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2007年06月 アーカイブ

2007年06月04日

食餌制限が長寿のスイッチを入れる仕組み

20070604_nenkin.jpg社会保険庁問題で、国会は大揺れである。松岡大臣の自殺とダブルパンチで内閣の“不”支持率もうなぎ上りで、安倍内閣は時間の問題なのか!!

お昼の休憩時間にいつも見ているワイドショーで取り上げる“年金問題”は、“いかにも、主婦層に・・・”って感じなんだけど、年金保険料の払いすぎをリポートしたコンテンツでは、社会保険事務所の職員から『払いすぎは返還できないから、まぁ、長生きしてください』と言われたと・・。


私も、年金問題には関心を寄せいている一人だが、うっかりしていたが、そうなんだよね!長生きすればするほど、いっぱいもらえるんだよね、年金って。


---でも、なんか、すっきりしない---


そういう風に長生きして、いっぱいもらっても、ちっとも嬉しくない!!

なんですっきりしないのか?それは、、、誰しもが分かっていることなのかもしれないけど、もらっても、もらっても、それは生活するだけで消えうせるもので、単に生きてる結果だからで、もらえばもらうほど財産が増えるって事でもないからじゃないかな。

なんか、むなしいよね。

生活の糧は年金に頼らず確保出来ており、年金は余禄で、すべて子供や孫のお小遣いに出来るようなら、長生きは出来るだけすれば、家族からも喜ばれるだろうけど、ほとんどの人はそうじゃないわけだし・・・。

そうなのだ!

長く生きる事より、『楽しく生きて、ぽっくり逝きたい』って、よく聞くし、自分でもそうなりたいって思ってるんだけど、そういうみんなの願いは、年金制度が阻害しているって事、ありなのかも!?


長生きすればするほど貰えるから。払いっぱなしじゃ癪だから。少しでも多くもらわないと損した気分だから・・・・。なんか、、、、悲しいよね。


社会保障の充実ってのは、どこの国でも優先順位は高い。でも、、、

最近、私は、ある老人養護施設を訪れる機会があったのだが、行った事の無い人は、是非、一度いかれたほうが良いと思うが、なんともやりきれない気分にさせられるところだ。そして、こんな“普通”の言葉では、到底、言い表せない位の気分を味わった。


---ああは、なりたくないな---


でも、地球上の至る所で、長くいきたいために、日夜、研究は進んでいる。

生物学的には興味津々の内容なんだけど、実際、ただ、生きてるだけの人生の最後は、、、想像したくない。


Nature 2007-05-31 の Cover Story は、、、、

『寿命を延ばす:食餌制限が長寿のスイッチを入れる仕組み』

厳しいカロリー制限は、マウスなどの生物で寿命を延長するが、食餌を厳しく制限された状態が寿命を延長する仕組みについてはわかっていなかった。

今回ついに、加齢研究でよく使われる線虫(C. elegans)で、カロリー制限と寿命延長との特異的な関連が2つの論文により明らかにされた。

N BishopとL Guarenteは、線虫の頭部に存在するASIニューロンの転写因子SKN-1が食餌制限により活性化され、これが代謝活性を高めるシグナルを末梢組織に出すことを明らかにした。

この機構から、内分泌系の関与が考えられる。

Panowskiたちは、頭部と尾部の少数の細胞や腸で認められる転写因子であるPHA-4の活性亢進も、食餌制限による寿命延長に不可欠であることを報告している。

PHA-4は哺乳類のFoxa転写因子に類似しており、Foxaは哺乳類で発生に影響を与え、絶食時のグルカゴンとグルコースの量を制御している。

このような関連が明らかになったことで、カロリー制限の効果を模倣する薬物の開発が期待される。

Page: Articles pp.545, 550

ということで、久しぶりのエントリーは、なんだか意味不明瞭な文章で尻切れトンボに終わります。

2007年06月18日

アレルギーをブロックする伝達物質

20070618_ishiwomotsuonnna.jpgカンナビノイドの作用の多様性には驚くばかりである。

カンナビノイドって言えば“マリファナ”って感じでよく知られていると思うけど、どうしても“悪”のイメージが付きまとう。でも、医学への応用って面から見ると、非常に魅力的なのだ。“悪”でもなんでもない。

