”を本当に信用していて良いのだろうか?もし、北が暴発して、米軍が動いてくれなきゃならなくなった時、アメリカ市民の極東派遣にコンセンサスが得られるのだろうか??


先日、安倍首相と民主党小沢代表との党首討論があったわけだが、自民党の提案をことごとく反対するしか能が無く、代案を出す訳でもない小沢=バカヤロウ=一郎は、さっさと政治家そのものを辞めた方が良い。社民党や共産党は、党の維持に独自の資金ルートを持っているんだから、存在しても構わないが、民主党だけは、存在する“意味”も“意義”も無い。

自分の事(安全)は、自分でやる(守る)のが、当たり前の事だと思うのだが、どうも、日本にいる視野の狭い人達=科学で騙され易い人達は、自分の安全は人に任せておけるものだと思っているらしい。その根拠は、いつも私には理解不可能だが。


ところで、こういった、市民が選択を迫られた時に、どのように行動するのか?を研究する学問領域が興りつつある。学問の垣根を横断するような学問である。

神経経済学。

神経と経済って繋がるのかよっ?

人の言葉を借りれば、『神経経済学とは、大ざっぱに言うと「選択の科学」である。つまり、神経科学、経済学、心理学からヒントを得て、人がどのようにして物事を選択するのかを分析する学問だ。神経経済学は科学であるが、その信奉者たちは楽観的で「意思決定」に関する生物学的にも行動学的にも正確な一般理論に到達できると考えている。』だそうだ。

ヒトは何かしらの選択を迫られた時、意識するしないに関わらず、自分の“損得”を基準にするってことだろう。“経済学”とはいっても、結局“損得”だし、生きていくモチベーションも“損得”だし、自分の遺伝子をより多く残そうとする“本能”も“損得”によって行動の判断をしているのだろう。


非常に納得できる話である。

さて、色んな解釈が考えられる次の命題!貴方なら、どのように解釈しますか?

未婚者は早死リスクが大きい

〔ワシントン〕 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA、ロサンゼルス)のRobert M. Kaplan教授らは、結婚経験のない人は若くして死亡する可能性が高いとJournal of Epidemiology and Community Health(2006; 30: 760-765)に発表した。


結婚は社会と結び付ける役割

 Kaplan教授らは、1989~97年の米国の人口調査と死亡証明書データに基づき約 6 万7,000人の成人を対象に研究を行った。89年に、対象者の約 2 分の 1 が既婚、約10分の 1 が配偶者と死別しており、約12%は離婚, 3 %は別居、5 %は同棲しており, 5 人に 1 人は未婚であった。

 予想できることであるが、高齢と健康状態の悪さは1997年までの死亡の最も強い予測因子で、結婚を継続している群は長い寿命と強く結び付いていた。年齢、健康状態、その他の影響を与えそうな因子を考慮すると、89~97年に死亡する率が配偶者と死別した群では約40%、離婚または別居群では27%高かった。しかし、未婚群は89年の時点で配偶者と同居している既婚群と比べて、同期間に死亡する可能性が58%高かった。

 結婚歴のないことによる“不利益”は健康状態が非常に良好である群で大きく、健康状態が悪い群では小さかった。また女性よりも男性で大きかった。若年層では未婚群における最も多い死因は感染症か外的な要因であったが、中年層と高齢者層のおもな死因は心血管疾患または慢性疾患であった。

 未婚男性は未婚女性に比べ脆弱で、また19~44歳の未婚男性群は同年代の既婚男性群と比べて死亡する確率が 2 倍であった。

 リスクのある習慣の差ではこの違いを説明することはできず、未婚群は既婚群に比べわずかに喫煙率が高く、規則的に飲酒している率が少なく、さらに運動量はわずかに多く、太りすぎは少なかった。

 同教授らは「結婚は社会的つながりのおおまかな代用物である。未婚であることは、より重度の孤独と関連するのかもしれない」と述べている。

ジェンダーフリーの愚かさ

20061020_feminism.jpgこのことは、何かの折りに書きたかったのだが、なかなかちょうど良いタイミングに出会えなくってそのままになっていた。

安倍内閣が発足して、小泉内閣では浮き捲くっていた内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)が、引き継がれない事になって、やっと、内閣にも生物学的な面から『男と女は違うんだ』って事を言える人材が、入ったのかもしれない。首相補佐官かもしれないけれど、とにかく、猪口邦子女史みたいな、ヘンテコりんなヤツがいなくなって、ほっとしている所なので、これのネタだけで、書いてみる事にする。

して、こんな、猪口邦子さんだけじゃなく、アメリカ人の耳にでも入ったら大変な事になりそうなタイトルを付けてみたんだけど、これは、はっきり言って“釣り”だ。(何人が釣られるか・・・・、おおっと、これをばらしちゃ台無しだ。。笑)

でも、これから書く事は、私にとっては大真面目なのだ。

少子化対策、、、日本で人口が減っているのは、産科医や小児科医が少ないからではなく、産休制度が整っていないからでなく、社会のシステムが“男型”になっているからでもなく、もっともっと大きな力、『一定の空間(環境)には一定の個体数しか存続し得ない』という自然の摂理、生物の必然で減少しているわけで、日本という島国に、適正な人数になるまで減り続ける事は必至なわけだが、それでも、少しでも、これに抵抗したいのなら(日本型先送り社会保障制度の安定を求めるなら)、先ず、『男と女は違う』を認める事から入らなきゃ、何時まで経っても、目的を達成する事は出来ない。

20061020_number_of_sex.gif私が思うに、今現在は、環境が男性の中性化を以って生殖能力を落し、出生数を落していると考えている。SEX レスカップルや女性のような奇麗な男性の出現、ストレスホルモンによる陰萎、出世欲の減少や暴力性・攻撃性の減退など、雄の性の特徴がことごとく、目立たなくなっているからである。
名誉欲などは、嘲笑の対象にまで成り下がっているし・・・(これは、ちょっと違うか!!)
※左のグラフは、年間の SEX 回数

イスラエルのキブツ制というのをご存知だろうか?

小さい頃から、男の子が『男の子らしく』女の子が『女の子らしく』躾られて育ってきたので、そういう社会になってしまったと主張する、何処かの大学の女性教授がいたが、そういう人達の『男女差が社会に根づいているのは、そもそも、そういう風習からして悪いのだ。平等に育てれば、男女の違いなんて無くなるのだ』との主張を木っ端微塵に打ち砕く破壊力を持った実例として、現代に存続する希有な制度の事である。

キブツの活動は、この女性教授のようなイデオロギーに基づいて始められたそうだ。1910年に始まったこの制度は、『女性を開放する為には、性の役割を撤廃する事であり、女を日常の家事労働から開放する事が、必要な条件である』との考えから、色々な制度を作って実践している。

この考えの根底には、男女間の不平等は、女という生物学的な悲劇に原因があり、その悲劇故に女は男に経済的に依存し、日常を家事に縛り付けられる事になったのだという。まさに、日本の某大学女性教授の主張そのものだ。

で、その具体的な実践は、子供の世話は母親が行なわず、代わりに集団で保育され躾も行なわれる。子供たちは年齢別に分けられた家で生活し、女性を家事の義務から開放する為、共同の炊事場や洗濯室や食堂が作られた。男も女も好きな職業を選び、政治でも男女が対等に参加するように制度が作られた。

しかし、、、実際は、キブツが始まった時から、主要なポストは男性で占められた。キブツ連合の執行部には、女性は最低でも1/3が占めるように決められたにも関わらず、それには達していなかった。

どうしてかというと、女性自らが、その役目を買って出ようとしなかったからである。その高尚なイデオロギーを掲げたにもかかわらず、労働が男女に振り分けられたにもかかわらず、役割分担の偏りは長い事、無くならなかったそうだ。

キブツ制度の初期の段階では、男と女の仕事内容は同じようなものだったが、1950年頃には、キブツでは最も地位が高い職業である農業に従事するのは男であり、女は看護婦や教師をするようになっていった。高齢の女性達は、男女間の違いをなるべく無くそうとしたのに、若い娘達は、ファッションやアクセサリーに夢中になってしまった。

そして、母親達は、自分の生んだ子供と一緒に寝られないという事に、不満を募らせるようになっていく。そして、女達は、自分の子供を世話する事で“満足感”が選られる事に気づくのである。その傾向は、今現在でもキブツ内で続いており、男女の就業状況はキブツ以外の集団のそれよりも、偏りが大きくなっているという。


このように、男女を同等に扱うとか、区別するとかが“良い悪い”ではなく、それぞれの性の仕事の“満足感”が違うのである。

そして、それは、ヒト以外の生物においても、まったく同様なのである。何故ならば、同じ進化の過程で、そのような“脳”を持った種が選択されたからに他ならないからなのだ。

例えば、軍事的な職業に女性が向かないのは、女性はこの仕事をしても“満足感”が選られないだけで、男性はそれに“満足感”を選られるからだ。(道徳的な話を無視すれば、男は、軍事的な行為に憧れる。鉄砲はぶっ放したくなるのだ。私もハワイでマグナム44を撃って、嬉しかった。やわらか戦車的には“まみむめ藻”を撃ちたいのだ。)

仕事の時間が多くなる事と、報酬が増える事を天秤に架けた場合、男と女ではどちらを選択するのか?答えは、男性は報酬を選択し、女性は時間を優先する。すなわち、女性は残業は拒否して“自分の時間を作る事”に“満足感”を得るわけだ。有給休暇を消費して友達と海外旅行に出かけたいのは、女の脳の為なのだ。

20061020_gi.jpg先の軍事的な職業で“満足感”を得られる女性が居たとして、そこで活躍しようとしても、現実には体力的に足手纏いになるだけで、結局、男と違う生き物だと言う事を痛感させられて、終わる。(デミ・ムーアが主演したG.I.ジェーンなんて映画があったけど、全く感情移入出来ないのは、当然の事なのだ!)


繰り返していうが、“良い悪い”ではないのだ。


企業にとってみれば、長く働いてくれた方が利益が出るなら、そちらを選ぶ事は当然であり、女性だからという理由ではない。それに、体力的に差のでない職業なら、男性と同様の考えをしている女性なら、報酬に差はない。日本では、9時から18時まで働く薬剤師に、男女差が無いようにね。


そして、子供を世話する事が、女性の脳に仕組まれた“機能”だとすれば、もうそれは男性にはどうする事も出来ない訳で、子供と過ごす時間が少ないと、それをストレスと感じるのなら、これは、男性にはどうする事も出来ない。

男と男社会(これ、半分は、女にも責任がある)をせめても意味無いのだ。

男性と女性を“比べる”からややこしくなる訳で、1つのペアと考えれば、お互いの欠点を補完し合えるわけで、ややこしいどころか、大変、合理的ですらある。子孫を残すという点からも、最小のエネルギーで最大の結果が得られるんじゃないかな?(この辺は、論文すら見た事が無いので想像だけど・・・)

ペアで話し合って、仕事の分担を決める事は、大いに結構だ。男勝りの女性のいるし、女性の方が“稼ぐ”ペアもあるだろう。

でも、言っておくが、“専業主夫”みたいな“男性”的な性質が失われた男が増えると、子供が少なくなり、また、このような中性化した男は、一般的な女性からは、モテない。

何故なら、生活能力の無い“男”は“雌の脳”にアピールする事が出来ないからだ。“出来る女”が求めるのが“専業主夫”とは限らない。いや、圧倒的に“出来る男”を選ぶ筈だ。生活能力だけじゃなく。


猪口元大臣に聞きたい。“専業主夫”を希望するような男と一部上場企業で社長まで上り詰めようと努力する男と、どちらに魅力を感じますか?って。

2006年10月21日

「糖尿病だから」核攻撃も 中川政調会長

20061021_thank_you_smoking.jpgしかし、中川昭一政調会長も可哀相だよなぁ。こんな、主旨を曲解されて、いわれもない非難を食らってさぁ!!

糖尿病患者団体も、病人の被害者意識を?を最大限にアピールしてるけど、こんな意識じゃ治るものも治んないって事を自覚した方が良いんじゃないのかな?Ⅱ型糖尿病は、はっきり言って食べ過ぎが原因だ。贅沢かどうか判断は個人差があるけれど、厳密なカロリーコントロールで服薬が必要無くなる事を考えても、食べ過ぎなのだ。糖尿病患者自身は、解ってるとは思うけど、カロリーコントロールをストイックに履行できない事を人に言われた悔しさや、“自己嫌悪”をこんなところで爆発させるのは、『病人=弱者なら、何を言っても許される』という感じがして、同情出来ないよ!!そりゃ、体質があるから、他人と同じ物、量は食べられないけど、食糧難の時代でも生き残れる“素晴らしい倹約体質”なんだから、むしろ、その事を自慢するくらい、ホジティブに考えた方が良いんじゃないのかなぁ!?
(それは、健常者の考えだ!っていうのは、勝手だけどさぁ)

糖尿病学会もⅠ型とⅡ型の病名は変更すべきだよ。自分ではどうにもならない病気っていう甘え(反発される表現だなぁ)をⅡ型の患者に持たせない為にも、糖尿病と一包めで“贅沢病”とⅠ型の患者が言われない為にも!!

