『わかっちゃいるけど、やめられない』って、知ってるだけで分かってないんじゃないの?
■早期の死亡
こんな事を望む人はいない。
■疾患の原因
こんな事になるなら、積極的にはやらない。
なにも、喫煙だけに限った事ではないのだが、2005年のカナダの調査で、面白い事がわかった。これは、我々医療従事者の意識を問うものなのだが、、、、
カナダでは、外来診療を受けたことのある現在の喫煙者のうち、タバコを減らすか止めるようにという指導を受診時に受けた人が『誰から指導された?』に、、、
医師の指導は36%
薬剤師の指導は16%
だという。
日本ではどうなんだろう?(まぁ、日本薬剤師会が『タバコの販売は止めよう』なんて言い出したのは、ほんの1~2年前にだから、推して知るべしだが・・・)
ちなみに私は、患者さんから相談を受けて・・・という“パッシブモード”で禁煙指導(経験を踏まえたアドバイス)をしてます。だから、喫煙者への禁煙指導、数の上では・・・・16%にも満たないです。ハイ!
止めたくない人に、止めさせるのは・・・・・難しい。
何がむずかしいのか??
より頻回の禁煙指導が必要
提供:Medscape
2005年のカナダの調査において、過去12カ月間に外来診療を受けた者の中で約半数しか禁煙指導を受けていないことが明らかになった
Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News
【7月20日】医療従事者は禁煙指導をもっと頻繁に行う必要があることを明らかにした2005年のカナダの調査が、『Morbidity and Mortality Weekly Report』7月20日号に発表された。それによると、過去12カ月間に外来診療を受けた者の中で約半数しか禁煙指導を受けておらず、医療専門家は患者に禁煙教育を施す貴重な機会をみすみす失っていると考えられる。
「カナダにおける早期の死亡や疾患の原因として予防がもっとも容易なものがタバコである」とカナダ保健省タバコ対策プログラムのJ. Stevensonらが記述している。「カナダの喫煙率を25%から20%に下げることが、2001-2011年のカナダ連邦タバコ対策戦略(Canadian Federal Tobacco Control Strategy:FTCS)の目標の一つである。医療従事者との接触を通じて禁煙のための情報を喫煙者に提供する方法が有効かつ効率的であることは実証されているが、カナダには医療従事者からの禁煙指導の実態に関するデータがほとんどない」。
カナダ人タバコ使用状況調査が2005年2月から12月にかけて実施され、およそ20,800名の回答者からデータが集まった。この調査での質問項目のひとつが、調査の前12カ月間における医療専門家(医師、歯科医師・歯科衛生士、薬剤師)からの禁煙指導の提供に関するものであった。
過去12カ月間に医師の外来診療を受けたことのある現在の喫煙者のうち、タバコを減らすか止めるようにという指導を受診時に受けたと回答した者は51%であった。もっとも若年層(15-19歳)の喫煙者で禁煙指導を受けた者は38%しかいなかったが、この割合は年齢層が上がるにつれ上昇し、20-24歳の層では、医師からタバコを減らすか止めるようにという指導を受けた者の割合が男性は33%、女性は50%であった。
医師以外の医療専門家については、歯科医師・歯科衛生士からタバコを減らすか止めるようにという指導を受けたと回答した者が36%、薬剤師から指導を受けたと回答した者が16%であった。
「カナダの現在の喫煙者のうち88%が過去12カ月間に医療専門家に受診したことがあるが、そのうちタバコを減らすか止めるようにという指導を受けたと回答した者は半数しかいなかった」と関連解説記事が指摘している。「患者に対して禁煙指導を行い、禁煙の助けとなる情報を提供できる立場として、医療従事者に優るものはない。にもかかわらず、この調査分析の結果によれば、そうした機会の多くがみすみす失われていると考えられる。」
この調査の限界としては、電話以外による家族のサンプリングが行われていないこと、回答者が医療従事者の診療または指導を受ける頻度・時期・状況に関するデータがないこと、自身が喫煙者であることを回答者が医療従事者に申告したかどうかに関して質問されていないこと、一般受けバイアスや想起バイアスが起きやすい自己申告の信頼性、横断調査データのために因果関係の推論ができないこと、禁煙指導を施す医療従事者を過小評価している可能性があることが挙げられる。
「喫煙者は、複数の異なる分野の医療従事者から禁煙情報を提供され、支援を受けると禁煙する確率が増える」と解説記事は結論で述べている。「一部の医療従事者は禁煙への働きかけを自身の医療活動の中に盛り込んでいるのだが、今回の調査結果によれば、多くの医療従事者がそうした禁煙指導ができる機会をみすみす失っており、喫煙者はそうした指導を医療従事者に求めていないことが明らかになった。喫煙者を特定し、禁煙を奨励する実践ガイドラインがあれば、医療従事者から禁煙指導を受ける喫煙者の数を増やせるだろう」。
MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2007;56(28):708-712.
Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape
糖尿病でも興味深い調査がある。
それは、“シャバ”にいたら無理でも“ムショ”なら出来る治療法?って訳でもないんだけど、大方の予想を裏切らないっていうか、使用前・使用後のホリエモンの姿をテレビで見た人も多いと思うけど、『ああ、やっぱりね』って感じの結果だ。
その他の理由も考察しているけど、やっぱり『食べなきゃいい』って事だ。
でも、これが出来ないんだよね。『分かっちゃいるけど』・・・って、結局、わかってないんだけど!
糖尿病治すなら“塀の中”
2005年09月09日
日本人の糖尿病患者の大多数を占める2型糖尿病。生活習慣の改善で血糖値をコントロールすることが大事だとわかってはいても、現実にそれを実行することはなかなか難しい。
しかし、いやおうなしに健康的な生活を送らざるを得ない場所もある。それは刑務所だ。服役中に2型糖尿病患者の血糖値が著明に改善したというユニークな研究成果が、今年8月に秋田市で開催された第46回日本人間ドック学会学術大会で発表された。
福島刑務所医務課の日向正光氏らは、1998~2004年に同刑務所に服役した男性の2型糖尿病受刑者109人について、医療記録を元に経過を追跡した。すると、空腹時血糖の平均値は、入所時184mg/dLだったものが出所前には113mg/dLに、またヘモグロビンA1cは入所時の8.4%が出所前は5.9%に、いずれも明らか(0.1%有意)に低下していた。ちなみに、受刑者の平均年齢は51歳で平均入所期間は17カ月。
この結果、インスリンで治療していた17人のうち5人が注射をやめることができた。経口血糖治療薬で治療していた34人についても、17人が服薬を中止できたという。
禁酒・禁煙はもちろん、規則正しい刑務所での生活が、血糖値の良好なコントロールにつながったことは容易に想像できる。体重やBMIの平均値も、やはり0.1%で有意に減少している。
しかし、発表した日向氏は、受刑者の栄養摂取量が日本人の平均と同等以上であることや、運動量がそれほど多くはないことから、何か別の要因もあるのではないかと検討した。
そして思い当たったのが、刑務所の主食が、今どき珍しい“麦飯”であることだ。米7麦3のご飯を毎日食べることで、食物繊維、とりわけ水溶性の食物繊維の摂取量が多くなり、糖代謝の改善につながったのではないかと考えた。日向氏によれば、受刑者は平均的日本人男性の2倍の食物繊維を摂取し、水溶性食物繊維に至っては、5倍も取っているという。
日向氏は、「規則正しい生活習慣と麦飯などの高食物繊維食で、十分な糖尿病の治療効果がもたらされる可能性がある」として発表を締めくくった。これに対し座長は、「おもしろい研究だと思うが、難治性の糖尿病患者みんなに刑務所に入ってもらうわけにもいかない」と評し、会場からは笑いが起きていた。
参議院議員の選挙にあたり、いろんな政党の候補者が好き勝手なことを喋っているけど、いつも気になるのは、『誰もが、気軽に病院に行けるように・・・』だ。
全ての病気に治療が必要なら、この『誰もが、気軽に病院に行けるように・・・』は非常に重要な事なのだが、実態はそうじゃない。そうじゃない実態っていうのは“全ての病気には治療が必要な訳じゃない”と言う事だ。
こんなこと、『わかってるよ』って言うだろう!