というわけで、その最近発見された効能?を Science 誌から拾ってみたのだが、、、

Allergy-Blocking Transmitters

Science June 8, 2007, Vol.316

内在性カンナビノイドシステムは、さまざまな調節性機能を果たしており、中枢および末梢神経系においても、また末梢性器官においても、ますます多くの生理的役割に関与しているとされてきている。

Karsakたちはこのたび、この影響がアレルギー応答の制御にまで及んでいることを発見した(p. 1494)。

既知の2つのカンナビノイド受容体を欠くマウスは、いろいろのアレルゲンに応答して、皮膚の接触感受性を発生させる強い傾向を示した。

この受容体を拮抗物質でブロックすると同様の効果があったが、一方カンナビノイドを壊す原因となる酵素をコードする遺伝子が非存在だと、マウスは接触感受性に対する抵抗性を増したのである。

内在性カンナビノイドあるいはその受容体の制御は、アレルギー治療において有用であるかもしれない。

なお、ヒトとアレルギーについての広い文脈におけるそれらの役割は今後探索されないといけないが。

Attenuation of Allergic Contact Dermatitis Through the Endocannabinoid System
p. 1494-1497.


なんと、現代人を悩ます“花粉症”に効果があるかもしれない!って・・・。実際、マリファナを吸っている人に、聞いてみたいよね!『あなたは、花粉症ですか?』って。


で、冒頭にいろんな作用があるって書いたんだけど、この人体へのカンナビノイドシステムの制御範囲を、私の知っている範囲でズラズラと並べてみると。。。。

■思い出を消し去る物質として
大麻の活性成分に似た天然の化学物質が、脳内に残る不快な記憶を消し去るはたらきをもつという証拠が得られた。この発見は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や恐怖症に対する新薬の開発につながるかもしれない。

■減量と禁煙に有効な薬として
体重が5%以上減少したのは、カンナビノイド 1 受容体(CB1)遮断薬である rimonabant を使用した被験者では4分の3でプラセボを使用した被験者では4分の1、禁煙ができたのはrimonabant被験者の3分の1でプラセボ群では5分の1だった

■マリファナで熱性痙攣予防
カリフォルニア大学アーバイン校(UCI、カリフォルニア州アーバイン)解剖学・神経生物学のIvan Soltesz教授らは、熱性痙攣を発症させたラット脳ではエンドカンナビノイドが結合するカンナビノイド(CB)-1受容体が増加して、γアミノ酪酸(GABA)の放出を阻害することを見出したとNeuron(39: 599-611)に発表した。

■ケラチノサイトにCB2受容体介した疼痛抑制効果
アリゾナ大学(アリゾナ州ツーソン)麻酔学のMohab M. Ibrahim博士らは、2 つあるカンナビノイド受容体の 1 つCB2受容体がケラチノサイト(ケラチン生成細胞)のβエンドルフィン放出を刺激し、βエンドルフィンがニューロンのe受容体に働いて疼痛を抑制するメカニズムを明らかにし、Proceedings of the National Academy of Sciences USA(PNAS、2005; 102: 3093-3098)に発表した。

■カンナビノイドを心血管疾患の治療として
Nature May, 2005
最近Natureに掲載された研究によれば、カンナビノイドが心血管疾患の治療に使えるようになるかもしれない。S Steffensらは、マリファナの主成分であるΔ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の低用量をアテローム性動脈硬化のマウスモデルに経口投与すると、疾患の進行が抑えられることを明らかにしている。

■カンナビノイド阻害薬 rimonabant による体重減少は2年後も持続
新規のエンドカンナビノイド阻害薬rimonabantによる2年間の治療後、過体重・肥満の患者は体重減少と胴囲減少を維持することができるという知見が得られ、これにより、Sanofi-Aventi社が本年7月に米食品医薬品局(FDA)に同薬の承認申請するための道が開かれた。

