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2007年07月 アーカイブ

2007年07月03日

シマウマの縞 蝶の模様

しかし、どう考えても“ウソ”くせぇ~!このキメラ!!

20070703_chimera.jpg『シマウマの縞 蝶の模様』を読み終え、遺伝子の発現機構の一端を垣間見てその凄さに、ただただ感嘆してしまった私には、この縞の部分と白色の部分の“境目”がどう考えても遺伝子の発現による結果だとは思えない・・・。

多分、このキメラのお馬ちゃんの“オチ”は、、、飼育係が『言われたとおりに、白く塗っただけです』って言うことになりそうだ。エボデボ(evolutional developmental biology)の素養のある飼育係だったら、或いは世間をあざむけたかもしれないけど、この塗り方じゃ、“うそ臭さ”は拭えない。(どうしてウソくせぇのか知りたかったら、この本を読むべし!)

“くせぇ”と言えば、どこかの電車では誰かが“うんち”をもらしちっゃた為に『臭くってかないません』と、運休になってしまったとか。このシマウマもこれ位の“低レベル”の偽装だと思ってるんだけど、どうだろう?


さて、臭いと感じているもう一つは、やっぱり民主党の小沢代表の発言だ。

彼は、久間氏の『原爆投下しかたない』発言に噛み付いて『未来永劫、アメリカに恨み辛みを言いつづけるべき』と言ったとか言わないとか?自民党時代から今まで一貫して『米に謝罪を』と言い続けて来た人であったなら、党首討論での発言は意義深いものだけど、参院選を睨んで(バカな)国民へのイメージを植え付ける為なのが見え見えで、まったく“臭い”ったらありゃしない。

で、珍しく、朝日新聞が“自説”を交えず、たんたんと事実を書いていた記事の一部がこれだ。

【久間氏の発言要旨】

 日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略がなかったからだ。米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶとい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。

 幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は取られても何もする方法もないわけですから、私はその点は、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理で今、しょうがないな、という風に思っている。

 米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、原爆まで使う必要があったのか、という思いは今でもしている。国際情勢とか戦後の占領状態などからいくと、そういうことも選択肢としてはありうるのかな。そういうことも我々は十分、頭に入れながら考えなくてはいけないと思った。

これを読んで、違和感を感じる日本人ってどれ位いるんだろう?

中国や韓国のように、国家を挙げての“洗脳教育(日本憎し)”が日本にもあったなら、このような久間氏の発言に日本中が怒り狂うのも分かるけど、日本は戦争に負けた瞬間からアメリカのポチなんだからそんな事できるわけ無いし、やらなかったからこそ今の(物質的に)豊かな日本があるんだろう。

今回だって、久間氏の選挙区が長崎ってだけで、長崎の人の声はよく聞こえてくるけど、広島の人の声は聞こえてこないし、長崎の声だって、マスコミによって真意は捻じ曲げられてるんじゃない?

長崎の人たちは、身内や親しい人が一瞬で奪われた“恨み辛み”はあるだろう。その気持ちはよく分かる。そして、訴えたいのは、その事だろう!『俺たちの気持ちをないがしろにするな』と。

それを長崎の人達の“恨み辛み”を“核廃絶”だとか“世界平和”だとか、ことさら大袈裟なものにすり替え、ことさら重大な問題の如くマスコミや小沢党首は叫んでいるのだが、個人の“恨み辛み”と“外交”は別々に扱わなきゃならないんじゃないのか?

それに、長崎の人達の気持ちはよく分かるが、(戦争に限らず)辛い経験をしてるのは長崎の人たちだけじゃない。誤解を恐れずに言わせてもらえば、長崎の人たちは、その他の日本人から同情してもらいたいのだ。そういう次元の話でしょ?これって。

同情してもらいたい気持ちは大切だし、そういう本音を語ることで病んだ心は癒される。この方たちにとっては、核廃絶だとか世界平和だとかはどうでも良くって、外野=マスコミが的外れな同情、すなわち、被爆地の方の憤りを“神聖化”しているのにこそ、私は違和感を感じる。


そんなことで、政権を取ろうとしている政党の党首ともあろう大物が、まるでマスコミの操り人形のように、偽善を助長するような発言は、臭くてかなわないわけです。

政権取る気、あんのかよ?えっ?小沢さんよぉ!

2007年07月04日

HPVアジュバントワクチンで、ほとんどの子宮頸癌と前癌病変を予防できる可能性

20070704_young_couple.jpg幼い娘を持つ父親の心境としても、HPV ワクチンの早期の実用化を願っている。

性教育の充実にプライオリティがあるのは当然の事だけど、若者の好奇心や興味を抑えきれるものなのかどうか、自分の経験から言っても、甚だ心もとないのも事実。

結局、核兵器根絶という“理想論”だけで戦争(不幸)が抑止できないのと同じ、すなわち“核の抑止力”が効いている現実と同様、HPV ワクチンで“発ガン”への抑止力とする方に実行力があると言わざるを得ない。


今回のネタは“お仕事ブログ”に書き出したんだけど、“右や左のだんな様”達の“伝統芸能”とそれに便乗して揚げ足取りが大好きな民主党・小沢代表の、あまりにも現実を無視した“言葉”に、ホトホト呆れてしまったので、こっち“WebMaster's impressions”にエントリーすることにした次第だ。

私は毎朝、朝食を取りながら“読売新聞”を読み、ズームイン・スーパーを 6:50am 頃まで見ている。ちょうど、♪ズーミン、どっち向くの?が始まる頃に出勤の支度をはじめるので、残念なことに、辛坊さんのコラムが見られない。6:30過ぎに新聞記事の解説をしてくれるんだけど、気になるところは『後ほど、くわしく・・・』とされてしまうのだ。

今朝も辛坊さんが『安倍首相が、「右にも左にも・・」って言ってる事が・・』と左の朝日、右の産経の社説を例に取り、説明してくれた。

私、“左”ってのは良く解かってたけど、右ってのがイマイチ良くわかんなかった。右翼ってのは暴力団の親戚程度の認識しかなかったからだ。そして私の人生、必ず“責任を取る側”だった為、野党等の“無責任な立場”で、揚げ足を取るやつ等が、吐き気がするほど嫌いだった。だから、自分は“右”なのか?と思っていたのだが、今朝の辛坊さんの解説で、はっきりと、私は『右でも左でもない』と言えるようになった。

私の脳みそは“合理主義”というか“自然主義”というか、《大脳新皮質による行動原理は自分の半径1メートルにしか及ばず、集団心理のような群集の行動様式は、大脳辺縁系に拠っている》という信念みたいなものあるわけで、それは『右とか左とか言うもんじゃなく、生物としての人間の真実の姿を直視しているだけである』という事にも繋がったわけだ。


昨日のエントリーでは、小沢代表の“臭さ”を指摘したわけだが、あのネタを取り上げ、午前中にエントリーしたのは、たまたまの偶然で、午後になってニュース速報で『大臣、辞任』のニュースには、エントリーした私本人がびっくりしてしまった。

さらに、びっくりなのは、『アメリカに謝罪を求めるような小沢代表には政権は取れない』という事を書いたのだが、それと同じ事が、本日の読売新聞朝刊の社説に書いてあったことだ。

購読は“読売新聞”だけど、ネットで殆どの新聞のソースに当たるようにしている私(理系脳はこれをしないと気持ち悪い。反対の考えを知らないと気持ち悪いのだ)は、朝日新聞とその他の新聞の区別はついていたのだが、今回の件で、その他の中の区別もつくようになったのは、収穫だった。


しかし・・・である。こんな理想論とか建前ばっかりの野党の政治家とマスコミ、世論調査が証明する理想論とか建前を強要するバカな国民、現実を直視した対応を取ることに及び腰な、よく言えばポピュリストの大衆迎合な与党の政治家・・・・。

さっそく、外野からは、防衛省の新大臣、小池氏の手腕を疑問視する声すら挙がっているという。まだ、なんにもやってないのに・・・である。(『それ見たことか』と揚げ足を取る準備している奴がいるんだよ!キモイぜ!)