いや、一般論まで広げても、自分ではどうにもならない病気(例えば先天的な疾患や感染症など)には、印象が悪くなる病名は避けるべきだし、変更するのに異議はないけど、生活習慣によって発症する病気は、イメージを悪くした方が、逆に良いと思うゾ。その名称を忌み嫌えば、病気にならないように注意もするだろう。

タバコにしても、日本じゃ、パッケージにタバコによる疾患の“エグイ”写真など付けないんだけど、日本以外じゃ、当然のようにやってる。あれと同じじゃない?

今朝、【喫煙率の目標設定】の問題で、日本タバコ産業のお偉方が『タバコは、常識ある大人が自分の判断で決める事だから、周りがとやかく言うな』って言ってたけど、日本に常識ある大人が何人るんだろう?ほとんどの日本人は、年齢は大人だけど、精神年齢は幼児並みじゃないの?だから、核保有の是非の議論すら出来ないんだよな!これじゃ、“臭いものに蓋”だよ!良識派ぶってるオバカさん達!!

こんな大人に、常識ある判断を期待しても意味ナインじゃない?日本タバコ産業のお偉方の口からは『日本人の大人は幼児並みだ』とは言えないのはわかるんだけどさぁ。

幼児を躾るには、理由は要らないでしょう!あれと同じ。日本の幼稚な大人には、イメージの悪い病名が必要なんだよ!!こうしないとわかんないんだから。言葉を優しくまろやかにすればするほど、可笑しくなってる事なんて腐るほどあるでしょ!病院はサロンじゃないっつーの。

上の絵は「サンキュー・スモーキング」。コレ、『嘘は言わないけど、真実を全て語っているわけじゃない』が良く解る映画。奇麗事と建前ばっかり言ってるオバカさん達必見!!(かな?俺、まだ見てないからなぁ)


そろそろ、本音で話そうよ!!そして、病気のイメージを悪くしても、病人まで悪いイメージで見ない、“良識ある大人”になろうよ!!日本人!!


で、チリチリパーマの糖尿病に戻るけど、ヤツは贅沢品を輸入し捲くって、食べ捲くって、糖尿病になっている。(のか?俺知らないんだけど!)あの体型は、食べ過ぎ以外の何物でもない。まさか、栄養失調で腹水が溜まって、腹が出ているなんて、考える奴はいないだろう。チリチリパーマの宮廷料理人達?によれば、それはそれは、毎日、たいそうなご馳走が出されているそうだから、これを“贅沢”と言わずしてなんというのだろう。

北朝鮮への制裁を決めた安保理決議は、大量破壊兵器やミサイルの製造に使われる可能性のある物資の輸出・移動を禁止するほか、「ぜいたく品」の禁輸も義務づけたわけだ。

何が「ぜいたく品」なのかは、安保理は明示していないけど、他の国の一般常識として、っていうか、生活必需品以外と考えても良いだろうモノを禁輸にするのだろう。「ぜいたく」で有名なチリチリパーマの事だから、こんな事をされたら『俺様をこんな目に合わせるなんて許せない!!地獄を見せてやる!!ようし、核弾頭搭載ミサイル発射だ。』って。


今までの非常識で天上天下唯我独尊的な行動や自国の国民の処遇などを考えても、こうした短絡的な行動に走らないとも言えないわけだ。まして、チリチリパーマが一線を越えない保証は誰にも出来ない。

こんな状況で、中川政調会長はあの発言になったのに、、、、である。

民主党幹部は「与党の政策責任者として不適格」と指摘しているそうだが、民主党ほど、行き当たりばったりの政党はないね。主旨を考えたら、至極まっとうな発言なのに、言葉尻や表現に噛み付くなんて、、、、そろそろ、『オマエほど、悲しい生き物を見た事が無いよ!!俺は』の仲間入りかなぁ!

永田=偽装メール=議員がへまをやって、私の評価している野田佳彦氏が第一線から消えてしまってから、大馬鹿街道まっしぐらの民主党だから、もう、イイヤって感じ。叱咤激励もここまでだなぁ!!小沢じゃダメだよ!前原誠司氏は問題あるかもしれないけれど、もう一度、出てきて欲しいなぁ!!

「糖尿病だから」核攻撃も 中川政調会長

2006年10月20日(金)23:41 (共同通信)

 自民党の中川昭一政調会長は20日夜、静岡県浜松市内で講演し、北朝鮮による日本への核攻撃の可能性に関し「普通はやらないが、あの国の指導者はごちそうを食べ過ぎて糖尿病ですから考えてしまうかもしれない。広島、長崎に続く第3のどこか(が被爆地)とならないようにしなければならない」と述べた。

これに対し民主党幹部は「与党の政策責任者として不適格」と指摘、糖尿病患者団体も「糖尿病を“ぜいたく病”“金持ち病”というのは偏っている」と批判している。

中川氏は日本の核保有に関しても論議の必要性をあらためて主張。安倍晋三首相は論議の是非について幕引きに努めてきたが、麻生太郎外相も議論を容認する考えを示すなど政府、与党内で足並みの乱れが続いており、首相の統率力も問われそうだ。


日本の核保有、中川政調会長「議論すべきと確信」

2006年10月20日(金)21:56 読売新聞

 自民党の中川政調会長は20日、静岡県浜松市で講演し、日本の核保有の是非を巡る議論は必要だとの考えを改めて表明した。
 北朝鮮の金正日総書記について、「あの国のあの指導者は、ごちそうを食べ過ぎて糖尿病だから、(日本攻撃を)考えてしまうかもしれない。(日本には)憲法、平和主義、非核三原則を含めたいくつかのルールあるが、相手はルールも何もない。『おいしいものが食べられなくなった。日本からウニやマグロが入らなくなった。頭に来た。やってしまおう』と思いかねない人だ」と発言した。

 そのうえで、「そういうことが起こらないようにするために、制裁もいいけども、(核保有の)議論をすべきだと確信している」と訴えた。

2006年10月23日

中国の人権蹂躙映像、世界へ チベット亡命少年僧ら銃殺

20061023_m4788056.jpgなんとまぁ、間の悪い事に・・・・。

これで、北朝鮮への制裁に関して、足並みが揃わなくなるのかと思うと、またまた、メタゲノムだなぁと、感じる今日この頃、みなさん、いかがお過ごしですか?

写真は、《尖閣諸島に向かう反日抗議船》
(時事通信) 10月22日(日) 18時58分
尖閣諸島に向け香港を出港する反日団体の抗議船。日本と中国、台湾がそれぞれ領有権を主張する尖閣諸島への上陸を目指し、途中、台湾からの抗議船2隻と合流するという。中国は日本側に冷静な対応を求めた(22日)【時事通信社】
 
 
 
実は、ご存知の方も多いと思うけど、きっこのブログで“爆弾投下”って内容にハラハラドキドキしていたのだが、蓋を空けてみれば報道しない新聞社が多く、それに対して、きっこさんは苛立ちを隠せないようだったが、このニュースも産経新聞の他は朝日新聞だけが取り上げていて、盛り上がらない。

やっぱり、タイミングが悪いから、大きく取り上げないんだろうか??この判断の是非は、よくわからない。

日頃、朝日新聞の記事に対しては批判的な内容が多い私だが、この間、朝日新聞の記者さんに取材を受けた。自宅まで来ていただいて、大変、好印象の青年記者さんだったので、朝日新聞に対する見方も、ちょっただけ、変ったのだった。(その他、読売新聞は電話で、東京新聞さんは直接いらっしゃった。)

マスコミ全般の“大きなもの”に対するスタンスって言うのは、各社、個性を出す為なんだなぁって、つくづく思いしらされた。

そして、朝日の記者さんに帰りがけに聞いてみた。『きっこのブログって知ってます?』って。そしたら、『もちろん、知ってますよ!あの情報収集力って、凄いですよね!』と。『誰なんですか?』と私。『多分、業界の方ですよ。匿名でしかリーク出来ない内容に利用しているんじゃないんですか』って、記者さん。

しらばっくれたのか、ほんとに知らなかったのか・・・・、私には見抜けなかった。


でも、今回の事件は、大きな目的には、小さな出来事には目を瞑って、って『大同小異』で3大新聞は扱うんだろうねぇ。

中国の人権蹂躙映像、世界へ チベット亡命少年僧ら銃殺

2006年10月22日(日)03:24 産経新聞

 【北京=福島香織】9月末に中国チベット自治区とネパールの国境近くで亡命を試みたチベット尼僧(25)や少年僧(15)らが、中国の国境警備隊の銃撃を受け少なくとも2人が死亡した事件の映像が世界中で放映され、国際社会を騒然とさせている。

 北京五輪を控え、「和諧(わかい)(調和のとれた)社会」構築という胡錦濤政権が提唱する“理想”の陰で行われている中国の人権蹂躙(じゅうりん)に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も調査を開始、米国などが非難の声を上げ始めている。


 映像はルーマニアの登山家、セルゲイ氏が偶然撮影したものをルーマニア民放局が14日に放映。その後、日本を含む各国でも放映され、米国の動画投稿サイト「ユーチューブ」などインターネットの映像配信で世界中を駆け巡っている。


 現場はエベレストに近いチョオーユー峰のベースキャンプから見渡せる氷河。映像は9月30日早朝、氷河の上を1列に並んでネパール国境のナンパラ峠に向かって歩いている約30人の行列を見下ろすように撮影されている。警告発砲音が響いた後、次の発砲音で先頭の尼僧が倒れた。カメラは銃を構える中国兵士の姿、続く発砲で行列の最後尾の少年僧が倒れる様子、倒れた人を抱き上げる兵士の姿をとらえ、目撃した登山家の「犬のように撃ち殺された」というコメントが流れる。


 セルゲイ氏がテレビのインタビューに答えたところによると、一行はチベット仏教徒でダライ・ラマ14世に会うために亡命を敢行した。セルゲイ氏は兵士の襲撃を逃れた亡命者を助け、食料や衣類を分け与えたという。


 この事件について12日に中国当局は、兵士が違法越境者に対し引き返すように説得したものの、「(抵抗したため)発砲した。正当防衛だ」との公式見解を発表。1人が死亡、2人が負傷したとしている。


 しかし、映像が公開されたことで、亡命者の約半分が6~10歳の子供で、無防備な状態を背後から銃撃されたことが判明。チベットの難民組織など複数の人権団体の情報を総合すると、亡命者は全部で73人で、ネパールにたどりついたのは43人。そのほかは子供を中心に相当数が当局に拘束されているという。


人の感覚・感受性って、やっぱり想像を絶する事がある。日本人が鯨を食べる事に恐怖を感じる人がいるように、犬を食べる事に対して、我々、日本人は嫌悪感を感じる。
そしてそして、これ↓も。彼らにとっては、屠殺場で食肉獣を殺すのと同じ感覚なのだろう。
中国毛皮養殖場の内側

広大な国土の為、貧しい生活環境の為から一生の間に生まれた土地から離れる事も出来ない人達が、わんさか(私には想像できない。中国も公表しない。)と居るんだろうなぁ。中国には。こういうのを仕事にして生きてるんだよなぁ。北朝鮮の貧民の数はどれくらいだろう?国の指導者以外はみんな貧民なんだろうなぁ。そして、こんな人たちの間で、一体、どれくらいの糖尿病患者が居るんだろう??チリチリパーマはどうでもイイケド。

中南米に元から住んでいた人達は、西欧文明が入り込んで糖尿病が激増した。ピマインディアンの末裔達だ。倹約遺伝子が災いしたのだ。彼らは、それまでの質素な暮らしから、激変した食環境を手に入れたわけだが、果たして、幸せだったのだろうか?

人の価値観は、人それぞれだ。まして、国が違えば、違いは想像を絶する。どうでもいい事では、自分の価値観を人に押し付けても問題は無いだろうが、どうでも良いと“私が”考える事すら、ある人にとっては“大問題”だし、ある人にとっては“鼻くそ程度”の問題にもなり得る。糖尿病ひとつとっても、『そんなもの、神様が決めた運命だろう』って人もいるわけだ。

『一から十までがまん、がまんで、生きてて、何が面白いんだよ!』『タマには、美味いもん食って、贅沢することが何で悪いんだ?』に、確信をもって言葉を返せる事が出来るのだろうか?

『美味い物食って死ねるなら、本望だよ』に、私だったら『そうですね。そうしてください』と言いたい。
テレビドラマでは、涙を流しながら『私(医者)がどれぼどあなた(患者)を思って言っているのか、解りませんか?』と言い放った後、ふと、吹っ切れたように患者も泣き崩れ『私(患者)が悪かったです、先生の指示に従います。オイオイオイ(泣)』も見ていて、こっちも泣けてきちゃう事もあるだろうけど、白けた患者に当たったら、ドラマにならないし、全ての人が、同じ価値観(自分の事を考えてくれて目が覚める)な訳でもないし。

現代の医学では、“治療する事=善”と疑いも無い。医療が独善になってしまう恐れがある訳だ。長く生きることが“幸せ”だと、誰が言い切れるのだろうか?長く生きたけど、長患いで、手足の自由もママならず、家族のお荷物になって生きている人の数が、どれほどいるのだろうか?