■カンナビノイドのシグナル伝達の異常は胚の卵管輸送を妨げる
子宮外妊娠は生殖健康における大きな問題であり、子宮外妊娠を引き起こす原因の多くはまだ不明であるが、原因の1つに卵管における胚の滞留がある。マウスでカンナビノイド受容体CB1に対し遺伝学的または薬理学的な方法でサイレンシングを起こすと、多くの胚が卵管内に滞留し、最終的に妊娠障害が起こることを示す。また、胚の滞留はβアドレナリン作動性受容体のアゴニストであるイソプロテレノールによって回復する。

■脂質代謝異常の過体重患者におけるリモナバンの代謝危険因子に対する効果
選択的カンナビノイド 1 受容体(CB1)遮断薬であるリモナバン(rimonabant)は、肥満患者の体重を減少させ、心血管系の危険因子を改善することが示されている。肥満・脂質に対するリモナバン試験(RIO-Lipids)において、過体重または肥満で、脂質代謝異常を有する高リスク患者を対象に、アディポネクチン濃度などの代謝危険因子に対するリモナバンの効果を検証した。

■骨量と骨喪失および破骨細胞活性のカンナビノイド受容体による制御
破骨細胞による骨吸収の促進は、骨粗鬆症などの骨疾患の病因に中心的役割を果たす。1型カンナビノイド(CB1)受容体を不活性化させたマウスは骨量が増加し、卵巣切除により誘発される骨喪失がみられなくなることを示す。

■肝繊維症に新たな治療法
アルコールや、B型あるいはC型肝炎ウイルスによる慢性的な肝臓傷害は、肝繊維症につながり、その末期症状である肝硬変は大きな公衆衛生問題である。しかし、現在のところ、実効性のある抗繊維形成薬で、人間で使用が認可されているものはない。最近Nature Medicineに発表されたTeixeira-Clercらの研究は、カンナビノイドCB1受容体のアンタゴニストであるリモナバントが肝繊維症の新たな治療戦略となる可能性を明らかにしている。


マリファナがヒトの生理作用とこんなにも絡んでいるのは、何か特別な意味があるのだろうか?まぁ、ケシから採れるモルヒネだって、人体への効果はいろいろとあるから、麻薬を産生している植物は、進化の過程で動物と生活圏を共有していたってことなんだろう?
逆に言えば、人類の祖先と生活圏を共有していない生物(動物・植物含めて)は、ヒトの生理作用とは絡まないってことなのかもしれない。


生活圏を共有するって事で言えば、今、話題沸騰中のコムスン、すなわち“介護”問題が連想される。これって、自分の生活圏に“介護しなきゃナラナイ人”がいるといないでは、その“介護”問題の影響の違いは計り知れない。

そして、その問題の解決方法は、、、無いに等しい。

というか、“問題”の本質に触れる部分がタブーっぽいところがあり、最終的に“善意”とか“人道的”と言った言葉に置き換えざるを得ないところが、問題をややこしくしている。

そもそも、“介護”と“医療”の報酬を同じと考えちゃいけない!

現行制度下では、どちらも“事務的”な労働に対して報酬は払ってくれないが、大きな違いは、、、


『介護の点数は低い』


って事だ。だから、最初から介護は商売にはならないのだ。

医療の方は医師の技術料が比較的高額な為他の職員の給料も捻出できるが、介護の報酬は現場で介護に携わった人の分しか賄えないのが現状だ。

医療では、医師が事務的な仕事をするより、医師は仕事に専念して事務的な仕事は他に任せた方が効率が良いから(医師に金を生まない事務仕事させるなんて勿体無い)現場で仕事しない人の分まで給料を払うことが可能だが、介護ではもともと“事務的な仕事”を抱えられるほど、その報酬に余裕は無いのだ。