でも悲しいかな、現実は誰が大臣になっても・・・ってやつである。それは、日本の官僚制度のレベルの高さを証明してしまっている事にもなっている。大臣って職務は、何かあったときに“詰め腹を切らされる”ものなんだろう。日本人は、誰かに謝ってもらいたい性質だから。(現場で働く公務員のお座なりな仕事振りが露呈した年金問題のような場合でも、現場の公務員=弱者?に及ぶことはあまりない。マスコミも現場の職員の追求には及び腰だ。結局、現実を直視しないから、問題が解決することもない。そして、解決するポーズだけで納得しちゃう国民がいる。笑っちゃう)


!これが議会制民主主義の限界・・・かっ!


小沢氏には、薄っぺらな正義感・理想論・建前でバカな国民を騙し、政権を取ったあかつきには、ころっと寝返って、現実を直視した政治的手腕を振るう・・・って事を期待するしかない。でも、腹黒な小沢氏なら、やりそうだよね・・・・、そしたら大好きになります。ハイ!!

そういう私は、選挙区では民主党の立候補者、比例区では仕方なく自民党に投票する人間です。

というわけで、医薬・生命科学カテゴリーへのエントリーだから、引用も忘れずに、、、

提供:Medscape

HPV16/18アジュバントワクチンで、HPV16またはHPV18に関連する子宮頸部異形成に対する予防効果と子宮頸癌を予防できる可能性

Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News

【6月28日】ヒトパピローマウイルス(HPV)16/18アジュバントワクチンに、HPV16またはHPV18に関連する子宮頸部異形成(CIN)に対して90%の予防効果があり、子宮頸癌を予防できる可能性があるという試験結果が、『Lancet』オンライン版に掲載された(6月28日)。

「大規模国際第III相試験の、今回の中間分析の目的は若年女性を対象にしたヒトパピローマウイルス(HPV)16型と18型の感染に対するAS04アジュバント使用L1ウイルス様粒子予防ワクチン候補の効果を評価することである」と、ヘルシンキ大学(フィンランド)のJorma Paavonenら、HPV PATRICIA試験グループが記述している。

この試験は15歳から25歳までの女性18,644例をランダム化し、HPV16/18ワクチンを受ける群(n=9,319)とA型肝炎ワクチンを受ける群 (n=9,325)に分け、試験の0カ月、1カ月、6カ月の時点でワクチンを投与した。HPV16/18ワクチンはHavrixワクチン(GlaxoSmithKline Biologicals社製)を基にした試験製剤である。18,644例のうち、細胞診の結果が高度異形成であった88例と、結果を紛失した31例を除外し、残りのHPV16/18ワクチン群9,258例、対照群9,267例を対象とした。

ワクチン投与をしたコホート全体に、試験採用時に発癌性HPV(多くの場合、複数の型)に感染している者および細胞形態が低度異形成の異常を示した者も含めた。子宮頸の細胞診と生検では、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて14種類の発癌性HPVについて分析した。

主要転帰項目はHPV16型と18型に関連するCIN2+に対するワクチンの有効性であり、試験開始時(0カ月)においてそれぞれのワクチンに該当する型について血清抗体とDNAが陰性である女性を対象にして評価し、発癌性HPVの複数の型を伴う病変も分析に加えた。事象定義済みの今回の中間分析は、病変内にHPV16型またはHPV18型のDNAが存在するCIN2+に対する有効性が見られる例が、ワクチン投与コホート全体において少なくとも23例見つかったことを受けて実施された。分析は、modified intention to treat で行なった。

有効性主要分析に関する被験者追跡期間の中央値は、この中間分析時点で14.8 ± 4.9カ月であった。HPV16型またはHPV18型のDNAを伴うCIN2+症例数は、HPV16/18ワクチン群が2例であったのに対し、対照群では21例だった。これら23例のうち14例(HPV16/18ワクチン群が2例と対照群が12例)では、発癌性HPVの型が複数存在していた。

HPV16/18DNAを持つCIN2+に対するワクチンの有効性は90.4% (97.9%信頼区間は 53.4-99.3、P<0.0001)であった。HPV16/18の持続性感染に対する保護水準は6カ月で80.4%、12カ月で75.9%であった。安全性の転帰は両群で差がなかった。

「HPV16/18アジュバントワクチンがHPV16型またはHPV18型に関連するCIN2+に対して予防効果を持ち、子宮頸癌予防に利用できる可能性のあることが示された」と著者らは述べている。「広い範囲の若年女性層においてこのワクチンが有効であり、忍容性に優れ、免疫原性を持つことが我々の結果で示されたことから、CINと子宮頸癌の予防において有用である可能性が支持された」。

開示情報によると、著者の一部はMerck社、GlaxoSmithKline社、Sanofi Pasteur MSD社との間に金銭的利害関係がある。

関連する解説記事において、シンシナティ大学医学部(オハイオ州)のJessica A. Kahnとアルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク市)のRobert D. Burkが、今回の有効性中間データについて「期待が持てる」としながらも、いくつかの限界について指摘しており、例えば、追跡期間が短いこと (子宮頸癌の発現は数十年かかることが少なくない)と、HPVワクチン群において有害反応が多いことを挙げている。

「HPV感染と子宮頸癌の高リスクには貧困が強く連関している」とKahn、Burk両博士は書いている。「HPVワクチンのような高度に有効な介入手段を貧困生活者が利用できなければ、格段に格差が広がる可能性がある」。

Lancet. Published online June 28, 2007.

Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape

2007年07月13日

生物多様性は高いほどよい

20070713_various.jpg複数政党からなる国家の生産性と国及び自治体機能を、政党の絶滅が変えるかどうかについては、何年にもわたって議論が続いているが、一連のメタ解析によって意見の一致らしきものが得られている。

つまり、政党の喪失は国及び自治体機能を損なう可能性があるが、それは、どの政党が消滅するかによっており、また、多くの政党は機能的に重複しているらしいという見解だ。

・・・・・、上↑、大真面目に信じないでくださいね。私のでっち上げです。参議院議員選挙の公示を受け、昨日の NHK を見ていて、各政党の党首の話や、地方で演説している立候補者の姿を見ていたために、下の Natuer の論文を読みながら、『ふむふむ、昨日のと似ているなぁ・・』と、ふと、イタズラ心が・・・・です。

Nature vol.448 (7150), (12 Jul 2007)

複数種からなる群集の生産性と生態系機能を、種の絶滅が変えるかどうかについては、何年にもわたって議論が続いているが、一連のメタ解析によって意見の一致らしきものが得られている。

つまり、種の喪失は生態系機能を損なう可能性があるが、それは、どの種が消滅するかによっており、また、多くの種は機能的に重複しているらしいという見解だ。

しかし、ほとんどの生態系が複数の生態系サービスに関して管理されているにもかかわらず、これまでの研究は個別の生態系過程だけに注目してきた。

A HectorとR Bagchiは今回、生物多様性と複数の生態系過程の関係を調べるために、複数の草地多様性実験の公表データを解析した。

そして、種によって影響を及ぼす生態系機能が異なる場合が多いため、単一の生態系過程のみを調べる研究ではこの問題の全体像をつかめない可能性があることを見いだした。

したがって、多機能をもつ生態系を確実に存続させるためには、これまでの研究で示唆されていたよりも大きな生物多様性が必要かもしれない。

Letter, p.188


さて、どの政党が必要ないのかって?そんなの、今更、ここに書かなくても、ずうっとココを読んでくださった方にはわかると思うので敢えて書かないが、『多様性は高いほどよい』ってのは、全くその通りだと思っている。