じゃ、死んだ方が幸せって場合もあるって言いたいのか?と、どこかの誰かに食って掛かられそうだけど、私の答えは『その通り!』だ。

私は、“冷めた”人が嫌いだと、文字にした事が一度ではない。そして、“熱い”人が羨ましいとと書いた事も一度ではない。私は、この医療分野に思いを巡らす時、いつも“冷めて”しまっている。無力感がこうさせたのもあるのだろう。こんな自分をあまり好きではない。まっ、それはいいんだけど。そして、冷たく言い放つ事を“叱咤激励”と表現する事もあるけど、それは、多分7割、いや、もっと少ない、5割位の気持ちで、後はなるようにしかならない・・・って思ってる。(なるようにしかならない事に腹が立つんだけど、直ぐ萎えちゃう)

価値観ついでにもう一つ。ネットの匿名性が、助長していると思われる“自分の価値観”を人に押し付ける行為。

私は、自分と考えの違うブログに自分の考えを主張をするためにコメントを残す事は無い。あくまで、その考えが一般化出来るのなら、一般した考えそのものをネタにして、自分のブログで主張する事を心がけている。これもまた、人に強要するつもりも無い。

というか、人の考えを変えることは出来ない。変るのは、あくまで、自分からである。熱い人が、たまに飛び込んでくるんだけど、これは、これで、結構、嬉しかったりしている。熱く否定してくれると、なんか、救われたような気にもなるし。討論自体がすきなのかもしれない。酒を飲みながらやるのは、とっても面白いし。
 
 
 
閑話休題(ここで、この単語を使います。使い方、間違ってませんでしょうか?)

今回の中国の暴挙を無視するかのような新聞社の態度は私も納得できる。小さな事は飲み込んで、大きな目標(北朝鮮制裁)で一致する事を阻害するのが利益ではないからだ。私もそう考える。

そして、朝日新聞社の“社是”を、周りがどんなに吼えても変わる事は無い。と同じように、私の医学面での考えがや表現が『けしからん』と感じる人が居るだろけど、どんなにコメント頂いても、変わる事は無いと思う。それが、私のパーソナリティーだ。

それに、現場では、結構、巧く立ち回っているから心配ご無用だし。そして、巧く立ち回っているのが、本当の自分かもしれない。この辺よくわかんないんだよね。色々相談に乗って感謝されたりすると凄く嬉しいし。もしかしたら、ネットの匿名性が、自虐的な部分を露にしているのかもしれない。(でも、私のホームページって匿名じゃないんだよなぁ・・・)

2型糖尿病に低脂肪完全菜食療法

20061023_food.jpg本来なら、私の【お仕事ブログ】の方に書くような内容なんだけど、最近の経緯上、さにらは、臨床の第一線の方が一番苦労するであろう事に対して、簡単に『食べなきゃ良い』なんて言い放つ無神経さに自戒を込める意味でも、コチラに書くことにする。(一言、『日本の現状では無理なのはわかっているけれど』と添えることを忘れないようにする為に。もし、忘れていたら指摘していただきたい。)


この報告では、紹介する解説にもあるように『完全菜食療法はカロリー、炭水化物、食事量が制限されないという点で、ADA食事療法と大きく異なっている。』

じゃ、完全菜食療法にカロリーを減らした療法を施せば、もっと効果が上がるんじゃないの?たった22週間で、半分の患者の治療薬が「完全菜食療法ではより大幅に削減された」んだから、もっと、強力な内容にすりゃ・・・・・って考えない?

でも、そんなことしたら、22週間も持続できない、っていうか、絶対、被験者は脱落するよな!!私が被験者だったとしても、『何時まで、こんな食事をさせてんだよ!マクドナルドのチーズバーガー食わせろよ!牛ステーキだってたらふく食いたいぞ。こんちくしょう』って。

妻に言わせると『まったく、味音痴!食べられれば何でもいいんだから!』の私には、ある程度耐えられても、お腹が空いただけで人格まで豹変し(ゴメン)、全てにイライラする妻には、1週間も持続出来ないだろな(二人とも糖尿病じゃありませんけど)、完全菜食療法にカロリーを減らした療法なんて。人それぞれ閾値は違っても、遅かれ早かれ脱落は目に見えている。(尤も、マウスではカロリー制限で寿命が2倍なんてデータもあるから、こちらをニンジンとして鼻先にぶら下げれば、少しは、持続するかもしれない?)

結局、糖尿病の治療は、誰の為でもなく自分の為だってのは他でもない患者自身が一番解っている事だ。でも、日本での食環境の現状を考えれば、友達と一緒に食事に行っても、本日の摂取カロリーを計算しつつ“サラダ・バー”しか食べられない自分が、悲しくなっても不思議ではない。

話はいきなり飛ぶが、約3年前まで喫煙していた私は、禁煙を実行するに当たり、お酒を飲みにいったら自分だけ“我慢”している事が阿保らしく、そして惨め(副流煙を浴びつづけ)に思えてしまい『別にいいや、煙草くらい吸ったって』っと考えるだろうなって思ったので、お酒を呑みに行くのも約1年間断りつづけた。

こういう、誘惑っていうか、そういう状態に身を置きながら、生物の本能である“食欲”や“嗜好品”を抑制する事って、Ambivalence な状態に陥るよなぁ!“食欲”を抑制するネガティブフィードバックって、ほとんど機能してないみたいだし(痩せ薬がほとんど全滅)、生物にとってみれば、こんな機能が暴走(遺伝子が変異)しちゃったら、死んじゃう訳だから、強く機能する遺伝子が存在するわきゃ無いしね。(痛覚の無い人の早死にと同じだ)

友達と食事に行かない!お酒を呑みに行かない!をかたくなに守り続けられれば、楽だし、悪さをして刑務所に入ったり、アフガニスタンやチベット自治区に放浪の(命の危険を顧みず)旅をする、或はインドに修行に行くとかすれば、知らず知らずに糖尿病は良くなっちゃう・・・・ってか。でも、全く現実的じゃないよな。

だから、極一般的な(病状の事ではない)患者が食事管理を続けられるギリギリの処方箋なんだろうね。これって。(結果は話半分って事は、わかってるけど・・・・、まぁ、これは当然のこととして、次回以降では敢えて断らないけど、今回だけは断っておく。)


ところで、煙草だけど、今はお酒の席で周りで喫煙されてもまったく吸いたくならないし、意識しなくなっている。でも夢では吸っちゃうんだよなぁ、そして、夢で自己嫌悪して・・・、なんかあるのかな?深層心理に。

ADA推奨の食事療法よりも大きな効果

〔ニューヨーク〕 ジョージワシントン大学(ワシントン)内科学のNeal D. Barnard准教授らは「米国糖尿病学会(ADA)が推奨している現行の標準的な食事療法に比べて、低脂肪の完全菜食療法が2型糖尿病患者の標準的な検査値をより効果的に改善させた」とDiabetes Care(2006; 29: 1777-1783)に発表した。


薬剤投与量が大幅に減少

 研究責任者のBarnard准教授によると、完全菜食療法を行った被験者(49例)とADAの食事指針に従った被験者(50例)のいずれにおいても薬剤投与量は減少したが、特に完全菜食療法ではより大幅に削減された。また、完全菜食療法群では、コレステロール値低下、腎機能、血糖と体重のコントロールに関する改善度においてADA食事療法群よりも統計学的に有意な優位性が示された。

 同准教授は「22週後に完全菜食療法群の21例(43%)で糖尿病治療薬の投与量を減少させることができたのに対し、ADA食事療法群では13例(26%)であった」と述べている。

 一定期間、糖尿病が良好に管理されているかどうかを示すHbA1c値も全例で評価した結果、完全菜食療法群では同値が0.96%減少したのに対し、ADA食事療法群では0.56%の減少にとどまった。

 総体重の減少は完全菜食療法群で6.5kg、ADA食事療法群で3.0 kg、また、LDLコレステロール(LDL-C)の低下は完全菜食療法群では21.2%、ADA食事療法群では10.7%にとどまった。

 同准教授は「腎および肝疾患の指標である尿中アルブミン値の改善度も、完全菜食療法群(15.9mg/日)はADA食事療法群(10.9mg/日)より優れていた」と指摘している。


脂肪摂取量を10%以下に調整

 完全菜食療法はカロリー、炭水化物、食事量が制限されないという点で、ADA食事療法と大きく異なっている。

 Barnard准教授は「完全菜食療法は著しく効果的であると思われる。いずれの食事療法も 2 型糖尿病患者の血糖管理と脂質コントロールを改善させたが、低脂肪の完全菜食療法でより大幅な改善が見られた」と述べている。体重減少やLDL-C低下など肯定的な効果はいずれの食事療法でも見られたが、やはり完全菜食療法で大きかった。同准教授はこの研究結果から、2 型糖尿病のコントロールには薬剤の処方ではなく、食事内容の変更をまず試みるという方法に新たな関心が喚起されるよう願っている。

 今回の研究に採用された完全菜食療法は、信頼される医療のための医師委員会(ワシントン)の登録栄養士、Susan Levin氏が食物脂肪の総摂取量を10%以下となるように厳格に調整したもの。被験者の 1 年間のフォローアップを監督している同氏によると、今回の完全菜食療法が一般的な完全菜食と大きく異なる点の 1 つは、他の面では健康によい食品でも脂肪含有量が多ければ除去することであった。このような除去食品はアボカド、オリーブ油、クルミなどある種の木の実や種子であった。

 同氏は「食事に含まれる脂肪が多いと、細胞レベルでのブドウ糖代謝が阻害されるので、被験者の体細胞から脂肪をできる限り排除した」と述べている。


ビタミンB12を補給

 Levin氏は「食物脂肪の10%制限を達成するには、豆類は脂肪をほとんど含んでいないが、鶏肉は高脂肪の鶏皮を除いた赤身部分でも約25%に近い脂肪を含み、多くの肉類では脂肪分が50%も占めることなどに注意した」と説明。被験者は動物性食品の除去ならびに脂肪の10%制限に加えて、個々の食品に対する血糖の反応を測定する血糖上昇係数の上限を厳守するよう指示された。

 これは、完全菜食療法の被験者では白パンなど精白度の高い穀物を除去しなければならないことを示している。同氏によると、精白食品であってもある種のパスタ、白米、豆腐などは食事療法に取り入れてもよいが、やはり未精白の食品が望ましいという。精白糖とパイナップルやスイカなど糖度の高い果実も除去される。

 同氏は、完全菜食療法の被験者が食事にビタミンB12を補給したことを強調している。ビタミンB12はテンペ(大豆を煮て発酵させてから揚げて食べるインドネシアの食品)などの例はあるが、植物から摂取することが困難である。同氏は「容易に服用できる市販の総合ビタミン剤の含有量で十分である」と述べている。


ところで、ビタミン B12 と脂質代謝って、盲点だよなぁ。そりゃ、教科書を開けば『脂肪・炭水化物の代謝、蛋白合成、赤血球産生の補酵素として働く。欠乏すると大赤血球性貧血や固有受容ならびに振動覚の喪失という神経学的異常を起こす。摂取に上限無し。』とは書いてあるけど、脂質代謝改善ビタミンっていやー、B2 かパントテン酸くらいしか、すっと思い浮かばない。

ふーーん、ビタミン B12 ね。禁煙してから体重が5キロも増えて、トリグリが150を越えちゃって、脂肪肝を指摘されている私は、自分の体で、B12 を試してみよぉ~って・・・・思ったら、そう言えば、別の目的で(L5-S1 ヘルニアによる神経痛)で、毎日 1000μg摂取してたんだっけ。

これ、飲んでるから、この程度の肝障害ですんでるのか、はたまた、まったく効いていないのか??

止めてみればイイジャンって?

なんか、癖になってるので、止めると神経痛がぶり返しそうでコワイ・・・。

それとも、B12 がメチル基供与体となってどこかの遺伝子をメチル化しちゃって、その発現が抑制されたり・・・・ってことはあるのか?脂質代謝に影響する経路の中に??とすると糖尿病を発症し易い体質のヒトでは、B12 の効き目が顕著になる?だとしたら、メチル化された遺伝子を釣り上げれば良い?そんなこと、出来るのか??

B12 投与前と投与後の遺伝子のメチル化状態を調べるには、ターゲットが解らないんだから先ずは俯瞰的に RLGS 法で目星をつけて、って事になるんだろうけど、誰かやってるんだろうか?Neal D. Barnard准教授らのグループでは??