そりゃそうだ。介護は、昔は家族がしていたわけで、そこに事務的な仕事なんて発生しない。だから、医療のように潜在的な事務仕事の報酬を医師の技術料に含ませておくような事はないのが当たり前だったわけだ。だが、時代は変わって家族が介護をしている時間がなくなり、その代わりにお金を払って介護してもらうようになった。この辺から、捩れて来る。

介護してもらった人は、介護してくれた人にお金を支払う。そのヘルパーさんの後ろで算盤をはじいている人の分までお金を払おうなどとは思っていない。介護保険はそのように点数が組まれている。歴史が浅いからショウガナイ。


グッドウィルの折口氏は“介護の点数は低い”という事を知らなかったのだろう。美容外科医療のように“ガバガハ”稼げると思ったのだろう。

何もしないで、ヘルパーを働かせて、総元締めをやっていれば左団扇だと思ったのだろう。


大きな間違いだ。


そして、事業が始まってすぐにこれに気づいたから不正請求を始める。当然の帰結だよね。

テレビでは、素人のコメンテーターが『介護は商売にはして欲しくない』と言っているが、一人や二人の小さな組織で、自分たちが現場に出て介護し、自分たちでその報酬を請求していれば、十分ビジネス(職業)になり得るのだ。

だけど、その組織を大きくしても、スケールメリットなんて出やしない。現場で介護しない人の給料まで稼げるほど、介護の報酬は高くないのだ。

たしかに、お風呂付のトラックが乗り付けて介護(入浴サービス)するなんてのは、大きな組織じゃなくっちゃ出来ないだろう。でも、それは企業の規模が大きくなれば可能なのかと言えば『NO』だ。介護だけでペイしようとしても、それは無理なのだ。


居酒屋チェーンの『和民』がコムスンの事業引継ぎに名乗りを挙げているらしいが、このように“介護”以外に利益が出せる部門がある企業であれば、それは可能だ。

本来の介護は“奉仕”だ。

利益が大きい企業が“社会奉仕”の一環として、その利益を介護サービスへ分配する。介護ビジネスは、まともにやったら利益なんて出ないんだから、企業としては『お客様から得た利益を社会に還元する』って気持ちがなくてはつとまらない。(逆に言えば、本業で利益を得ている企業以外に“介護ビジネス”はやらせちゃいけない)


本当に介護は“善意”とか“人道的”とか“奉仕”の心が無くては成り立たないのだ。(消費税を常識はずれな料率にすれば可能だろうけど)


今回の騒動は、私はキリスト教社会にあるような、このような社会的なシステムがやっと日本にも芽生える切っ掛けになるのかなぁ?って感じているのだが・・・・。

2007年06月22日

日本人の進化

20070622_danger.jpg50年後、100年後の日本人への淘汰圧って、何んだろう?

やっぱり、HIV と プリオン蛋白 なんだろうなぁ。


だって、先進国で AIDS が増えつづけているのは日本だけって言われても一向に減る気配はないし、喉元過ぎてしまった“狂牛病”には全く無関心だし・・・。

赤信号、皆で渡れば怖くないって事で、酒飲んで調子の乗って風俗店に突入したり、危険部位混入の大いに疑わしい吉野家の牛丼なんかを平気で食べちゃう。

こんな奴等らに共通しているのは、危機意識の欠落、または危機から目を背けるってことだ。赤信号を100人で渡れば、車の運転手はビビって車を止めるだろうけど、HIV と プリオン蛋白は“赤信号の横断歩道”じゃない。“遮断機の降りた踏切”なんだよ。だから1人で渡っても100人で渡っても同じようにひき殺される。

そういう事を知らない馬鹿と、知りつつも知らなかった事にして自分に都合のいいように解釈するヤツと、周りに流されるヤツ、そんな気質の奴等が“HIV と プリオン蛋白という環境”からの圧力で淘汰されるんだろう。


牛肉コロッケに豚肉混入という“事件”の街頭インタヴューで、どこぞのおばちゃんが『食の安全が脅かされる』みたいなことを言っていたが、はっきり言って素性の分からない安い牛肉より豚肉のほうがよっぽど安全だ!こんな事すら判断できないような“無知”も淘汰されていくんだろう。