結局、憲法9条改正だって、全政党が『賛成!!』だったりしたら、『ちょっと怖いんじゃない』ってなっちゃうけど、今みたいに適当に反対する役回りがいた方が“改正”するにしても“暴走”に対する“安全弁”になってなくもないわけで、『多様性は高いほどよい』の証明になっている訳だ。

戦争を100%否定している人たちに、平和で平和で、全世界の人口が今の100倍になって、全員が地球に住めなくなったら、どうするの?って事は聞いちゃいけないんだろう。『火星は侵略してもいいの?』って。

っていうか、地球上の何処も彼処も生活環境が“平等”になるわきゃないんで、世界から不平不満が無くなる訳がないのに、そんなロマンチックなことばっかり言ってる政党は無くても困ることはないんだけど、あった方が、健全ではあるわけだ。


さてさて、投票日までの間は、各メディアはコレ一色だろうから、伝統芸能政党の幼稚なロジックに笑わしてもらえそうで・・・・・、でも、あんまり面白くないかっ!コレばっかりじゃね!

私としては、『飲酒運転で人を一人轢き殺したら、即、無期懲役。複数だったら“死刑”にする法案を通します』みたいな、日ごろの鬱憤を解消してくれるような事を言ってくれれば、伝統芸能政党でも応援しちゃうんだけとなぁ!でも、あの連中は“野党”にいることに存在意義があるからなぁ・・・・・。

2007年07月18日

英で癌患者の10年生存率が46%に

20070718_pieta.jpg新約聖書の冒頭は、『マタイの福音書』から始まる。
アブラハムから始まって、イサク、ヤコブ・・・・・・と繋がり、ダビデ、ソロモンを経て、イエスの母であるマリアの夫ヨセフが生まれたのだと、その系譜を辿るのである。

キリスト教の経典は上下2冊の聖書である。いわゆる旧約聖書と新約聖書。その新しい方の冒頭で、これをおさらいしておくのは順当なことなんだろう。

そして旧約聖書の預言では、救世主はダビデの血筋から現れると。


ん?なぁ~んか、ひっかかるけど何だろ?

でも、まぁいいか!イエス・キリストはダビデの血筋から生まれたし・・・・・。

って、生まれてねぇじゃん!!

マリアは処女受胎したんじゃん!!夫ヨセフの精子をもらってないじゃん!!(処女受胎なんてあるわきゃないじゃん!)

・・・・・

でも、その辺の辻褄が合わないことに関しては、新約聖書にはなぁ~んにも書いてない。(イエスの正当性を直接証明出来る系譜じゃないのに、記しておく事で勘違いを惹起させる?)

しかし、信者にとっては、そんなことは瑣末な問題だ。DNA は受け継がなくっても、イスラエルの民の救世主は、(なんとなく)その血筋から現れ、そして、それは神との接点でもあったと理解している(と思う)。イエスをイスラエルの民の裔と考えるから、マタイの福音書でアブラハム以来の血統書をあらわしているんだろう。なんたって、この血筋は、一人で200年とか300年とか生きちゃうんだから、神だったのかもしれないし。信ずれば救われる・・・し。


さて、イエスが救世主(=キリスト)だったと言うエビデンスはあいまいな形で『マタイの福音書』で述べられているんだけど、まぁ、なんだか良くわかんないけど、“救われたい人”にとってみれば、整合性よりご都合(自分勝手な解釈)と言うことなのだと思う。これは、2000年前も現代も変わっていない。

英で癌患者の10年生存率が46%に

2020年に向けた癌撲滅の目標打ち出す

〔ロンドン〕 ロンドン大学衛生学・熱帯医学部のMichel Coleman教授らは、英国癌研究所(ロンドン)がまとめた新しい癌統計から、同国ではあらゆる癌種の全体的な10年生存率が、30年前と比べてほぼ倍増の46.2%にまで上昇したことが明らかになったと発表した。また同研究所は、2020年までに達成すべき10項目の野心的な新目標を設定した。これらの目標は、現在までのさまざまな進歩を踏まえた癌撲滅のビジョンに基づいており、その目標の 1 つは、全体的な癌の 5 年生存率を2020年までに66.6%以上に引き上げることである。


乳癌の生存率が大幅に改善

 今回の統計から、癌の種類により生存率は大幅に異なるが、癌患者の診断後の10年生存率は、平均46.2%であることが示された。ちなみに、30年前の10年生存率は23.6%であった。現在の全体的な 5 年生存率は49.6%である。

 全生存率は、1971~2001年の30年間に過去10年間で最も急激に増加している。過去10年間にすべての癌の全体的な10年生存率は35.4%から46.2%と11ポイント近く上昇した。同じ期間の全体的な 5 年生存率は、39.7%から49.6%に上昇した。

 あらゆる癌の全体的な 5 年生存率は、30年前が28%、20年前が34%であったが、現在は49.6%にまで増加している。

 今回の統計から、5 年生存率は膵癌の2.5%から精巣癌の95%まで幅広く分布していることが示された。

 Coleman教授は「自分の生存チャンスを知りたいと願う個々の患者の参考にならないという理由などから、一般に癌には全生存率は用いられない。しかし、われわれが設定した新しい目標は、すべての癌に関連しているため、進展を監視するために単純な基準を定義することが重要であると考えた」と説明している。

 同教授は「全体的な数値の背後には、失望と喜びの両方が隠されている。例えば、膵癌と肺癌は生存率が低いままでほとんど改善が認められなかったが、乳癌の生存率は大幅に改善している」と指摘している。新たに乳癌の診断を受けた女性のほぼ 3 例に 2 例は、20年以上生存する確率が高い。また、大腸癌の 5 年生存率は過去10年間に40%から46%近くにまで上昇している。


個々の目標を数値化

 同研究所が設定した新しい目標は多岐にわたっており、癌罹患率の減少、患者が必要とする情報へのアクセスの確保、最富裕層と最貧困層に見られる罹患率と生存率の格差の縮小が含まれる。

 目標を達成するための対策は、同研究所だけが行うのではない。喫煙率の低下、癌リスクを低減できる方法に関する人々の意識の向上、癌の早期発見率の改善などを達成するためには、あらゆる関係団体の協力が必要である。

 同研究所のHarpal Kumar所長は「英国の主要な研究団体が率先して立ち上がり、長期的な影響を提示したのは今回が初めてである」と指摘。「われわれの目標は意欲的であると同時に、多岐にわたっている。癌に対する基礎的な生物学的理解をさらに深めるだけでなく、実験室で得られた知見を新しい治療に応用することが重要である」と述べている。

 さらに、同所長は「個々の目標について、現在の状況と2020年までに達成したい内容を数値化するように努力している。これにより2020年だけでなく、その途上での進み具合を確認することが可能になる」と付け加えている。

 過去30年間に観察された癌管理の改善は、多くの一般的な癌の生存率の有意な改善につながっている。改善点としては、癌の早期発見、癌専門医による外科手術の拡大、癌検診プログラム、化学療法と放射線療法の進歩、癌治療の同意と実施のための総合医療チームの日常的な結集が挙げられる。