そうなのだ。B12 と言えば、今はエピジェネティックが熱いのだ。古い薬の作用機序も、この辺に答えを求めている。バルプロ酸ナトリウム(VPA)にはヒストン蛋白のアセチル化を促し、DNA の脱メチル化を促進してって事だけど、癲癇からみるとバルプロ酸はメチル化解除でビタミンB6 は はメチル化強化って相反する作用が、同一疾患に効果がある所をみると、、、、、まだまだ、先は遠い。

糖尿病に関しても、エピジェネティクスで語る時が来るのだろうか?

B12 が脂質代謝に効いて、バルプロ酸の副作用に『食欲亢進を伴う体重増加』ってのがあるけれど、メチル化解除に関係があるのか???


・・・、と、ひょいひょいと別な所に話が飛んでしまう。これも、私の特徴・悪い癖かな?読んでいる人の事を考えずに、流れを端折って勝手に思考が別な所に行っちゃって話を進めちゃってる。誤解されて当然?。『閑話休題』には、注意してんだけどなぁ。

2006年10月24日

市中感染のMRSAが壊死性筋膜炎を惹起

20061024_antibiotics.gif感染症が心筋梗塞や筋膜炎、心筋炎などの原因と考えられる事は、想像に堅くないわけで、驚くべき事ではないし、そもそも、地球という環境で他の生物、微生物に囲まれて(共生して)生活している人間が、このような影響を受けていない事を証明する方が難しいくらいだ。

メタゲノムの研究者に言わせれば、『データベースに登録されている塩基配列の総数のうち、原核生物はわずか3%、地球上にいる生物種のうち、わずか0.01%のオーダーしか解読されてない』であり、人間は“知ってるつもり”になっているけど、ほとんど“未知の生物”に囲まれて生活しているとも言える。

メタゲノム研究の端緒となった論文を紹介するので、興味のある方ご覧下され。
Environmental genome shotgun sequencing of the Sargasso Sea.


余談
最近、私はこのメタゲノムと言う言葉がお気に入りで、しかも、本来の意味を曲解?して『人間の力ではどうにもならない』『人間が自分のおかげだと勘違いしている事が実は外部からの遺伝子(ウイルスなど)の感染によっているかもしれない。感染とは表現型が“病気”とは限らないという意味で』『人間の考えすら、自分で考えていると思っているけど、実は、メタゲノムに考えさせられている。脳に影響があれば否定できない』と言う意味で、使っている。証明するには、私の予命の年限では足りないだろう。だから、好き勝手に思考に遊んでいるのだ。へへへ。


閑話休題
そして、ただ、それだけの内容なら、WebMaster's impressions に取り上げるまでも無いのだが、この報告は、原因が MRSA にある事、すなわち、人災である事に言及している点で目を引き、しかも、USA300 CA-MRSA株は“パントン・バレンタイン・ロイコチジン(PVL)”という初めて聞いた“毒素”を放出するという事に、ビックリしたので、取り上げる事にしたのである。


提供:Medscape

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の常在流行地域において経験的に用いられる抗生物質への保険適用を再考する必要性を示唆するデータ

Louise Gagnon
Medscape Medical News

【トロント 10月16日】市中感染のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA-MRSA)と、まれな軟部組織感染症である壊死性筋膜炎(NF)の間に関連性が認められたという研究の結果が発表された。この結果は、CA-MRSAの常在流行地域において壊死性筋膜炎の治療目的で経験的に用いられる抗生物質への保険適用の必要性を強調している。

この研究の治験責任医師であるデンバー保健医療センター(コロラド州)の感染症専門医Lisa Young, MDは、第44回米国感染症学会(IDSA)年次会議のポスターセッションで講演したが、その中で同博士は、ロサンゼルスで発生したCA-MRSAによる壊死性筋膜炎14例の症例報告が最近発表されたことを受けて、同博士らの施設でもCA-MRSAが壊死性筋膜炎の起因菌となる頻度を調査したと述べた。

「当院ではMRSAを起因菌とする壊死性筋膜炎の症例を2-3例経験しており、その有病率を知りたいと考えた。これまでに有病率の報告はない」とYoung博士は述べた。博士はコロラド大学臨床系教授会のメンバーでもある。

さらに、USA300 CA-MRSA株はパントン・バレンタイン・ロイコチジン(PVL)というサイトトキシンを産生するが、このサイトトキシンは非常に攻撃的な壊死性感染症を引き起す、とYoung博士は述べた。

「これらの分離菌はこの5年間で増加の一途を辿っているが、これは抗生物質の乱用に起因するものと考えられる」とYoung博士は述べた。「おそらくMRSAによる壊死性筋膜炎に遭遇している理由として、この[USA300の]クローンによる有病率が市中において高いことが挙げられる。この点が、他の黄色ブドウ球菌クローンとは異なる」。

研究者らは、2004年1月から2006年2月までのすべての壊死性筋膜炎症例を対象にレトロスペクティブ(後ろ向き)カルテ・レビューを実施した。その結果、壊死性筋膜炎症例30例中計5例(17%)はMRSAに関連するものであると確認された。発生部位は全例とも四肢の表面であった。研究者らは、壊死性筋膜炎の起因菌となったMRSA分離菌について、パルスフィールドゲル電気泳動法によるPVL遺伝子検査を実施し、CA-MRSA株との関連性を検討した。

5例中3例は単一菌のMRSAによるものであり、全例とも入院2日前に「クモ咬傷」病変を経験していたことが指摘された。分離菌については、PVL遺伝子が検出されたほか、パルスフィールドゲル電気泳動法によってもUSA-300 CA-MRSA株のDNAバンド染色パターンが確認された。

患者の年齢の中央値は32歳であった。分離菌5種類中4種類はエリスロマイシンおよびレボフロキサシンに対して耐性を示した。分離菌のうち、クリンダマイシンに対して耐性を示すものはなかった。患者は全例とも入院後12時間以内に抗生物質の単剤投与を受けており、各患者のMRSA分離菌はその抗生物質に対して感受性を示した。

病態は外科的負担を伴い、患者は中央値6回(範囲2-7回)の外科的処置を必要とした。切断を必要とした症例はなく、死亡例もなかった。CA-MRSAと壊死性筋膜炎を関連付ける危険因子は特定できなかった、とYoung博士は付け加えた。

患者が壊死性筋膜炎で救急部を受診した場合には、直ちにMRSA治療の目的で抗生物質を投与し、その後、手術室に移送してデブリドマンを施行すべきである、とYoung博士は説明した。「培養の結果が戻るのを待ってから抗生物質を投与するのは賢明ではない。その理由として、抗生物質の投与開始を遅らせれば、病巣が拡大する可能性もある」と同博士は述べた。

「MRSA出現率が高い地域に居住する医師であれば、患者が壊死性筋膜炎で受診した場合には、MRSAに有効な抗生物質による治療を実施すべきである」とYoung博士はMedscapeに語った。そのうえで、デンバー保健医療センターにおける黄色ブドウ球菌症例の50%以上がCA-MRSAであることを指摘した。「従来、[CA-]MRSAが壊死性筋膜炎の起因菌ではないと考えていたことから、そうした治療法を実施しなかった。だが、この治療法は当院の地域では重要であり、おそらく他の地域でも重要であろう」。

この研究の結果は、壊死性筋膜炎の治療で経験的に行われるMRSA治療への保険適用の必要性を痛感させ、新たなMRSA株の脅威を強調するものだ、とIDSA前会長John G. Bartlett, MDは述べた。

「この研究の結論に同意するのは簡単だ」とジョンズ・ホプキンズ大学(メリーランド州、ボルチモア)の内科教授であり感染症専門医のBartlett博士は述べた。「抗生物質療法についての意思決定を迫られる時点で問題となるは、起因菌が何かを知ることである。抗生物質がすぐに効くようにしなければならない。正体を知らずに治療をしなければならない。現在では、連鎖球菌だけでなく、ブドウ球菌もこの[壊死性筋膜炎の]起因菌であることが分かっている」。

Bartlett博士は、USA-300 CA-MRSA株に由来するCA-MRSA症例を「爆発的流行」と呼んだ。

Young博士の情報公開によれば、関連する金銭的関係はない。また、この研究は、個人株や研究助成による資金提供を受けていない。Bartlett博士は、GlaxoSmithKline社、Bristol-Myers Squibb社、Abbott Laboratories社のHIV顧問委員会のメンバーである。


IDSA 44th Annual Meeting: Poster 375. Presented October 13, 2006.

Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape


とにかく、早急に『抗生物質』の乱用を止めるべきだ。日本における抗生物質の最大消費疾患は“風邪”である事は間違いない(金額ではなく量だよ。今回は医療費の話じゃないから)ので、誰かがやる気になれば不可能な事じゃないはずだ。以前にも指摘した事だが、イギリスの先例に学ぶべし。
英国でも抗菌薬の処方が増えた時期があった。その際、保健省が1999年に130万ポンド(3億円弱)、2002年に70万ポンド(約1億5千万円)を投じて一大キャンペーンを実施した。そのメッセージは、
「抗菌薬は、風邪やほとんどの咳、のどの腫れには効かない」
「抗菌薬の過度の使用は耐性菌を増加させ、本当に必要なときに使えなくなる」
「抗菌薬の過度の使用は身体にとって大切な良い細菌まで殺してしまう」

これなら、メタゲノムの話のように、一般の方には雲を掴むような話じゃないのでわかりやすいはずだ。そして感染症と心筋梗塞や筋膜炎、心筋炎を結びつけて説明するよりね。出来るよね!当局の方?!
 
 
 
今回は、先に言いたいことを言ってしまおう。この『MRSAが壊死性筋膜炎』を例に取ったのは、別に深い意味は無い。特別な“悪者”を設定しなくても、ココを読んでいる方に広くわかってもらえると感じたからだ。

そして、人が安易に“良かれ”と思い込んでいる事が、実は“もっと最悪の事態の引き金”になっている事もあるんだ。だから、“善・悪”の判断なんて、安易に下すなよ”という事を言いたい為に引用したまでだ。


今朝、いつも見ている“ズーム・イン”で、北朝鮮のチリチリパーマが言うに事欠いて“靖国参拝”に言及した事を知った。(見間違いじゃないと思うのだが、新聞各社オンライン版に掲載されてない・・・不安)笑止千万とは、まさにこの事だ。

生まれて始めて“笑止千万”という言葉が、しっくりと来る事象に出会えた。

本来なら、周りにとやかく言われる筋合いじゃない行為(何故なら、中国人・韓国人でも分別のある人は日本の伝統だと認識している)に対して、中国や韓国の国家権力による意図的な「歴史を反省しない日本」との印象操作にコロッと騙されて、日本人でさえ『靖国参拝』反対を唱える人がいるが、この日本人達は、チリチリパーマの発言に、どのように反応するのだろうか?(中国ならOKで北朝鮮ならNGなら、その判断も“笑止千万”になっちゃうよ!そんな事で揺らぐような“善悪”の判断を持つなって言いたい!)

太平洋戦争、そりゃ、戦争状態だから“人は死ぬ”だろう。個別に見れば、気が狂ったとしか言い様の無い兵隊が、狂気の殺戮をした事実があったのかもしれないが、それだけを以って、日本の侵略戦争行為の是非を簡単に決められるものではないだろう。まして、“人が死ぬ”のは、目的を達成する為の過程で生じた不幸な結果だとも言えるのに。

例えば、殺戮が主たる目的の“テロ行為”とは、全く性格が異なるのだ。

“人が死ぬ”結果を招く行為、それ自体が忌み嫌われるべき事で、“悪”であり、人一人の命が地球より重いと主張するのであれば、“抗生物質の使用により、非可逆的で致死的な心機能障害を惹起させる事”は、忌み嫌われるべき事ではないのか?

それは、病人の為、人の健康を考えた“人道的な行為”の延長線上の事だからと言うのなら、イギリスで国を挙げて否定してしまった事は、どのように説明するのか?非人道的だから、抗生物質を投与しない事を“是”としたんじゃないのか?


チベットの子供たちに、背後から銃弾を浴びせる行為をする中国人に、日本人の靖国参拝を批判する資格があるのか?百歩譲って、日本の侵略戦争が“非人道的”で“悪”であったとしても、今の日本はそういう事はしていない。それを非人道的な行為において“現役バリバリ”の中国に言う権利があるというのか?

数が違うというのなら、『人一人の命の重さ』に矛盾しないか??

日本の靖国参拝反対論者達は、もし今まで、只の一度も中国・韓国が日本に対して『靖国参拝を止めろ』『教科書を云々』と言わなかったら、どのような行動をとっていたのだ?中国・韓国が言い出さなくても、自発的に『日本は悪かったのだから、首相が公式に参拝する事は彼の国の人の心情を害するかもしれないから、ヤメヨ』と言っていたのなら、評価に値するが、99.99%の日本人は、そうじゃないだろう!

安易な“人道的”な言葉に洗脳されて、その後で、それが自分の主義主張だと勘違いして『靖国参拝反対』を唱えているんじゃないのか?
 