安全は“無料”で手に入り、何処かの誰かが私の為に一所懸命にやってくれている。


HIV と プリオン蛋白に淘汰されるタイプの人は、概ね、こんな事考えてるんだろう。

最近、斜視を治療した人物が、テレビで言っていた。『全く、無知としか言いようが無い。無知が諸悪の根源だ』みたいなことを。

これは、渋谷の温泉爆発事故に関してのコメントなのだが、こういう施設の管理に“理系出身者”が全く関与していないという、信じられないような危機感の無さ、無知さが今の日本の現状なんだろうな。


ところで、飲酒運転で追突し、子供三人を溺死させた元福岡市職員今林大が保釈されたとか!!

k-moto さんから借りた長嶺超輝著『裁判官の爆笑お言葉集』の中で、ひとつだけ印象に残った言葉がある。それは、、、

≪交通事故裁判での、被害者の命の重みは、駅前で配られるポケットティッシュのように軽い。遺族の悲嘆に比して、加害者はあまりにも過保護である。命の尊さに法が無慈悲であってはならない。≫

こんな犯罪者を娑婆に出せる法律があるんなら、怒りの市民による“私刑”も合法にしてもらいたいもんだ。


こんな犯罪者(結審するまでは犯罪者とは言わないそうだが)がのうのうと暮らせる日本って、多分、HIV と プリオン蛋白 による淘汰圧を身近に感じられない“性格”と通ずるところがあるんじゃないのか?と藪にらみしている。

だとしたら、今、“余生は日本以外で”を計画している私にとって、HIV と プリオン蛋白 で淘汰されて残った日本人による日本国が出来上がるなら、まんざら住みにくい国でもなさそうだ。ただ、そんな時まで、私が生きてはいられないだろうから、やっぱり、日本脱出は予定通りっぽいけど・・・。

2007年06月26日

グリーンになるF1? --- 省エネを競うフォーミュラワン

20070626_houdo.jpgNature に F1 ネタが!!

と言っても、自動車雑誌の志向とは別物・・・・と言うわけでもない。やはり、トレンドは『エコ』『CO2 ガス』だ。

私の定期購読している AUTO CAR 日本版では、日本のマスコミが騒ぎ始める1年以上も前から CO2 ガス や バイオエタノール、地球温暖化に関しては特集を組んで解説していた。それ故、感化された私も、このネタのエントリーがチラホラとあるわけだが・・・。

今週号の Nature ではエネルギー回生装置が取り上げられている。これも自動車雑誌などでは当たり前の技術だけれど、一般の人への浸透度は、まだまだ、低いんじゃないかな?

その記事は、、、

Nature vol.447 (7147), (21 Jun 2007)

20070626_F1_cover_nature.jpg表紙は、モントリオールでのカナダGPで、フェラーリのキミ・ライコネンに差をつけ、初優勝目前のマクラーレンの驚異の新人ドライバー、ルイス・ハミルトンである。

この勝利は彼のその後の北米での連続勝利の皮切りとなった。

こういうカーレースは「環境に優しい」とはとても言えない。

サーキットをぐるぐる回るために、世界中に機械や人員を送り込んでいるのだから。

だが、自動車にディスクブレーキをもたらした「性能の向上」という伝統を受け継ぎ、F1(フォーミュラワン)レースを技術革新に貢献するものに作り直そうという野心的な計画が立てられている。

2009年から、環境への負荷を軽減する新しい規制が実施され、そのままなら無駄になる減速時のエネルギーを活用するための機械式エネルギー回生装置(KERS)が導入される。

熾烈な競争と有能な技術陣、巨額な研究予算とが合わさってこの技術の進歩が推進されれば、最終的には一般の車にもKERSが使われるようになるだろう。

News Feature では、A Trabesingerが、この改革に尽力したF1のM Mosleyと対談している(News Feature p.900; www.nature.com/podcast)。

News Feature, p.900


さて、こういう F1 での技術開発ってのは、一般の人にとっては、理系の研究というか、すぐに実用化が見えてこない基礎研究みたいだなんだろうなぁって感じた訳だ。


人を文系・理系って分けるのって、血液型みたいに日本独特なんだろうか?