 研究の進歩として、個々の患者に合わせた免疫療法や遺伝子治療といった新しい治療法が登場している。

 同研究所は、恩恵を受ける可能性がある全患者に、最新の技術を利用できるようにすることを目指している。


最低ランクの英国を勇気付ける

 今回の統計が発表される数日前に、カロリンスカ研究所(スウェーデン・ストックホルム)は抗癌薬に対する世界的なアクセスに関する調査をAnnals of Oncologyに発表した。

 この調査では、欧州連合(EU) 5 か国の癌の 5 年生存率を比較した一覧表で、英国が最低にランク付けされた。ただし、その調査報告者は「世界中の国による癌登録が把握しているデータの割合は、4 %から100%まで大幅に変動している。このため、国別の正確な比較は困難である」と指摘している。

 一方、英国は欧州諸国のなかで癌研究に対する直接的な資金調達額が第 1 位であると報告されており、特に慈善団体からの寄付金の大きさが特筆されている。
 Kumar所長は「欧州における英国の位置付けについては、否定的な話を多く耳にしているので、癌生存率の劇的な改善を示すデータには勇気付けられる。新しい目標を設定することにより、今後さらに前進することが可能になるだろう」とコメントしている。

 英国癌対策長官のMike Richards教授は「癌の効果的な撲滅には、あらゆる段階での協力体制が不可欠である。英国の研究団体、大学、産業、国民健康保険制度(NHS)はこれまでも互いに協力してきたが、現在の協力体制はかつてないほど緊密になっている。研究室で発見された潜在的に有用性のある治療法が診療現場で応用される可能性は高まっており、臨床試験に参加する患者数も増加している」と指摘している。

 新しい目標の設定について英国保健省は、すべての関係者を勇気付け、癌患者、特にアウトカムが劣るとされている癌患者の予後の改善につながる可能性をもたらすものとして歓迎している。

 Kumar所長は「英国の研究者と医師、政府、われわれのパートナー、支持者などが結束すれば、癌を撲滅することができるだろう」と期待している。


この類の臨床統計の結果って、私には、新約聖書に見えてショウガナイ!!

ガンで死ぬ人は減っていないにもかかわらず、あたかも、現代医学はがんを克服できているかのような印象を与えている所が、だ。(がんで死ぬ人が減った事の直接の証明じゃないのに、記しておく事で勘違いを惹起させる?そして“救われたい人”にとっては整合性よりご都合=自分勝手な解釈ってのを利用しているところが、だ)

実際は早期発見というか、ほっといても死なない人まで含めて母数にするもんだから、当然“生存率”は上がる。でも日本でもそうだけど、実際はガンで死ぬ人の数は増加している。


人口の増加があるから死ぬ人の数が増えるのは当然。
戦争で人が死なないから、病気で死ぬのは当然。
ガン以外で死ぬ人が少なくなっているから、ガンで死ぬ人が増えるのは当然。


突っ込めば、言い返されそうだ。

30歳台、40歳台、50歳台の人、すなわち、まだまだ子供も小さく一家を支えていかねばならない人にとっては、2年で死ぬことより10年で死ぬことの意味は大きい。

でも、統計ではなく、現実にガンを罹患した患者全ての『あと5年生かして下さい』という願いを叶えてあげられるか?というと、それは“NO”である。


こんな見かけ上の数字を上げるんじゃなく、がんの臨床研究者には全てのがん患者の『あと5年生かして下さい』を実現できるようにしてほしい。そして、これが出来て初めて、『ガンをコントロール出来た』って言えると思う。そうじゃなければ、こんな臨床統計なんて新約聖書そのものだ。

そりゃ、細かいところをみれば、APL に対する ATRA とか、CML に対するグリベックなどは効果を挙げているが、その他のガン全体からしたら、それは少数だ。固形癌に対する薬物治療の成績は惨憺たる結果だし。


宗教には、過大な期待と希望を持たせる事が許される(と思う)。それで救われるなら、良いじゃないか!って理屈だ。(今のキリスト教では)信じることでお金を取られるわけじゃないし。

でも、医療に過大な期待と希望を持たせる事が、果たして良い事なのか?(宗教じゃないんだから、患者=一般人を騙してどうするんだよ?って言いたい)

患者にとっての期待はずれな結果は、医療側の“ミス”ではなく“限界”であることが真実なのにもかかわらず、それに起因する“心理的なこじれ”が原因のトラブルや裁判沙汰が非常に多い。(実際、日本でも患者側の期待と合致しなかった為に、医師や看護師が土下座させられるというトラブルが発生している。カナダでは“コード・ホワイト”と呼ぶ院内放送で、こういう患者を怪我させずに取り押さえる職員が常駐しているんだとか)

薬を飲んでいれば病気を予防できるなども“盲信”とまでは言わなくても、NNT 100以上の薬が汎用されている事実をみれば、明らかに意識のギャップがある証拠だ。

こんな“騙し”をやってるから、“医療は、信じさせて金をむしり取る”みたいに表現は悪いが、これが実態なんじゃないか?と言われるんだよ。期待通りの結果が得られなかった人から。


ところで、地震による原発事故を当事者達は隠したがる。

私にしてみれば、そんなことはショウガナイジャンって思うのだが、そう思わない人もいるようだ。(原発施設を10倍の経費をかけて設計・建築し電気料に上乗せするか、税金を投入すれば地震が来た時の危険度は下がるんだろう。しかし、文系の人は特に根拠のない科学万能の神話に毒されているようだ。あの辛坊さんですら、原発は設計に拠れば安全に出来るって言いきっていたもんなぁ。驚いたけど)

最初から『安全です。絶対大丈夫です、安心してください』って言わなきゃ良いんだよな。『自然相手だから、何が起きるか解りませんが、デメリットよりメリットが大きいので、発電所作ります』とでも言っておけば良いのにね。


ところで、先の聖母マリアの処女受胎の件だが、聖書外伝では、マリアその人、つまりマリアのお父さんがダビデの血を引く血統書付のエリートだと、伝えているらしい。これならば、ダビデの血筋から救世主が・・には合致するけど、それじゃマリアの夫ヨセフが登場する意味がない。っていうか、新約聖書の冒頭で記す理由が見当たらなくなっちゃう。

それに、新約聖書の4つの福音書、すなわちマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネのうち、受胎告知を記しているのはマタイとマルコの2つで、ルカとヨハネは全く処女懐妊には触れてない。

最初にウソをついたために、ウソにウソを重ね、そのウソを証明するために・・・・、全くの話、どれが真実なんだか。でも、聖書と宗教はそれでいいのだろう。(数多くの福音書からこの4つがコンスタンチヌス大帝のローマで選ばれたのは、別な意味で興味深いけど。それに、マリアとやっちゃったのがローマ兵のパンテラなんて作り話・・・・・作り話なのか?)


最初に“ガン(病気)は克服できる”としちゃったから・・・・・・・・。

2007年07月20日

『光と影』

20070720_life.jpg今回の新潟地震では『もっと早く医療を受けられれば死なずに済んだものを・・・』と手一杯を理由に受診を断った病院が槍玉に挙がっている。マスコミは“槍玉”とまで明らかな非難はしていないが主旨はそれであり、言葉を濁したりトリアージを訴える解説者もいるけど、やっぱりどれもコレも、現実を直視せず、理想的な事を言うに終始している。(受け入れたとして、手一杯で処置を施せず、もしくは施しても死んでしまったら、マスコミは非難することだろう。目に見えている。病院にしてみれば、受け入れるも地獄、受け入れずも地獄ってわけだ)

前回のエントリーでも指摘しているが、外傷を負った場合でも、助かるものは助かるがダメなものはダメなんだということを“意図的に”言うことはしない。言い辛いのは解るが、そんなことでは問題は解決しない。(問題を解決したくないなら、言う必要は無いけど)


そもそも、一般人(とマスコミ)の思い描くトリアージは“とにかく重傷が最優先”なのではないだろうか?本当のトリアージは、助かりそうも無いものは“見捨てる”のだ。助かる“見込みのある重傷が最優先”だと言うことだ。

心配停止で運び込まれ、助かるこみこの無い人に30分も蘇生術を施していたらどうなるのか?