 
 
日本人の善悪のコンセンサスなんて、こんなもんである。


最近、あまりにも、“善悪”の判断を安易に下す(ように私には見える)人が多いなぁと感じているので、こんなエントリーになってしまった。具体的には、、、、、やっぱ、“具体的には”は止めておこう。


話は、がらっと変わるが、今通勤電車で読んでいる『ルビコン』、これ、ローマに対してかなり否定的な文章の調子(と、私には感じられる)なのだが、どんなに悪人に描かれても、ヤッパ“スッラ”は嫌いになれない。そればかりか、どんどん好きになる。ローマの登場人物で一番のお気に入りだ。

世論など、全く意に介さず、同胞だろうと何だろうと、自分に敵対する人は片っ端から殺し捲くり、自分の都合の良いように100年も前の古い時代の封印された“独裁官”を復活させて、それに就いてみたりと。軍隊を率いてローマ市内に足を踏み入れたのも始めて(凱旋式は別)、処罰者名簿を作ったのも始めてじゃないかな(間違ってたらゴメン)。

もともとスッラは貧民街に住み、色男だったおかげでツバメ暮らしをしていたわけだが、のちにローマ一の娼婦に出資してもらい政界にデビューする。軍事的に頭角を現わし、外敵をやっつける傍ら、腐りきった元老院体制、共和制を立て直す事に執念を燃やし、それを実現した人だ。

スッラと名前を聞くだけでローマ人達の金玉の袋は縮み上がったとか。

そのスッラだが、独裁官としてローマに君臨したにも関わらず、後継者もつくらず、ある日突然、独裁官を自任している。後に独裁政治が当たり前になった時代のローマの歴史家達は、『最高権力者が自ら率先して権力を手放すなんて、おとぎばなしの中でしか有り得ない』と言っているように、実に不可解な行動をする。(冷静に見れば、というか、この結論だと良いように解釈する事になっちゃうんだけど“権力に固執していない”という事か?じゃないとすると神の御告げを聞いたか?単に遊ぶだけなら、権力を捨てる事は無いし、アウグストゥス以降の皇位の継承は、ほぼ全て一悶着あり、陰謀・暗殺で殉職率40%なんだから。五賢帝時代以外は。)

そして引退後は、政治からすっかり足を洗って、カンパニアの別荘に引っ込むと、若い頃のような自由気ままな生活に舞い戻るのである。もともと、遊び人だったから、こういうライフスタイルをエンジョイする事にかけては天下一品だったのである。

そして、昔遊んだ仲間と毎夜、酒を飲んで過ごすのだ。その相手は政治家時代の友人ではなく(友人はいないだろう)、役者やダンサー、その日暮らしの三文文士、それに昔からの贔屓であった女形、今となっては薹の立った女形だけど、生涯大事にしたそうだ。

そういう生活が祟ってか、肝不全で亡くなったといわれている。

そして、死を巡っては世論が真っ二つに割れた。国葬して栄誉(元老院体制、共和制を立て直し)を称えるべきだという意見と、葬儀自体も禁じるべきだと。そうこうするうちに、スッラの元部下、退役将校達が大勢集まり、カンパニアから運び出して荼毘に付したといわれている。部下の戦士達には、圧倒的な人気があったのだ。この際、生前のスッラの恐怖がローマの民衆に蘇り、だれも口出しできなかったと。


私にとっては、このスッラのようなメリハリの付いた潔い態度と人生の楽しみ方に、憧れを感じちゃうのである。生い立ちとか、男前ってのも、いい。そして、女に金を出させて天下を取る。

スッラ、最高ジャン!

こんなローマの悪党に共感を得る人、私だけじゃないんじゃない?『悪人を好き』って言いづらいとは思うけど、言っちゃえば楽になるよ!!良かれと思ってた事が実際は悪い事だったり、悪く見ればそう見えるし、良く見ようとすればそう見える、結局、善悪は表裏一体の面もあるし、見方を変えれば善が悪になっちゃうんだから、イキリ立って善人ぶってもねぇ!もっと頭軟らかくしようよ。人道的な立場を取り続けていて疲れてしまった人、疑問を感じ始めた人に送ります。

2006年10月25日

がん細胞自殺の仕組み解明 山形大、新治療の可能性も

20061025_glycolysis.jpgこれって、もしかして、、、、、、すげぇ~発見なんじゃないの!!

がん細胞自殺の仕組み解明 山形大、新治療の可能性も

2006年10月24日(火)19:33

 山形大医学部がんセンターの北中千史教授(腫瘍(しゅよう)分子医科学)は24日、がん細胞の代謝と自殺(アポトーシス)に関する仕組みを解明したと発表した。がん細胞の代謝メカニズムを利用することで難治性がんの治療につながる可能性もあるという。研究は米医学誌に発表された。

北中教授によると、正常な細胞は酸素を利用してエネルギーを作り出すが、がん細胞は酸素を利用できる状態でも利用しないことが分かっていた。しかし、がん細胞がなぜ酸素を利用した場合の20分の1しかエネルギーを作れない方法をとるのかは謎とされていた。

北中教授の研究チームは、がん細胞を酸素と酸素以外のものを使って代謝させた場合を比較。酸素を利用しない場合、細胞内にある細胞の自殺を引き起こす分子が働かなくなっていることを発見した。

パソコンで、このオンライン記事を何気なく読んでから風呂に入っていた。

『ふぅ~ん、解糖系とアポトーシスねぇ。なんだろなぁ』
『・・・・・』
『筋肉だって、激しい運動の時ゃ、解糖系だけだよなぁ。だからピルビン酸溜まるんだし・・・』
『がんは、ゆっくりと、TCA cycle や電子伝達系で ATP 作ってられないから、解糖系がメインなんだよなぁ』
『だから、がん細胞は“燃費”悪くて、ブドウ糖の取り込みが多いんだよなぁ。それを PET で利用してんだからなぁ・・・・』
『でも、がん細胞は、激しい運動してる訳でもないのになぁ』
『それに、固形腫瘍は、でっかくなると、その中心当たりが酸ケツになっちゃうから、HIF-1 分泌して血管を自分んとこに、誘導するんだよなぁ』
『酸素必要としてんジャン』
『なのに、解糖系だけで生きてる????』
『なんだぁ???』
   ・
   ・
   ・
   ・
『うん?まてよ!アポトーシス???』
『アポトーシスって言えば、ミトコンドリア!!!』
『ミトコンドリアって言えば、TCA cycle や電子伝達系・・・・・』
『うん?なんだなんだ?胸騒ぎ・・・』
   ・
   ・
   ・
   ・
『あ゛ぁ~~~~~~、もしかして。。。。。』
『進化論的には、ミトコンドリアってパラサイトじゃん。ってことは・・・・』
『がん細胞は、その“資質(遺伝子変異)”を獲得すると、ミトコンドリアと共生をはじめる前の“性質”に戻っちゃう・・・、進化じゃなくって退化ぁ??』
『なんで??』
『そっか、アポトーシスしないためジャン』
『がん細胞のアポトーシスを回避する戦略は、ミトコンドリアとの情報交換をシャツトアウトする事。すなわち、それが目的で、TCA cycle や電子伝達系の遮断は単なる結果なんだぁ????』
   ・
   ・
『だから、がん細胞のブドウ糖からのエネルギーの取り出し方法が【解糖系】だけなんだぁ!!』
『解糖系は細胞質で行なわれ、より進化した効率の良いエネルギーの取り出し方が TCA cycle や電子伝達系で、それは別の生物だったミトコンドリアが進化させていた。原始の細胞はそのミトコンドリアと共生する事で、その進化したエネルギー利用法を取得した・・・、同時にアポトーシスという資源爆弾を抱え込む事になってしまった。』
『だから、がん細胞は、アポトーシスを回避する為に、資源爆弾が作動しないようにした。ってゆーか、単に無限のクローン増殖(考えてみれば単性生殖と一緒)をしていた頃の自分に帰る・・・、それを人は“がん”って呼んだ・・・・』
   ・
   ・
『そうなる事(がん化)は、エネルギー代謝の細胞質からミトコンドリアへの受け渡し酵素に関係する遺伝子のスイッチが“Off”になる・・・?ピルビン酸脱水素酵素複合体??』
『そのあたりの遺伝子の動きと、連動してるのかぁ??』
   ・
   ・
『でも、まてよ・・・・』
『なんで、酸素が欠乏した時に産生される HIF-1 が血管を誘導する為の“キー”になるんだぁ??』
   ・
   ・
『本来なら、エネルギー代謝に酸素は必要ないがん細胞は、酸素欠乏を血管需要のシグナルにしないで、ブドウ糖欠乏を血管需要のシグナルにするはずジャン』
『でも、そうじゃない・・・・』
   ・
   ・
『なんでぇ????』
『ブドウ糖欠乏=酸素欠乏ってのは、細胞内の情報経路で、どこかで繋がってんのかぁ』
『繋がってんなら、ブドウ糖の欠乏を酸素欠乏として代替のシグナルを送ってる??』
『じゃ、がん細胞の血管増殖抑制をターゲットにして、いろいろ薬を開発してるけど、HIF-1 ってのは、セカンドメッセンジャって事で間違いじゃないけど、もっと別な“本丸”が存在していて、それもターゲットに出来るって事?』
『それが、封印したミトコンドリアを開放する事に繋がるのか?』
   ・
   ・
『う~~~~~~~~ん、俺的には、一つ、紐が緩んだような気がするんだけど・・・なんか、スッキリしない・・』
   ・
   ・
『とりあえず、明日も早いから、もう寝よう!それに、資料は職場だし・・・、明日は、この辺を片っ端から見てみよう!なんか、あったかなぁ?あったような・・・』

ってな訳で、取りあえず、私的には軽く興奮しております。しかし、私の何から何まで職場に置いてあるので、兎に角、明日にならないと・・・。

気になっているのは、固形癌が血管を必要とする時、どのような機序で、血管を誘導するのか?です。今までは、単純に『酸素や栄養が欠乏したから』で、それらはどっちがどっちでもよく、それを元にしたごちゃごちゃと細かい事を覚えてたのですが、“酸素”というのは、センサーの“代替”リガンドの可能性が出てきました。(本当か?)新聞記事だけを頼りに私の考えた大雑把な理屈が正しいなら、ブドウ糖の供給が確保されているかどうかのセンサーだけで良い筈です。何故なら、細胞が酸素を必要とするのは、ミトコンドリアでの電子伝達系だけ(だったかなぁ?)。そして、がん細胞はミトコンドリアを封印している。

生化学の教科書も必要かも・・・・。ワクワク。でも、酸素とブドウ糖の欠乏が同等の影響を及ぼさないって事では、教科書じゃ役に立たないなぁ。時間かかりそうだけど、ちょっとずつやるかぁ!まずは、発表された“米医学誌”ってのに当たるかぁ。

「通報」の処理に問題、3歳餓死

20061025_imggirl_back.jpgまた、これだよ。こんなニュースを見るほど、やりきれなくなり、また、餓死した3歳児の事を思うと涙が出そうだ。自分の子供と同じ年齢の子供が、同じ日本に住んでいながらこんな目にあってるなんて信じられない。(注1)
「拓夢ちゃんが夜に外で『帰りたくない』と言っている」「1人で家に残されて泣いている」なんて、想像しただけでも胸が張り裂けそうになる。


どうして、同じことの繰り返しが続くんだろう。

怒りに任せた文章は冷静さを欠いて支離滅裂になってしまうので、『代理ミュンヒハウゼン症候群』では、ネタを増やして途中で話題を切り替え怒りを薄める為に、タイトルもこんなのにしたしのだが、今回は、こんな余裕はない。


どうして、善人が多い筈の日本人が、こんな不幸な子供を守ってやれないんだ?