海外では一流の研究者と呼ばれる人たちは、“間口は広く出口は狭い”って言われている。日本人のイメージする“研究バカ”じゃなくって、生命科学を専門としていても文学や音楽、そのほかにも造詣が深い(間口は広い)。かといってそれをひけらかすような事はしない(出口は狭い)。

だから、言葉はあっても日本人的な“文系・理系”ってイメージは無いのかもしれない。

さて、私は、この日本人的“文系・理系”ってのは、教育課程で作り上げられるせいもあって、非常に弊害が大きいって思っている。このように、きっちりと分けちゃうと、お互いに他の分野を勉強しなくなる。理系の人間は否が応でも最低限の文系の素養は身に付けなきゃならないが、文系の学生は、理系の科目を全く勉強しない。

これの何処が問題なのかと言うと、私は理系の基礎知識は“生きる智慧”だと思っているからだ。

危険から身を守ったり、生活を豊かにする為には、理系の基礎知識は必須だ。文系の素養は“心の豊かさ”や“情緒の安定”に役立つ。人間が生活していく上で、物質的な面を理系が支え、精神的な面は文系の知識・智慧・素養が支えていると思っている。


ミートポーク社の偽装牛肉事件は、“食の安全”からすれば瑣末な問題だ。それよりアメリカ産の怪しい牛肉を使っている業者を吊るし上げるほうが、“食の安全”にとっては極めて重要だと思うのだが、報道は極端に抑制されている。(文系の価値判断だからショウガナイ。色々と)このような、F1 の基礎的な研究を理解しようとしない(或いは興味がない、もしくは理解できない)で、ただ、見かけだけで“無駄”と決め付けるような短絡的な考えは、文科系しか知らない人に多いと思われる。

渋谷の温泉爆発事故にしてもそうだし、ジェネリック医薬品を希望させるようなコマーシャルを作らせ、そしてそれに乗せられるような人も、典型的な文科系脳のだなぁと感じてしまう。


一般紙、テレビのワイドショーには、視聴者が理解できるかどうかは置いといて、とにかく、理系の価値観、理系脳の視点からの紙面・番組つくりもしてもらいたい。理解なんかできなくったって、念仏のように唱えていれば、そのうち、合理的な判断(生活の智慧)が出来るようになる。

そして、人間の生理現象とか、それに関わる化学物質とかを、ドラマチックな仕立てなしに、淡々と記述し・放送されても、それを受け入れられるような教育をやって欲しい。高校生が、文系・理系に分かれるなんてもってのほかだと思うのだが・・・・。(例えば、DNA と RNA の物質としての違い、機能の違いを理解してなければ卒業させないとか、ニュートン力学と量子力学の違いを説明できなきゃ・・・)

まぁ、それよりなにより『安物買いの銭失い』『安いのには訳がある』という諺を、理系的に説明させる・・・・。こんな事が理解できないから、耐震偽装マンションを買わされたり、安いコロッケに牛肉が入っているのを期待しちゃうんだよな。


『消費者も悪い』・・・、あのミートポーク社のお騒がせ社長の発言かだが、これって、、、


---真理だよな---


追い詰められた場で、開き直ったような発言をする人って、基本的に真面目で悪いことは出来ない。牛肉偽装は食肉業界の“常識”のはず!自分だけがという思いも加わり、、、自殺しなきゃいいのだが、あの社長。。。。(消費者が知らない“業界”の常識なんて、ゴロゴロしてんのにね!医療業界だって例外じゃない。)

ところで自殺してもイイって言うより、射殺したいような飲酒事故で二人を殺した建築業 宮田和弘 容疑者みたいなのは、自殺なんてしないんだよね、これが!!『危険運転致死罪も視野に入れて・・・』と来たのには、耳を疑っちまったぜ!!

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