救急救命の技術を持った医師の数には限りがあるのだ!!

普段から、このような議論の場を作り、助かりそうも無いものは“見捨てる”というトリアージにコンセンサスを得ておくのが危機管理だというのなら、コメンテーターの話の振り方にも納得できるものもあるが、“とにかく重傷が最優先”と言うだけなら、素人は引っ込んでろ!と言いたい。


薄っぺらな『生活密着』とか言ってる政党や政治家はこんな時には何をしてるのだろう?東京に同様の地震がおきた時に想定される負傷者の数は、このような危機管理がマニュアル化されていなければ、混乱は避けられない。どのみち、全ての人が納得のいく結果なんてありえないんだから・・・。

多分、こう言うと、トリアージの段階で“貴方は死ぬ”と見捨てられる人の気持ちにもなってみろとか、本当にその判断は“正しい”のか?なんて言う人もいるだろう。薄っぺらな正義感の持ち主に多そうだが、それは、平時においてのみ問題にすべきものだ。

ところで、トリアージの段階で運命が決まるって事を考えていたら、渡辺淳一の『光と影』を思い出してしまった。運命を分けるものなんて、ほんの些細なことだ。この小説では二人の患者に違う手術をした医師の判断の根拠なんてものは存在しない。そして、その後の幸・不幸は一つの価値観では量れない。まさに運命なのだ。


ある調査によると、なにがあっても『病院で死にたい』人は半数に上ると言う。この理由は色々あるのだろうけど、死んだ人の家族にしてみれば『私達は最善を尽くした』という気持ちで身内の死を受け入れたいという気持ちは否定できない。

とすれば、死を迎える方だって、残される家族に、自分の死に対して最善を尽くせず死に至らしめたとの思い・心の負担を無くしてあげたいと思うこともありえる筈だ。

これに気づいた時、『(病院は拒否しないで)とりあえず、廊下にでも転がしといてくれたら良いのに』と、昨日の床屋のおばさんが言ってた言葉がわかった。結果はどうあれ、受け入れてもらうだけで“慰められ、救われ、癒される”のだ。マスコミや政治家が言うほどには、ほとんどの国民は生き死に(結果)に拘っていないのだ。中には極端な患者(と家族)もいるが圧倒的に拘っている人は少なく、マスコミによって拘っている人・不満がある人・弱者が作られているのだと理解できた。


こうなると、日本の病院というところは、助かる・助からないは超越した存在になる。いや、病院という所、すなわち現代医療は、全ての病気・外傷をコントロール出来る存在であると勘違いさせておいた方が良い。そう、全知全能の神が在る宗教のように。(誤解していた方が幸せだということ)

日本には宗教が存在しない。いや、宗教は存在するけど“信仰心”が存在しない。道徳観や倫理観も“宗教”の教えるところで、日本人のベースは神道や儒教ということになるのだが、これらのものを“宗教”と捉える人は少ない。まぁ、タバコのポイ捨てやスクールゾーンでの暴走など、日本人から道徳観や倫理観なるものが欠落しつつあるのは事実だが。

共産主義思想にとっては宗教的な(個人的な)思想は有害無益だから、とことん、これを排除しようとする。武闘派だろうが穏健派だろうが、共産主義や社会主義とはそういうことになる。最初から崇高で高尚で志が高い思想なんだから、一般庶民はアレコレ考えるな!と最終的にはこうなる“運命”を内包した思想だと私は思っている。


宗教の無い日本で、人々が死を受け入れる為には、現代医療・医学は限界を持たず、全能であった方が良いと、ここで、一つの考え方に気づいたわけだが、、、

宗教が嫌いな政党や政治家は、『誰でも気軽に病院にアクセスできる』『平等に医療を受けられる』『とりあえず病院に行って診てもらう事が出来る。鼻水垂れただけでも』を至上のものとするなら、医療が宗教化するのを認めなきゃならない。心の拠り所とするならって事だ。

宗教化を認めないというのであれば、医療に限界があることを“言葉にして”国民に説明する義務が在ると思う。『(病院に)行っても結果は同じなんだから、手一杯で受け入れてもらえなかった事をうらみなさんなよ』と。


政権政党は、何かが起きれば、本当のことを言わなければならない。記者会見でマスコミが突っ込んでいる下らない“説明責任”の事じゃない。『出来ないものは出来ない』『やらなきゃならない事はやらなきゃならない』と言う事だ。本当の事を言うから、国民には“受け”が悪い。そこを突いて“奇麗事”を選挙対策にする野党のやり方は、、、、武士道に反する・・・と思うのだが。(最近、妻が“文楽”に嵌っていて色々とレクチャーしてくれるので、武士の生き方に共感している私なのです。)

そして、マスコミは自分達こそが真実を報道しないくせに、どっちつかずのポジションでイイコチャンぶり、『私こそが解っている』みたいに問題点を指摘するなっ!!てーの。

2007年07月24日

Telomere length, risk of coronary heart disease, and statin treatment in the West of Scotland Primary Prevention Study: a nested case-control study.

20070724_adam_eve_original_sin.jpgいつもいつも、スタチン系薬剤の事を NNT 100以上の薬だとボロクソに言っている私だが、これは、現在のスタチン投与開始時における判断が、ただ単に『コレステロール値が高い』だけで決定されている所にある。

コレステロールを高いまま6年間放置しても発病する人が100人に3人で、スタチンを服用すると100人中2人にまで減少する。だから発症予防効果33%だという、笑うに笑えない mega study なるエビデンス、最近ではこれを根拠に無益な投薬が繰り返えされる・・・・これが現実だ。(古代ギリシャではこれを詭弁と言い、現代では経営に多大なる貢献をしている)

しかし、それはスタチン系薬剤が悪いわけじゃなく、たくさん使ってもらおうとするメーカーの利益優先主義と、『儲けたい』という本音を隠しつつ国民の健康という錦の御旗を振りつづける医療機関と、薬を飲んでいれば病気にならないという神話に心の拠り所を求める大衆の、いわゆる“トリニティ(三位一体)”がなせる業だ。

そして、『どうせ国民には理解不能だろう』『俺達にも良くわかんないし』『製薬メーカーは大事なスポンサーだし』と言う理由で、今回のタイトルのような知見を大衆に知らせようとはしないマスコミがそれを助長する。今回、紹介する LANCET に掲載された論文は、スタチン系の NNT を50 (数字に意味は無い。小さいという象徴)に出来る内容かもしれないのに・・・・なのだ。

それは、『冠動脈疾患リスクとスタチン著効群をテロメア長で予測する』という、薬を飲ませる前に、その恩恵にあずかれる(副作用を防げる。飲まないんだから副作用は出ない)人を篩いにかけることが出来る検査についての内容だ。