弱者(大人)だ!と、本来なら分別もあり自分で判断出来る能力がある筈の大人に対しては、これを庇護する事を絶対の拠り所にし、善意の押し売り(正義の理論の展開)をするくせに、一人では生きていく事も出来ない子供に対しては、その善意の欠片も見せてあげられない。

『俺は、弱者の為に身を粉にして働く正義の味方だ。』みたいな理屈で正義漢ぶってるヤツは、こんな事件を前にすると、吐き気がするぜ!あんた達の考えている弱者が、ホントに弱者かどうか、もう一度、考えてみろ!!あん?共産党、社民党、小沢のバカ!
(この批判は、そっくりそのまま医療職にも当てはまります。認識していますので、突っ込みのコメントはご容赦くださいね。)
 
 
 
子供の事を考えて仕事やってるとは、言わせない。

『代理ミュンヒハウゼン症候群』では、児童相談所の職員をマスコミの“行き過ぎた権力行使の目”に脅える姿が感じられたので、矛先はマスコミに向いてしまったのだか、今回は、児相職員のなおざりな職務遂行(しなきゃならない事をやっていない)に問題があるように感じられるぞ。

建前通りなら【同児童相談所は民生委員らから通告があった場合、児童福祉司や虐待対応協力員ら計5人で「初期対応ミーティング」を開くと内規で定めている。虐待が確認されれば担当者2人を決め、必要に応じ担当課長に相談する態勢になる。】なんだから、拓夢ちゃんのケースだって、『親の同意なしに子供の保護』『立ち入り調査、質問権』『親の同意なしに子供を施設に措置する裁判を起こす』『親権剥奪の裁判を起こす』を出来た筈だ。

情報の出所なんぞを、へたに吟味しちゃったから、こんな事になっちゃったんだろう。結果が“虐待無し”だったとしたら、『不正確な情報を根拠に、職権を乱用した』っていわれる事を恐れたんだろう。

情報を鵜呑みにし結果として行き過ぎになってしまいスコミに“職権乱用”と非難されたとしても、もう、こういう結果になってしまっては、保身しか考えていないといわれても仕方が無いぞ!!(それにマスコミは突っ込むのが仕事だ。)

行き過ぎで断罪されてもイイジャン!そのくらいの気持ちで職務を全うしろよ!良い人だなんて思われようとするなよ!正当な手続きを取らなくたって、子供が救われればそれでいいじゃん。正当な手続きを経た方法だけが“正しい事”だと思いなさんなよ!それでやってりゃ、“間違いはなく”子供を救えなかったとしても“責任は取らされない”よな!

でも、それって、安全地帯に身を置きながら、正義(らしきもの)を説く『弁護士 灰島秀樹』みたいなもんだぞ!
 
 
 
大衆がなんとなく作り上げた“正義”の範囲から逸脱しないようにしていれば、、、っていう、結局、大衆迎合の一つなんだよな。

同児童相談所の黒川洋一所長は「長女の調査の中で、拓夢ちゃんへの虐待はないと判断していた」と話した。

なんて言ってる場合じゃ無いんだよ。幼児虐待は。匂いがしだけでも、権力を行使するんだよ。しなかったら、短期間で最悪の結果が待ってるだけなんだから。
 
 
 
■まっ、保身に走りながら、正義の味方をどれだけ演じられるかが、現代を生きていく上で、一番大事な“能力”になりつつあるよな。

学校教育にしたってそうだ。ここから離れられないようじゃ、金八先生は現代に蘇る事はないだろうなぁ。体力的に劣る生徒を多数で虐めてたら、クビを覚悟で“往復びんた”100連発を炸裂させてくれ。そして、本当にクビになってくれ。それで、ひとりでも改心した生徒がいたら、その生徒はマスコミに訴えてくれ。『あの先生のおかげで目が醒めた』って。それを生徒の“義務”にすれば良い。暴力と言って忌み嫌っている行為に“効果”があるんだって事を証明する為に。

そして、体力が同等どおしの“喧嘩”なんかは、むしろ、推奨してくれ。先生もPTAも口出しするな。血が出たって、骨が折れたって、やがて治るんだからね。回数をこなせば、自然に『ここまで』ってルールが出来るもんだ。偶にしか喧嘩しないから、“暗黙のルール”わからず、大怪我させたり死に至らしめたりする。

どんなに喧嘩しても、絶対的に相手を死に至らしめる体力が無い幼稚園の頃から喧嘩を始めるのが良い!!

■怒ってると、文章が荒いなぁ・・・。
 
 
 
でも、政治家が、揃いも揃って大衆迎合で、大衆も迎合させる事に喜びを感じてるんだから、しょうが無いよな。民主主義の限界なのか??

そういえば、大衆迎合主義の政治家の事をポピュリストと呼んでいる。これって、共和制ローマ(BC3~BCAD)の頃から、あったんだよね。全ての政治家、その最たる人物が“カエサル”。人の心を掴むのが上手かった。

全く逆なのが、スッラだ。全く、大衆迎合しない。(こんなところが好きなんだけどね)

ただ、独裁制では、独裁官(皇帝)がキチガイだと、大変な目にあう。

小泉前首相はポピュリストとも言われたし、独裁者とも言われた。これって、自分が“無能”だから、大衆の願っている最大公約数的に一番多い希望を、自分の信念に摩り替えて、断行したって事じゃないのかな?そうなら、ポピュリストとも見えるし独裁者にも見えるのが理解できる。

でも、小泉前首相が“無能”かどうかは、私には解らない。このことを認識していて逆に利用したのかもしれないし。そうだとしたら、カエサル並みに“頭が良い”事になる。(比べたら、カエサルの足元にも及ばないのは解っているけど、柵の多い現代社会でこれだけ“断行”って行為をしたのは、見た事ないもんなぁ)

児童相談所に民生委員から通報4回 3歳虐待死事件

2006年10月25日(水)07:12

 京都府長岡京市の佐々木拓夢(たくむ)ちゃん(3)が餓死した虐待事件で、府京都児童相談所が民生委員から4回の通報があったにもかかわらず、児童虐待防止法に基づく「通告」と扱っていなかったことがわかった。3月に保護された長女(6)についての通報は「通告」とし、職員5人が対応していた。しかし、拓夢ちゃんに関しては「長女の家族の情報」とされ、家族と連絡を取っていた担当者2人に伝えられただけだった。

 同児童相談所は民生委員らから通告があった場合、児童福祉司や虐待対応協力員ら計5人で「初期対応ミーティング」を開くと内規で定めている。虐待が確認されれば担当者2人を決め、必要に応じ担当課長に相談する態勢になる。

 今回の事件では、長女について3月に2回あった通報は「通告」とされ、長女は4月に大阪府内の児童保護施設に入所した。

 一方、5~10月にあった「拓夢ちゃんが夜に外で『帰りたくない』と言っている」「1人で家に残されて泣いている」など民生委員からの4回の通報は「長女の家族の情報」とされ、初期対応はとられなかった。同児童相談所の黒川洋一所長は「長女の調査の中で、拓夢ちゃんへの虐待はないと判断していた」と話した。

   ◇   ◇

 京都府の山田啓二知事は24日夕、長岡京市西の京の拓夢ちゃんの自宅を訪れ、玄関前に花束を手向けた。同児童相談所の対応について、「判断に甘さがあったのは間違いない。どうしてそういう問題が起きたか検討する必要がある」と答えた。


注1:2000年前のローマじゃ当たり前だったみたいだ。粗食と水風呂。この頃のローマじゃ“赤ん坊”って言葉が無い。愛情はあったのだけど、現代から見たら、虐待に近い育て方をしていたらしい。だから、3歳までに3割が死に、成人するのはその半分だったそうだ。全員、兵士になる為、赤ちゃんの頃から体を鍛えて、淘汰されたから、ローマの成人は丈夫な体を持っていたそうだ。男と女を区別しなかったので、大人の女が少なくなり、その為『行かず後家』という言葉も無かったそうだ。(薀蓄モード)

2006年10月28日

野菜の摂取が認知低下を遅らせる

20061028_cycling.jpg『みのもんた』か『あるある大辞典』か?
そんな“ネタ”だし、ほんとかよ?って疑いたくなるのは、『野菜に入っているビタミンEとか、或は、それが野菜と同時摂取で吸収が良くなる』とか、とにかく、野菜のなかに“何か”を探したがっている、そう、最初からそういう目で見て、それに原因を求めている。求めているからそう見える。

“見たいものしか見えない”状態で結論を得ているが、また、人も同様にそう思い易いという“見本”のような“研究報告”である。

だって、“1日あたり2.8皿以上の野菜を摂取する人”っていったら、その他の食事(体に悪いもの?)が同じように摂取できていないかもしれないジャン。

やるんなら、同じ食事内容で、一方は“1日あたり2.8皿以上”もう一方は“野菜無し”でやんなきゃね!!

野菜の摂取が認知低下を遅らせる

提供:Medscape

研究者らによれば、大量の野菜摂取後に高齢患者の認知低下速度が遅くなったが、果物では効果が認められなかったという

Caroline Cassels
Medscape Medical News

【10月24日】認知低下と野菜の摂取との関連がある研究で証明された。

1日あたり2.8皿以上の野菜を摂取する人では、1日当たりの摂取量が1皿未満の人に比べ認知低下速度がおよそ40%遅かった。この遅延は約5歳若い年齢に相当する。

「われわれは、緑色葉野菜と認知機能低下速度の遅延との間に極めて強い関連を見出した。その理由はまだ定かではないが、いくつかの解析から野菜に含まれる食事性ビタミンEに起因する可能性が示唆される」と筆頭研究者であるラッシュ大学医療センター(シカゴ)のMartha Clare Morris, ScDはMedscapeに語った。

この研究は『Neurology』10月24日号に掲載されている。

この研究は、シカゴの南部地域の年齢65歳以上の居住者について、1993-2002年に実施されたコホート研究であるChicago Health and Aging Project (CHAP)の参加者3718例を対象とした。

ビタミンEが関与しているか?

食物摂取頻度質問表およびベースライン時、3年、6年の経過観察時の3回の認知機能検査のうちの2回以上の検査結果からなる研究データが収集された。

この研究によれば、解析対象となったコホートのベースライン時の平均認知スコアは0.18であり、全体的なスコアの年間平均変化は0.04標準化単位の低下であった。

性別、人種、教育について調整すると、第4五分位(1日あたりの平均野菜摂取量が2.8杯)群の認知低下速度は、野菜摂取量が最低の群(1日あたり平均0.9杯)と比べて1年あたり0.019標準化単位遅延した。

「現時点では推測にすぎないが、ビタミンEについて調整した場合、野菜摂取量と(脳の)保護効果との関連はもはや統計学的に有意ではなかった」とMorris博士は述べた。

さらに、野菜は通常、サラダドレッシング、マヨネーズ、マーガリン、バターといった脂質を添加して摂取するが、これらはビタミンEや、カロテノイド、フラボノイド等の他の脂溶性抗酸化栄養素の吸収を高めるとMorris博士は述べた。

果物は効果なし

Morris博士は、果物の摂取は認知機能低下の遅延に関連しなかったと述べた。この知見はさらなる研究に値する。

「これまでの動物試験から、特にベリー類は抗酸化物質を多く含み、脳の保護効果があることがわかっている。しかし、この効果を地域住民ベースの研究で計測することは難しい。その理由は、一般集団ではベリーがそれほど頻繁に摂取されているわけではないからだ」とMorris博士は述べた。

この研究の結果は有望であり、緑色葉、黄色、アブラナ科等の野菜の摂取が加齢関連認知機能低下に有効である可能性が示唆されるが、さらなる研究が必要である。

Morris博士のチームはアルツハイマー病発症と野菜摂取との関連について検討する予定であるという。さらに、Morris博士は果物の摂取が脳に及ぼす影響についてより明確にしたいと述べた。

「この分野は非常に新しい分野であり、私の知る限り、果物と野菜の摂取がヒトの脳に及ぼす影響を検討した研究は一握りしかない。野菜と果物の摂取が脳を認知機能低下から守るという勧告を行うにはまだ準備不足である。しかし、これらの結果は患者に野菜を食べるように勧める理由の1つとなるだろう」とMorris博士は述べた。

Neurology. 2006;67:1370-1376.

Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape

さてさて、『がん細胞の解糖系とアポートーシスの関係』から、いろいろと“細胞の運命”に思いを馳せているのだが、Nature の論説を読んで、また、こんな思いが過ぎった。


---ああ、なんて悲しい“がん細胞”---

人格が崩壊する、、、小説『半落ち』の主人公の奥さんじゃないけれど、痴呆が進んで自分の知らない別人格に体が乗っ取られる前に・・・みたいに、がん細胞は、自分が“別人格”になりつつある事を知っており、完全に自己を失う前に“自分で自分の命をけりをつける”為に【プロカスパーゼ3】を増やして“自殺”の準備を整えているのだ。
(なんて健気な・・)

しかし、、、、、がん化の悪性さは、その引き金さえ引かせない(プロカスパーゼ3をカスパーゼ3に変換させない)、、、、痴呆が進んで、自分で自分の人生に決着を付けられない・・・・・に似ている。


私は、痴呆(この表現は問題あるかもしれないけど、敢えて使う)は、脳の老化と脳以外の老化とのアンバランスに拠っていると思っている。現代は脳の神経細胞の“抗老化”の手段を全く持っていないにもかかわらず、“血管の抗老化”のツールだけは、非常に多い。

従って、本来、脳の神経細胞が脱落を始める前に、心血管系の老化によりその個体の死を迎える時期にも関わらず、降圧剤、高脂血症治療薬などなどにより、血管の“若さ”だけを保つ為に、相対的に“脳”の老化が目立つ事になり、“不幸”が生じると。

車に喩えれば、エンジンだけをメンテナンスして、吸排気系、電気系、バネ(エアサス)、ブッシュ類、ショックアブソーバーなどのメンテナンスを怠っている状態だ。それは、スピードは出るけれど、安全に走れる状態とは程遠い。

がんにしても、それは言えると思う。細胞レベルで見ても、細胞の老化が、細胞の正確な遺伝子情報の発現を妨げる一つだとすれば。で、実際、高齢=発がんリスクはコンセンサスが得られているわけだし。何故か?には答えられなくても。

「執行人」を活性化

Nature October, 2006

細胞はすべて、アポトーシス、つまり細胞死を起こすことができる。そのため、癌細胞だけに細胞死を起こさせ、正常な細胞には起こさせないという目的で使える標的を見いだすのはむずかしかった。P Hergenrotherらは今回、いろいろな癌細胞株やマウスの腫瘍ではアポトーシスを誘導できるが、正常な細胞にはかなり毒性が低いと思われる低分子物質を発見した。

アポトーシスを引き起こすことが目的の治療法の多くは、アポトーシス・カスケード反応の初期あるいは中間段階の反応を活性化するようにデザインされており、そのため、こういう段階の下流に変異が生じている癌は、この種の治療法に耐性を示す可能性がある。Hergenrotherらは、カスケード反応のずっと下流にあるタンパク質を活性化できれば理想的だろうと考え、プロカスパーゼ3をカスパーゼに変換するステップに注目した。カスパーゼ3は、多数のタンパク質の加水分解を触媒する、いわば「死刑執行人」にあたるカスパーゼである。この酵素は細胞内で必要になるまでは不活性なプロカスパーゼ3の形をとっており、多数の腫瘍細胞で大量に発現しているのに、正常な細胞ではそういうことがないという、一見矛盾した状況がみられる。

Hergenrotherらは、20,500種の低分子物質について、in vitroでプロカスパーゼ3をカスパーゼ3に変換する能力についてスクリーニングを行った。そして、特異性が高く用量依存的に活性を発揮する1個の化合物を見つけだし、PAC1(procaspase-activating compound 1)と命名した。PAC1はさまざまな癌細胞株でアポトーシスを誘導し、細胞で発現されているプロカスパーゼ3の量とPAC1が誘導するアポトーシスの間には相関がみられた。in vitroでは、PAC1は切除された結腸腫瘍の癌化細胞を殺したが、近傍にある正常細胞はPAC1に対して耐性を示した。正常細胞へのPAC1の影響をさらに検討するため、複数の非癌細胞株を調べたところ、これらの細胞はプロカスパーゼ3レベルが低く、PAC1投与によって影響を受けないことがわかった。

PAC1はin vivoでも腫瘍に影響を与えるだろうか。そこで、腎臓および肺癌の異種移植マウスモデルでPAC1の影響が調べられた。腎臓癌モデルでは、PAC1の徐放型ペレットが埋め込まれ、肺癌モデルでは経口投与が行われた。どちらの投与方法でも、PAC1は腫瘍の増殖を投与量依存的に遅らせ、動物に対する耐容性も良好だった。腫瘍が退行することはなかったが、Hergenrotherらは、これはここで使われたPAC1の投与量では血清中の薬剤濃度が比較的低いためだと考えている。また、肺癌細胞をマウスの尾の静脈に注入し、その後の1~4日目、および7~11日目の期間PAC1を経口投与した。そして注入の28日後には、PAC1投与を受けたマウスは投与を受けない対照マウスよりも腫瘍量が低下していた。

Hergenrotherらは、PAC1がプロカスパーゼ3の量が増えている癌の治療に有効である可能性を明らかにしたが、どういう癌がPAC1による治療に適するのかを決めるには、いろいろなヒト癌についてプロカスパーゼ3の濃度を系統的に分析しなければならない。また、PAC1を経口投与で使いやすくし、ヒトでの有効性を高めるためには何らかの修飾が必要だろうと考えられる。つまり、PAC1はまだ癌研究者が探し求めている「魔法の弾丸」というわけではない。しかしこれによって「魔法の弾丸」に一歩近づいた可能性はある。


結局、『あれが良い、これが良い』なんて事には耳を貸さず、兎に角、生きて行けるだけの最低のカロリー(3代栄養素+ビタミン+ミネラル)だけを摂取し、後、満腹感を得る為には“野菜”をたらふく食べる。

そして、『食べて運動』なんて事もしちゃいけない。酸素は諸刃の刃だからだ。多く取り入れるということは、過酸化物を多く取り入れる事と同じ。野生の動物が、『健康の為に運動しない』を見れば、必要最低限の運動がベストなのは一目瞭然。


そうすりゃ、“がん”になる前、そして“痴呆”になる前に死ねるし、結局、血管にも“良さそうだ”から、高血圧も高脂血症も糖尿病も怖くない。

もっとも、今の飽食の日本で出来るかどうかが問題だし、一分一秒でも長く生きる事に価値を感じる人には向かないなぁ。

2006年10月30日

喘息に自己免疫疾患の保護作用

今朝の日本テレビ・ズームインで、女性アナウンサーの言葉に耳を疑った。こんな価値観なんだぁって感じた。なんて言ったのかというと・・・

『(ちゃんと歴史を履修した生徒が)履修しないで(楽して)卒業できる生徒に(自分達はバカを見たと)不公平感を感じますよ』と言って、「履修しないで卒業させてやれ」との声を牽制したのだ。


---こいつは馬鹿か?---


20061030_szoborpark_11.jpg今回の必須科目未履修問題は、そういう事を問題にしてるんじゃないだろう!!(私も、結果としては、おざなりな授業なんて意味無いから、やらなくても良いと思っているが)

まぁ、それは良いとして、文部科学省は“私立高校”での調査も実施するとのこと。高校の受験予備校化は公立の比ではない私立高校での調査結果なんて、火を見るより明らかだ。

これは、“イジメ”の問題と同じで“無い事がデフォルト”として扱う問題ではない。受験を無くさない限り付きまとい、医学が高度化して来た時代に、専門医を“人を人として診られない”と否定するのと同じくらい、意味の無い事だ。

『イジメはあるし、今後、なくなる事は無い』
『大学の入試制度を改革しない限り、受験が目的化することは避けられない』
『選挙制度(衆議院議員)改革しない限り、地元利益誘導公共事業優先の政治家はなくならない』

  ・
  ・
  ・
挙げればきりが無いけど、イジメと高校の必須科目の議論に的を絞れば、解決方法の一つには、やわらか戦車に出て来る「まなみむめ藻」を伝導行脚する“ジミヘンおじん”も言っているように『感謝の心を常に持つ事』がある。極論すれば、義務教育じゃなく任意教育の高校で、来たくない奴は来なくても良いを徹底すれば良いって事。授業を受けさせてくれてあくがとうって。

この感謝の気持ちがあれば、この馬鹿女アナウンサーのような価値観で言葉を発する事も無くなるだろう。

そして、大事な事は、学校教育の目的を具体化する時代に突入したという事だ。教育基本法があるから、学校があるじゃダメって事。

・教育は、将来、税金を払ってくれる人材養成所なのか?(読み書き算盤が出来なきゃ働けない)
・議会制民主主義の基では国民が馬鹿だと政治も馬鹿になる、それを阻止する為なのか?(大衆迎合の政治家しか選び様のない制度では、国民の意識が政治に反映される)
・国民一人一人が、自己満足で一生を終えられるようにする為なのか?(自己満足とは肯定的な言葉!他人と比べて自分の“しあわせ度”を推し量るから人は“不幸”になる。自分の価値観に自信を持つ為に教育はある。一杯の掛蕎麦に感謝できればシアワセ・・これはちょっと違う。笑)


例えば、国とすれば、学位(高校卒業)を授与するからには、何かをやらせなきゃならない。最低限の時間、授業を受けさせる事で最低限の知識が身に付くとの建前で“学位”を授与したいのだろう。

でも、こんな事で授与された“学位”に意味があるのか?授業は出ていても聞いてなく(あるいは抜け出し)、テストの為の一夜漬けで、教養になるのか??

“天皇が偉いのに理由は要らない”とは子供新聞に書いてあった事。何故なら、人の価値観は時を経て“変化する”ものだから、時代が変わった時、天皇の偉さが変わってしまっては国が成り立たないでしょうと。(日本は主権在民の天皇制国家だぞ!余談だがこの天皇制の功罪・善悪を言う人がいたら、それは只の馬鹿だ。それは歴史学者が過去の事として評価する事だ。)

建前論で意味を成すのは、これくらいだろう。“Y染色体を紡いできた事に意味がある”と“要件を満たすだけの授業を受けた”とを同列にしても良いのか?形式的な事に意味を持たせようとする教育に何の意味があるのか??

『大学は卒業したけれど、ただの馬鹿になりました』は、良くある文系大学卒業の学生の熟れの果て。社会人になるまでの“モラトリアム期間だ”とは聞こえは良いが、卒業しても学生気分が抜けないのはどうした事か??こんなのは、大学行っても行かなくても“大人になる時期”は大差無い。むしろ、早く働いた方が大人になるのが早いだろう。(それに、大学行かなくても勉強は出来る。研究はきびしいけど)


要するに、形式的な事を重んじるか、実態を重んじるかということだが、教育に、形式的な事って意味があるのか??
 
 
 
地球という環境で35億年かけて進化してきた人類は、自らの周りにあるどんな問題にさえ、二律背反を内包するのだ。

『イジメがあれば、大人になった時の免疫になる(こりゃ、批判くらいそうだな)』
『イジメを取り締まれば、どんどん陰湿になり、地下に潜る』
『受験戦争が生きがいの生徒もいる。学校の成績だけが拠り所の子供にとってテストは大切な自己表現』
『自分にとって利益が有るのか無いのか?それは、生物の本能。だから、大衆迎合はなくならない』
  ・
  ・
  ・
医学的な問題でも、二律背反はめずらしくない。これは、その一例。

喘息に自己免疫疾患の保護作用

明らかな性差を認める

〔ニューヨーク〕 Sheba医療センター(イスラエル・テルハショメル)のAmir Tirosh博士らは、軽度~中等度の喘息患者を対象にした大規模な研究から、喘息の状態が主要な自己免疫疾患の有病率に影響を与える可能性があることがわかったとAnnals of Internal Medicine(2006; 144: 877-883)に発表した。また、この影響には性差が認められたことから、同博士は「既存の喘息の自己免疫疾患の発現に対する保護作用は、男女で異なるようだ」と述べている。


有病率は女性のほうが高い

 男性30万7,367例と女性18万1,474例を対象にした横断的分析の結果, 1 型糖尿病の有病率は男女で有意差が認められなかったが、その他のあらゆる自己免疫疾患の有病率は、女性のほうが男性よりも著しく高かった。

 今回の研究は、特定の自己免疫疾患〔抗リン脂質症候群、免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性大腸炎、関節リウマチ(RA)、1 型糖尿病、脈管炎〕に注目している。脈管炎は、全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎、高安動脈炎、側頭動脈炎を含むと定義された。

 今回の大規模な研究では、イスラエル国防軍から提供された24年間を超えるデータが分析された。調査対象は50万例近い18~21歳の男女で、フォローアップ期間は男性が 3 年間、女性が 2 年間であった。兵役を免除されるほど重症度が高い喘息に罹患している青年は除外した。また、3,852例(喘息の非罹患者とアトピー性皮膚炎、アナフィラキシー、血管性浮腫、蕁麻疹のいずれかの罹患者)は、これらの疾患に対する研究期間中の診断基準が統一されていなかったため研究から除外した。

 同博士は「この研究は非介入的であるため、関連性は指摘されるが因果関係を証明するものではない」と述べている。


非喘息女性で有病率が有意に高い

 Tirosh博士は「喘息女性と比べて非喘息女性では、抗リン脂質症候群を除くすべての自己免疫疾患の有病率が有意に高かった。喘息女性を対照とした場合、非喘息女性のリスク比(RR)は脈管炎が1.58、RAが2.40、免疫性血小板減少性紫斑病が3.49、炎症性大腸炎が1.28、1 型糖尿病が1.56であった」と指摘している。

 男性では、1 型糖尿病、脈管炎、RAの有病率は喘息男性のほうが非喘息男性よりも低かった。喘息男性を対照とすると、非喘息男性のRRは脈管炎が1.90、RAが1.67、1 型糖尿病が1.83であった。

 同博士は、フォローアップ期間中の女性の自己免疫疾患の新規発症について「免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性大腸炎、抗リン脂質症候群の罹患率は、軽度ないし中等度の喘息女性よりも非喘息女性のほうが有意に高かった。新たに診断された脈管炎(RR 2.53)、免疫性血小板減少性紫斑病(同2.37)、炎症性大腸炎(同1.27)、RA(同2.21)、抗リン脂質症候群(同1.68)の罹患率は、非喘息女性のほうが喘息女性よりも高かった。1 型糖尿病の罹患率は、喘息女性と非喘息女性ともに類似していた」と述べている。

 男性では、新たに診断された脈管炎(RR 2.38)、1 型糖尿病(同1.42)、RA(同2.01)の罹患率は、喘息男性よりも非喘息男性のほうが高かった。新規発症の免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性大腸炎、抗リン脂質症候群の罹患率は、喘息男性と非喘息男性ともに類似していた。