そもそも、テロメアとは・・・・

 木に、おいしそうな実が付いていた。
 「ねえ、これ食べてみたい」
 「えー、だって食べちゃだめって言われただろ」
 「意気地なし。男でしょ」
 「関係ねーだろ」
 「じゃ、あたしが食べたら、あんたも食べなよ」
 「やめとけって」
 ふたりの声を聞きつけて、木の上から誰かが出てきた。
 「何、もめてんの、おふたりさん」
 「この実を食ようっていうのに、この人ったら叱られるのが怖いんだって」
 「怖いなんて言ってねーよ」
 「食べたらいいさ、オイラだって毎日食べてるから」
 「ホント?」
 「ああ、大丈夫さ。さあ、食べてみな」
 疑いもせず少女は実を取り、食べてみた。
 「おいしい」
 「マジ、大丈夫?」
 「ほんと、意気地なしなんだから、はい」
 言葉とは裏腹に、小首を傾げ、にこやかに少女は実を差し出した。
 かわいい。
 男の理性は、この程度で十分崩壊するのだ。
 手渡された実を少年は一口齧った。
 その途端。
 どこからともなく声が鳴り響いた。
 驚いた少年は喉に齧った実を詰まらせてしまった。
 「その実は食べるなと言っておいたはずだぞ。お前達は私との約束を破ったので、寿命を持ち、産む苦しみを知るだろう。そして、木の上のお前は、地面を這いずるがいい」
 木の上の何者かは、手も足も失い、地面を這いずって逃げて行った。
 蛇である。
 蛇に騙されたと知った少女は、それ以来、蛇を忌み嫌うようになった。
 少年は喉に詰まらせた実が瘤のようになった。
 喉仏である。
 そしてふたりは住んでいた園を追放された。


 この時に、テロメアが制限されたものと推測することは容易である。


 テロメラーゼを多く含む生物があるという。
 それは海洋生物であった。
 ある漁師の網にそれがかかっていた
 「これを食らえば不老不死になるそうだ」
 「本当かい、お前さん」
 「ああ、俺はお前にいつまでも若くいて欲しいからな、喰ってみろ」
 「何だか、気味が悪いよ」
 「でえじょうぶだって。なんなら俺が喰って見せっから」
 「じゃあ、一緒に」
 「よし、そうしよう」
 大ぶりの出刃で肉を切り取ると、ふたりは醤油に付けて食べた。
 やはり日本人には醤油が一番である。
 「結構、うめえな」
 「鰐みたいだね」
 鰐とは、今でいう鮫のことである。
 「な、大丈夫だ」
 「これで、本当に不老不死になるのかねえ」
 「すぐにゃあ解らねえさ」
 しかし、結果は意外と早く知ることが出来た。
 男は1年も経たないうちに全身に瘤が出来て死んだ。そして、女房は葬儀を済ますと、出家し、夫を供養し続けた。
 800年に渡って。
 それは、その比丘尼にとって、あの日網にかかった上半身が人で下半身が魚の肉を食べたことを後悔し続ける日々であった。


細胞核の中に染色体がある事はご存知だと思う。DNA の紐だ。ヒトの場合は46本に分かれている。この『分かれている』事を実現しているのがテロメアだ。

じゃ、別れてないとまずいのか?
ヒトが原始地球の頃から、一本のまま進化して今に至っているなら、分かれている必要はないけど、分かれている状態で進化して今があるから、分けれていないとマズイ。

じゃ、テロメアがなくなるとどうなるのか?
染色体1本1本の末端を保護しているのがテロメアだから、無くなると癒合したり架橋したりして、正常な機能と正常な細胞分裂が出来ずに死に至る。

ところで、テロメアは特殊な条件(テロメラーゼが発現している細胞)以外では、分裂を繰り返すたびに、ちょっとずつ短くなるように出来ている。だから、テロメアがなくなる時期が細胞の寿命・・・・。

生命現象に意味を持たせるのは文学や哲学の仕事だが、わかりやすくする為に敢えて現象に意味を与えるとすれば、DNA は日々紫外線や放射線や活性酸素などで破壊され、その遺伝情報も破壊される。通常は破壊された部分を修復する機構があるが、ちょっとずつ溜まった歪や修復しきれないほどの損傷を受けると異常な遺伝子が伝えられることになってしまう。このため、テロメアは、DNA の複製回数、即ち細胞の分裂回数を制限しており、その目的の為に存在しているとも言える。(免疫系による恒常性の維持は、また違う話なので、ここでは触れない)

そして特殊な条件と言えるがん細胞はテロメアを複製する酵素、テロメラーゼを使っていつまでも生きつづける。
実験で使われる HeLa(ヒーラ)細胞は、歴史上はじめて安定的に継代培養に成功したヒト細胞であり、子宮頸癌を患った Henrietta Lacksさんという一人の黒人女性から採取された細胞であるというのは知る人ぞ知る話。最近一般誌などでもよく目にし、捏造が発覚して韓国科学界や政界までもを揺るがした“幹細胞”も同じ理屈で限りなく分裂を続ける・・・。(精子の元も同様)


さて、現在までテロメアはどちらかというと、主に“がん”の分野で研究されてきたわけだが、“がん”以外でもテロメア長と寿命が正の相関関係にあること、精神的ストレスでテロメア長短縮が加速する事、テロメア長は出生時でも個体差があること、テロメア長とがん死には負の相関関係がある事、などが、報告されている。

大事なのは、みな、生まれた時に平等に同じ長さのテロメアを持っている訳じゃないということ!!

だから、テロメア長が長い人には、スタチン系は必要なく、テロメア長の短い人こそ、よりスタチンは必要だという事になる。この論文でもそのような事が書いてある。そして、老化しているから動脈硬化しやすくなっているって理由のほかに、スタチンが直接テロメア関連蛋白に影響を与えているとも書いてある。


症例を選ぶ為の根拠として、遺伝子診断が信頼できる内容になるまでの間、使えそうだと思うし、医療費を抑制したいなら、『ジェネリックに変更しろ』と言う前に、薬を飲む人を選別しろ!って言いたいんだけどね。


でも、、、、、本当に、テロメア長を測って、、、、っていうより、スタチン系がテロメア関連蛋白に影響を与えているとすれば、(ファルネシル酸とRasの話は置いといて・・・)ちょっと、まってよ!!!って事になる。NNT どころの話じゃない。

20070724_adam_eve.jpgテロメアは、アダムとイヴが林檎を食べてエデンの園を追い出されたの如く、禁断の領域だ。ONが良いのかOFFが良いのか?+が良いのか-が良いのか?陰が良いのか陽が良いのか?って事ではなく、そのバランスが大事で、タイミングと量が大事で、どの場所で発現するかが大事で、、、、と、人間が手を出せる領域では、まだまだ、ない!

そんなものに影響を与える薬を、コレステロールが高いだけで、安易に飲んで良いのか??(テロメア測って、ゼチーア飲ませるんなら、その点では良いけど)


と、ちょっと、神経質になってしまったが、まぁ、コレまでも人間は禁断の果実をむさぼり続けているんだから、いまさら・・・・・だよね。結果よければ、って事で、少なくてもテロメア弄って、長生きするかガンになるかを心配するより、目先のリスクを減少させられればそれで良しとするのが良いのかも。

だからこそ、飲まなくてもいい人に飲ませちゃいけないんだけどな。


気になる人は、読んでくだされ。

Telomere length, risk of coronary heart disease, and statin treatment in the West of Scotland Primary Prevention Study: a nested case-control study.


Summary

Background

Inter-individual differences in biological ageing could affect susceptibility to coronary heart disease. Our aim was to determine whether mean leucocyte telomere length is a predictor of the development of coronary heart disease.

Methods

We compared telomere lengths at recruitment in 484 individuals in the West of Scotland Primary Prevention Study (WOSCOPS) who went on to develop coronary heart disease events with those from 1058 matched controls who remained event free. We also investigated whether there was any association between telomere length and observed clinical benefit of statin treatment in WOSCOPS.

Findings

Mean telomere length decreased with age by 9% per decade (95% CI 3·6–14·1; p=0·001) in controls; much the same trend was seen in cases (−5·9% per decade, −3·1 to 14·1; p=0·1902). Individuals in the middle and the lowest tertiles of telomere length were more at risk of developing a coronary heart disease event than were individuals in the highest tertile (odds ratio [OR] for coronary heart disease: 1·51, 95% CI 1·15–1·98; p=0·0029 in the middle tertile; 1·44, 1·10–1·90, p=0·0090 in the lowest). In placebo-treated patients, the risk of coronary heart disease was almost double in those in the lower two tertiles of telomere length compared with those in the highest tertile (1·93, 1·33–2·80, p=0·0005 in the middle tertile; 1·94, 1·33–2·84, p=0·0006 in the lowest). By contrast, in patients treated with pravastatin, the increased risk with shorter telomeres was substantially attenuated (1·12, 0·75–1·69, p=0·5755 in the middle tertile; 1·02, 0·68–1·52, p=0·9380 in the lowest).

Interpretation

Mean leucocyte telomere length is a predictor of future coronary heart disease events in middle-aged, high-risk men and could identify individuals who would benefit most from statin treatment. Our findings lend support to the hypothesis that differences in biological ageing might contribute to the risk—and variability in age of onset—of coronary heart disease.

2007年07月28日

『わかっちゃいるけど』なのか?

20070727_smoking_kill.jpg『わかっちゃいるけど、やめられない』って、知ってるだけで分かってないんじゃないの?

■早期の死亡
こんな事を望む人はいない。

■疾患の原因
こんな事になるなら、積極的にはやらない。

なにも、喫煙だけに限った事ではないのだが、2005年のカナダの調査で、面白い事がわかった。これは、我々医療従事者の意識を問うものなのだが、、、、

カナダでは、外来診療を受けたことのある現在の喫煙者のうち、タバコを減らすか止めるようにという指導を受診時に受けた人が『誰から指導された?』に、、、
医師の指導は36%
薬剤師の指導は16%
だという。

日本ではどうなんだろう?(まぁ、日本薬剤師会が『タバコの販売は止めよう』なんて言い出したのは、ほんの1~2年前にだから、推して知るべしだが・・・)

ちなみに私は、患者さんから相談を受けて・・・という“パッシブモード”で禁煙指導(経験を踏まえたアドバイス)をしてます。だから、喫煙者への禁煙指導、数の上では・・・・16%にも満たないです。ハイ!


止めたくない人に、止めさせるのは・・・・・難しい。

何がむずかしいのか??

より頻回の禁煙指導が必要

提供:Medscape

2005年のカナダの調査において、過去12カ月間に外来診療を受けた者の中で約半数しか禁煙指導を受けていないことが明らかになった

Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News

【7月20日】医療従事者は禁煙指導をもっと頻繁に行う必要があることを明らかにした2005年のカナダの調査が、『Morbidity and Mortality Weekly Report』7月20日号に発表された。それによると、過去12カ月間に外来診療を受けた者の中で約半数しか禁煙指導を受けておらず、医療専門家は患者に禁煙教育を施す貴重な機会をみすみす失っていると考えられる。

「カナダにおける早期の死亡や疾患の原因として予防がもっとも容易なものがタバコである」とカナダ保健省タバコ対策プログラムのJ. Stevensonらが記述している。「カナダの喫煙率を25%から20%に下げることが、2001-2011年のカナダ連邦タバコ対策戦略(Canadian Federal Tobacco Control Strategy:FTCS)の目標の一つである。医療従事者との接触を通じて禁煙のための情報を喫煙者に提供する方法が有効かつ効率的であることは実証されているが、カナダには医療従事者からの禁煙指導の実態に関するデータがほとんどない」。

カナダ人タバコ使用状況調査が2005年2月から12月にかけて実施され、およそ20,800名の回答者からデータが集まった。この調査での質問項目のひとつが、調査の前12カ月間における医療専門家(医師、歯科医師・歯科衛生士、薬剤師)からの禁煙指導の提供に関するものであった。

過去12カ月間に医師の外来診療を受けたことのある現在の喫煙者のうち、タバコを減らすか止めるようにという指導を受診時に受けたと回答した者は51%であった。もっとも若年層(15-19歳)の喫煙者で禁煙指導を受けた者は38%しかいなかったが、この割合は年齢層が上がるにつれ上昇し、20-24歳の層では、医師からタバコを減らすか止めるようにという指導を受けた者の割合が男性は33%、女性は50%であった。

医師以外の医療専門家については、歯科医師・歯科衛生士からタバコを減らすか止めるようにという指導を受けたと回答した者が36%、薬剤師から指導を受けたと回答した者が16%であった。

「カナダの現在の喫煙者のうち88%が過去12カ月間に医療専門家に受診したことがあるが、そのうちタバコを減らすか止めるようにという指導を受けたと回答した者は半数しかいなかった」と関連解説記事が指摘している。「患者に対して禁煙指導を行い、禁煙の助けとなる情報を提供できる立場として、医療従事者に優るものはない。にもかかわらず、この調査分析の結果によれば、そうした機会の多くがみすみす失われていると考えられる。」

この調査の限界としては、電話以外による家族のサンプリングが行われていないこと、回答者が医療従事者の診療または指導を受ける頻度・時期・状況に関するデータがないこと、自身が喫煙者であることを回答者が医療従事者に申告したかどうかに関して質問されていないこと、一般受けバイアスや想起バイアスが起きやすい自己申告の信頼性、横断調査データのために因果関係の推論ができないこと、禁煙指導を施す医療従事者を過小評価している可能性があることが挙げられる。

「喫煙者は、複数の異なる分野の医療従事者から禁煙情報を提供され、支援を受けると禁煙する確率が増える」と解説記事は結論で述べている。「一部の医療従事者は禁煙への働きかけを自身の医療活動の中に盛り込んでいるのだが、今回の調査結果によれば、多くの医療従事者がそうした禁煙指導ができる機会をみすみす失っており、喫煙者はそうした指導を医療従事者に求めていないことが明らかになった。喫煙者を特定し、禁煙を奨励する実践ガイドラインがあれば、医療従事者から禁煙指導を受ける喫煙者の数を増やせるだろう」。


MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2007;56(28):708-712.

Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape


糖尿病でも興味深い調査がある。

それは、“シャバ”にいたら無理でも“ムショ”なら出来る治療法?って訳でもないんだけど、大方の予想を裏切らないっていうか、使用前・使用後のホリエモンの姿をテレビで見た人も多いと思うけど、『ああ、やっぱりね』って感じの結果だ。

その他の理由も考察しているけど、やっぱり『食べなきゃいい』って事だ。

でも、これが出来ないんだよね。『分かっちゃいるけど』・・・って、結局、わかってないんだけど!