 比較情報として、同博士らはTヘルパー(Th)リンパ球表現型と関連していない疾患である胆石と腎結石の有病率と罹患率を調査した。これらの疾患については、男女ともに喘息患者と非喘息患者の間で有意差は認められなかった。


リンパ球表現型の差が原因か

 知見の考察において、Tirosh博士は自己免疫疾患に対する喘息の明らかな保護作用について 2 種類の学説に注目している。同博士は「従来の学説はTh1反応とTh2反応の不均衡に関連している。Th1リンパ球による過剰な炎症誘発性反応が、自己免疫疾患の共通した基盤になっていると考えられているのに対し、免疫グロブリン(Ig)Eの増加と好酸球応答に関連した過剰なTh2サイトカイン産生(インターロイキン-4、5、13)はアレルギー疾患を引き起こし、喘息の発病機序になんらかの役割を果たしているのではないかと考えられている」と指摘している。これらの表現型の発現は遺伝的制御下にあり、環境要因により影響あるいは調節される可能性がある。

 この学説から、一部のヒトは自己免疫の素因を与えるTh1-weighted表現型を発現するが、別のヒトはアトピーの素因を与える可能性があるTh2-weighted表現型を発現することが示唆される。同博士はこの理論を支持する一連の研究と、これに反論する複数の研究を引用している。

 今回の知見を説明する別の学説では、喘息に対する治療的アプローチに注目している。多くの喘息患者は間欠的または長期的にステロイド薬の吸入あるいは服用を続けているが、このような治療は患者の免疫行動を修飾あるいは刷り込みをする可能性がある。しかし、同博士は「この理論は妥当性が低いようである。なぜなら、吸入ステロイド薬による長期的な予防的治療を受けている可能性が低い軽度喘息患者も、自己免疫疾患に対する明らかな保護作用を示すからである。何年も前にステロイド療法を受けた可能性がある18歳の軽度喘息患者でも関連性が認められた」と指摘している。

 同誌の編集者は、今回の研究の重要と考えられる点について、論文の途中ページに掲載された短い論評で「喘息を予防するための衛生的対策が、自己免疫疾患の罹患率に意外な結果をもたらす可能性がある」と指摘している。

2006年10月31日

LTP と LTD はシステムバイオロジーから

20061031_szoborpark_07.jpgLTP (long term potentiation) と LTD (long term depression) は同じグルタミン酸の刺激を受けながら、どうして?片や持続性の興奮が起き、片や持続性の抑制が起きるのか?これは動物の学習記憶の基本的な本態なのだが、今まで、謎だった。

答えはシステムバイオロジーの分野から。

この分野の第一人者、東大の黒田真也教授に言わせると『バイオインフォマティクスはコンピュータを通して生命現象を解明するテクノロジーで、システムバイオロジーは物理学や工学の視点を加えて生命現象を探るサイエンスだ』と。平凡な脳の私には違いが良く分からないが、『誤解を恐れずに』と断っている所をみると、正確な定義は、まだ、ないのかもしれない。

こういう隙間っていうか、既存の学問間の新しい領域から生まれる学問は、パワーがあるなぁ!!って感じる。そして、コンピュータの使用が生物系の実験にも必須になりつつあるということなのだろう。(最近は“フェノーム”なる言葉も登場してきている。gene に対して genome と同じで、phenomenon , phenotype に対応する“オーム”である。代謝物と生物種のデータベース、化合物を代謝経路ごとに分類する。20年はかかる・・。そして蛋白質と蛋白質の相互作用・・2種類のみならず数種類の相互作用・・・。元に戻ってメタゲノム。。コンピュータ使わなきゃ、話にならないよな。究極はコンピュータ上で生体システムの構築なんだから。計算するには量子コンピュータが必須って訳だ。)

で、LPT と LPD に戻るが、その答えは一言で言えば“アロステリック効果”だったと。蛋白質が何故三次元構造を取っているのか?を逆説的に説明するアレだったのだ。黒田真也教授の業績である。(アミノ酸のシーケンスが生命現象を規定しているのではないのだ。コンフォメーションが大事!!)

理系でない方にも説明すると、アロステリック効果のアロステリックとは、別の場所という意味で、空間的に離れた2つの結合部位が分子のとりうる三次元的配置の変化によって、相互に影響を与えあうというものである。

生命現象のフィードバック阻害や脱抑制などの調節を行うことで、多くのタンパク質で見られる現象だ。

20061031_concept.gifアロステリック効果は、よく、ヘモグロビンと酸素の結合で説明される。一個も結合していないヘモグロビンと酸素の結合し易さより、一個結合しているヘモグロビン、一個より二個、二個より三個となるあれである。したがって、酸素分圧と結合量はS字曲線(非線形)になるというアレだ。(図は最初の一個が付くと二個目が付き易い事の概念を示している)


その他、この分野からの成果として挙げられるのが、PC12細胞の一過性ERK活性化が細胞の増殖に繋がり、持続性のERK活性化がが細胞の分化に繋がるという事。要するに増殖因子の投与のスピードと濃度が決めてだったと。

これも、非常に興味深い。いろんな現象のなぞ解きのブレーク・スルーになりそうな予感がする。今の日本でノーベル医学・生理学賞に一番近いと言われている大阪大学の審良(あきら)教授の研究分野が自然免疫だ。初期の生体防御を担う分野だった為、人気が無かった分野だったのだが、氏のおかげで、免疫系研究に革命が起きている。古くからあったけど最新の分野だ。進化論にも言える事だと思う。

既存の価値観で結果を解釈する事に限界が生じた時、新しい価値観=学問が台頭するのかもしれない。『PD様の脳障害にニコチンが保護効果』でも紹介した【神経経済学】しかり【進化生物学】しかり、である。


ところで、このような新しい分野に付き物の《ひねくれた解釈》を痛烈に批判している論説を紹介しよう。

ハーバード大学の Stephan Jay GouldとRichard Lewontinは、1979年に発表された有名な論文で、進化生物学者の中には、生物のわずかな差異も、進化論でいう「適応」で説明しようとする者がいることをからかった。

「話は複雑になるかもしれないが、生命のすべての特徴は適応として説明できる」というような論法は、フランスの作家ヴォルテールの小説「カンディド」に登場するパングロス博士を思い出させる、とGouldとLewontinはいう。パングロス博士は、いかなる物事にも、すばらしい目的を見出す。たとえ、その推論がどれほどばかげていてもだ。「鼻はメガネをかけるためにできた。だから、私たちはメガネを使う」といった具合に。

GouldとLewontinが「パングロス博士的な(つまり楽天的な)パラダイム」と呼んだ傾向は、盛んになってきた研究分野「進化心理学」にも明らかにみられる。

この分野では、人間の行動の特徴を適応で説明しようとする。中でももっとも評判が悪いのが、強姦(ごうかん)に関するものだ。

Randy ThornhillとCraig Palmerは、著書「強姦の自然史:性的強要の生物学的基礎」(A Natural History of Rape:Biological Bases of Sexual Coercion、マサチューセッツ工科大学出版、2000年)の中で、強姦は、強姦以外に女性と性的接触の機会がほとんどない男性の生殖の機会を増やすために進化したという、論議を呼ぶ主張をしている。

カリフォルニア州バークレーにあるカリフォルニア大学のPhilip T.Starksと、ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学のCaroline A.Blackieは今回、この仮説を支持する論文を、Proceedings of the Royal Society of London(英国学士院会報)に発表した。皮肉にも、GouldとLewontinの21年前の論文と同じ論文誌だった。

StarksとBlackieによると、逐次単婚(一夫一婦制の結婚を、相手を次々と変えながらすること。統計には離婚と再婚として記録されている)によって、米国男性のいくらかは、生涯を通じて出産可能な年齢の女性を次々と独占できることが、米国の統計資料から分かるという。これは、他の男性が、女性とそのような接触ができないという代償の上に成り立っている。

この研究者たちは、「進化論的観点から言うと、男性の生殖の成否にこのような差があるため、相手のいない男性は、かわりの生殖戦略をとらなければ、成功した男性に女性を独占されてしまうだろう」と主張する。

ここでStarksとBlackieが想定している「戦略」は、強姦である。

彼らは、米国における離婚率と強姦には正の相関関係があることを示唆している。因果関係の証拠のない相関は、常に話半分に聞いておくべきだ。旧西ドイツでは、出生率の低下がコウノトリの数の減少と関係づけられたことがある。よく子供に冗談で「赤ちゃんはスグリの木の下で見つけたのよ」と言うものだが、相関を過信すると、赤ちゃんとスグリの木に関する仮説さえ考え出してしまうかもしれない。

この研究者たちは、出産可能な女性が強姦によって妊娠する確率は5%だとも言っている。これは、通常のセックスによる妊娠率(1.2%)を上回っている。さらに、強姦による妊娠が流産する率(11.8%)は、通常のセックスによる妊娠が流産する率(13.8%)よりも低いという。彼らは、これらの統計を異なる種類の資料から集めたことを認めている。そして、妊娠にいたった強姦の報告の基準は、資料によって異なるかもしれないという。しかし、彼らは、「憂慮すべきだが推測にすぎない」解釈を提案するのに、これらの数字を用いている。彼らは、強姦は通常のセックスよりも赤ちゃんを得るのに効率的な方法であり、だから、進化論でいう「適応度」が高くなるというのだ。

これから、StarksとBlackieを驚くべき考えを思いついた。「強姦をする男は、子供を宿す可能性の高い女性を見分けることができ、そうした女性を優先的にねらう」というのである。この研究者たちは、この結論にさまざまな注意をつけ加えている。いわく、彼らの結果は強姦を正当化しているのではない、強姦犯は自分が強姦をする進化論的な理由に気づいているわけではない、などなど。

この驚くべき主張を確かめるには、明らかにもっと研究が必要だ。

StarksとBlackieは、離婚と再婚の記録の進化論的解釈から推論した。しかし、これらの記録は強姦については何もふれていない。それだけでなく、これらの公的記録は、通りすがりの男女の交際については何も教えてくれないが、そうした交際で今回の話題にかかわるようなことが起こらないとはいえない。

さらに、こうしたデータは、夫あるいは妻が不倫したくなる傾向も明らかにはしてくれない。この研究者たちは、強姦が社会の病理として、単なる授精以外の目的を持っている可能性を軽視している。強姦犯は、出産年齢の女性だけでなく、男性、女性を問わず、子供も老人も襲う。強姦は、戦争や少数民族を服従させる際には、「武器」として使うこともでき、実際に使われてきた。それが、進化の上での何らかの役割を果たしているという提案は、不快であり、不必要だ。

こりゃ、酷いね!こんなヤツの理論と同列に見られたんじゃ、進化生物学者はたまったもんじゃないよな。でも、常識で考えて、これを納得するヤツはいないだろうけどね。


私も、最近、生命現象の合理的な解釈を“進化”に求める事が多い。『お仕事ブログ』読んで下さっている方はご存知だと思うが、ここで私は、疫学的な研究論文を、ナンダカンダと難癖をつけてこき下ろしているが、その根拠は進化生物学に因る事が多い。(薮にらみに近いと思うけど、強姦理論と同列に見られたんじゃ不本意である。・・・苦笑)
 
 
 
国の舵取りや教育問題の解決には、『新しい事を思いついたから、やっちゃえぇ~』って訳にはいかないのは分かってるけど、今まで通りのやり方=解決方法では、どうにもならない事も事実である。

言葉を飾れば『誰が先鞭を付けるか』であり、言葉を汚くすれば『誰がババを引くか』である解決策も必要だ。

そして、今までに無い事をやらなきゃならない時期に来ているんじゃないのかな?戦争が60年も無いという事自体、生物的じゃないんだから、そろそろ、随所に歪みが来てるんじゃないの?人を殺しても死刑にならない。殴っても殴り返せない世の中、これも異常だよ。『生徒は学校から帰宅した後、部屋で「まじめで何が悪い。一生懸命やって何が悪い」などと言いながら、よく泣いていたという。』この子が虐めた生徒に逆襲して『暴力はイケナイ』っていうのなら、殴られ損、殺され損を何処でガス抜きをするか?
小さなところから、『目には目を』も一つの方法。新しいルールを決めてね!!裁判所が“仕返し”のお墨付きを出すとか・・・!

強姦理論を振り回して、強行突破する事だけは防がなきゃならないけどね。
 
 
 
なんども言うけど『個体差がある生命現象を古典的平均値で切る“疫学”は、既に限界を迎えている』と。『疫学は老害になりつつある』『老兵は去るのみ』である。『誤解を恐れずに言えば』・・・だけどね。(民主主義を否定しているわけじゃないよ。少数意見にも優れたものがあるなんて政治の世界で言ったら、社民党・共産党の強姦理論並みの下衆なロジックまで相手にしなきゃならなくなるからね。・・笑)

About 2006年10月

2006年10月にブログ「WebMaster's impressions」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2006年09月です。

次のアーカイブは2006年11月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.37