糖尿病治すなら“塀の中”

2005年09月09日

 日本人の糖尿病患者の大多数を占める2型糖尿病。生活習慣の改善で血糖値をコントロールすることが大事だとわかってはいても、現実にそれを実行することはなかなか難しい。

 しかし、いやおうなしに健康的な生活を送らざるを得ない場所もある。それは刑務所だ。服役中に2型糖尿病患者の血糖値が著明に改善したというユニークな研究成果が、今年8月に秋田市で開催された第46回日本人間ドック学会学術大会で発表された。

 福島刑務所医務課の日向正光氏らは、1998~2004年に同刑務所に服役した男性の2型糖尿病受刑者109人について、医療記録を元に経過を追跡した。すると、空腹時血糖の平均値は、入所時184mg/dLだったものが出所前には113mg/dLに、またヘモグロビンA1cは入所時の8.4%が出所前は5.9%に、いずれも明らか(0.1%有意)に低下していた。ちなみに、受刑者の平均年齢は51歳で平均入所期間は17カ月。

 この結果、インスリンで治療していた17人のうち5人が注射をやめることができた。経口血糖治療薬で治療していた34人についても、17人が服薬を中止できたという。

 禁酒・禁煙はもちろん、規則正しい刑務所での生活が、血糖値の良好なコントロールにつながったことは容易に想像できる。体重やBMIの平均値も、やはり0.1%で有意に減少している。

 しかし、発表した日向氏は、受刑者の栄養摂取量が日本人の平均と同等以上であることや、運動量がそれほど多くはないことから、何か別の要因もあるのではないかと検討した。

 そして思い当たったのが、刑務所の主食が、今どき珍しい“麦飯”であることだ。米7麦3のご飯を毎日食べることで、食物繊維、とりわけ水溶性の食物繊維の摂取量が多くなり、糖代謝の改善につながったのではないかと考えた。日向氏によれば、受刑者は平均的日本人男性の2倍の食物繊維を摂取し、水溶性食物繊維に至っては、5倍も取っているという。

 日向氏は、「規則正しい生活習慣と麦飯などの高食物繊維食で、十分な糖尿病の治療効果がもたらされる可能性がある」として発表を締めくくった。これに対し座長は、「おもしろい研究だと思うが、難治性の糖尿病患者みんなに刑務所に入ってもらうわけにもいかない」と評し、会場からは笑いが起きていた。


参議院議員の選挙にあたり、いろんな政党の候補者が好き勝手なことを喋っているけど、いつも気になるのは、『誰もが、気軽に病院に行けるように・・・』だ。

全ての病気に治療が必要なら、この『誰もが、気軽に病院に行けるように・・・』は非常に重要な事なのだが、実態はそうじゃない。そうじゃない実態っていうのは“全ての病気には治療が必要な訳じゃない”と言う事だ。

こんなこと、『わかってるよ』って言うだろう!

でも、知ってるだけで、理解してないんじゃない?理解してれば『誰もが、気軽に病院に行けるように・・・』なんて事はいわないよね!それに知ってても『行く・行かない』の判断の根拠として使っていない知識に“病院はバイオハザードである”があると感じている。だから、軽軽しく気軽に病院になんて事を言うのだ。鼻水たらしただけで病院に行くなんて、わざわざ病気になりに行くようなもんじゃない?


さてさて、中国産の食品は食えたもんじゃないし、韓国からは“ごま油”って偽って変な薬品入りの油が輸入されてたり、牛肉が豚肉だったり(あっ、コレは安全か!)、日本産の牛肉が実は外国の牛肉だったりと、“食の安全”が脅かされている事を逆手にとって、『日本の皆さん、カロリー制限をしましょう』って言える候補者はいないのかねぇ!(バイオ・ハザードだから行くなとは、さすがに言えないわなぁ・・・)

そうすりゃ、医師不足も医療費増大もなにもかも、一気に解決するんだけどねぇ!だって、たった17ヶ月で、半数の糖尿病患者が治っちゃうんだよ!日本の何処の病院より凄いんじゃない?糖尿病でこれだから、高血圧、高脂質血症なんてのも、同様だよ。


話は横道にそれるが、私は基本的に糖尿病と高血圧、高脂質血症を一括りにする事には異論がある。高血圧、高脂質血症なんてのは、放って置いてもたかが知れてるし、その人にちょうど良い数値がある。コレステロール値を標準まで下げて横紋筋融解症が出現するのが良い証拠。その人には、その標準値から外れたコレステロール値が恒常性を維持する為に必要だったった事を表している。(治療薬の副作用の場合もあるだろうけど)

でも糖尿病は違う。生命にとってブドウ糖エネルギーの代謝は非常にクリティカルだと言う事だ。無治療はまずい。しかし、食わなきゃ良いってところが、この病気を安易に考えさせている原因でもある。『カロリー制限なんてやれば出来るよ』『明日からやるよ』みたいにね。で、食事制限せずに薬物治療に頼っちゃう。

これ、アクセル踏みながらブレーキ踏んでスピード調節してるってことなんだよね。体に負担が掛からない訳が無い。


閑話休題。逆に言えば、経済優先で社会を構築しようとする限り、諸々の問題は永遠に解決しないって真実が見えてくるわけだ。

そして、政治家の誰一人として、そんな事は言い出さない・・・・。原発を反対している政党ですら、『電力消費を“3丁目の夕日”の頃に戻しましょう。そうすれば、原発なんて必要ありません』って言わないもんなぁ。


医療機関の経営を考えたら、冬の時期なら『インフルエンザウイルスをばら撒いて、患者を大発生させたい』って思う。でも、これをやったら犯罪だ。

しかし、高カロリーの食品やタバコの販売に関しては“野放し”だ。

ユニークな遺伝子が原因で見かけ上の生活習慣病(高血圧、高脂質血症、糖尿病)の合併症のような循環器系疾患(ex:BMI が正常なのに心筋梗塞を発症する)を発症する人にはカロリー制限は意味が無いけど、ほとんどの人はこのカロリー制限が有効だ。(犯罪者にだけ有効とか言い出すヤツはいないだろうネ?)

だから、こんな“有害”なものを“野放し”なんて、インフルエンザウイルスをばら撒くのと同じくらい“非人道的”だとも考えられるんだけど、こんなことを言う候補者はいない。


ところで、最近、社民党の福島党首に同情を感じている。“地に落ちた”感がある故に“健気にがんばっている”感をかもし出しているからだろう。『なんで、こんなに支持率が低いの?』という刺激的な質問にも、作り笑いを絶やさずに『国民の皆様に地道に訴えて行きます』なんて・・・。共産党の志位さん至っては『共産党なんて名前が良くないんじゃない?』というこれまた刺激的な質問に、『マルクスの資本論、読んでほしいんですけどねぇ』と。『北朝鮮とは違います』と。

う~ん、この二つの政党は、わが道を行くって感じで、ある意味清清しい。共産主義者はキモイけど。(安曇野のちひろ美術館で見た共産党支持者の雑記長への書き込みのキモさは忘れられないのだ)

民主党の偽善党首は『生活が一番』とか言ってるだけだから“キモ”くはないかわりに、腹が立ってくる。『生活を変えましょう。あなたの生活習慣が生活の質の分かれ目です』とか言って欲しいわけだよ。本当に国民の事を考えてるんなら“苦言の一つ”も出てこなきゃおかしい。それとも、国民は好き勝手にやりたい放題で、尻拭いは民主党が全部やりますとでも言うのかね?

タバコを吸っていたが故に、ガンや心臓病で死んじゃった人が、幼児を抱える一家の大黒柱だったら、残された家族に対して、経済的にも精神的にも、民主党はサポート出来るっていうのか?

出来るわけないじゃん!だから、偽善者だっちゅーの!

愚かな国民の目から鱗を落として欲しい、、、、こういうの、期待しているだけに、余計、腹立たしいのかもしれない。リップサービスだけで、いざって時、結果的に何も出来ずに謝罪して“責任取る”しかしないのが見えてるからね。

ところで、私が何処に投票するか?それは秘密です。福島みずほチャンとこに同情票、一票?なんちゃって。

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