でも、知ってるだけで、理解してないんじゃない?理解してれば『誰もが、気軽に病院に行けるように・・・』なんて事はいわないよね!それに知ってても『行く・行かない』の判断の根拠として使っていない知識に“病院はバイオハザードである”があると感じている。だから、軽軽しく気軽に病院になんて事を言うのだ。鼻水たらしただけで病院に行くなんて、わざわざ病気になりに行くようなもんじゃない?
さてさて、中国産の食品は食えたもんじゃないし、韓国からは“ごま油”って偽って変な薬品入りの油が輸入されてたり、牛肉が豚肉だったり(あっ、コレは安全か!)、日本産の牛肉が実は外国の牛肉だったりと、“食の安全”が脅かされている事を逆手にとって、『日本の皆さん、カロリー制限をしましょう』って言える候補者はいないのかねぇ!(バイオ・ハザードだから行くなとは、さすがに言えないわなぁ・・・)
そうすりゃ、医師不足も医療費増大もなにもかも、一気に解決するんだけどねぇ!だって、たった17ヶ月で、半数の糖尿病患者が治っちゃうんだよ!日本の何処の病院より凄いんじゃない?糖尿病でこれだから、高血圧、高脂質血症なんてのも、同様だよ。
話は横道にそれるが、私は基本的に糖尿病と高血圧、高脂質血症を一括りにする事には異論がある。高血圧、高脂質血症なんてのは、放って置いてもたかが知れてるし、その人にちょうど良い数値がある。コレステロール値を標準まで下げて横紋筋融解症が出現するのが良い証拠。その人には、その標準値から外れたコレステロール値が恒常性を維持する為に必要だったった事を表している。(治療薬の副作用の場合もあるだろうけど)
でも糖尿病は違う。生命にとってブドウ糖エネルギーの代謝は非常にクリティカルだと言う事だ。無治療はまずい。しかし、食わなきゃ良いってところが、この病気を安易に考えさせている原因でもある。『カロリー制限なんてやれば出来るよ』『明日からやるよ』みたいにね。で、食事制限せずに薬物治療に頼っちゃう。
これ、アクセル踏みながらブレーキ踏んでスピード調節してるってことなんだよね。体に負担が掛からない訳が無い。
閑話休題。逆に言えば、経済優先で社会を構築しようとする限り、諸々の問題は永遠に解決しないって真実が見えてくるわけだ。
そして、政治家の誰一人として、そんな事は言い出さない・・・・。原発を反対している政党ですら、『電力消費を“3丁目の夕日”の頃に戻しましょう。そうすれば、原発なんて必要ありません』って言わないもんなぁ。
医療機関の経営を考えたら、冬の時期なら『インフルエンザウイルスをばら撒いて、患者を大発生させたい』って思う。でも、これをやったら犯罪だ。
しかし、高カロリーの食品やタバコの販売に関しては“野放し”だ。
ユニークな遺伝子が原因で見かけ上の生活習慣病(高血圧、高脂質血症、糖尿病)の合併症のような循環器系疾患(ex:BMI が正常なのに心筋梗塞を発症する)を発症する人にはカロリー制限は意味が無いけど、ほとんどの人はこのカロリー制限が有効だ。(犯罪者にだけ有効とか言い出すヤツはいないだろうネ?)
だから、こんな“有害”なものを“野放し”なんて、インフルエンザウイルスをばら撒くのと同じくらい“非人道的”だとも考えられるんだけど、こんなことを言う候補者はいない。
ところで、最近、社民党の福島党首に同情を感じている。“地に落ちた”感がある故に“健気にがんばっている”感をかもし出しているからだろう。『なんで、こんなに支持率が低いの?』という刺激的な質問にも、作り笑いを絶やさずに『国民の皆様に地道に訴えて行きます』なんて・・・。共産党の志位さん至っては『共産党なんて名前が良くないんじゃない?』というこれまた刺激的な質問に、『マルクスの資本論、読んでほしいんですけどねぇ』と。『北朝鮮とは違います』と。
う~ん、この二つの政党は、わが道を行くって感じで、ある意味清清しい。共産主義者はキモイけど。(安曇野のちひろ美術館で見た共産党支持者の雑記長への書き込みのキモさは忘れられないのだ)
民主党の偽善党首は『生活が一番』とか言ってるだけだから“キモ”くはないかわりに、腹が立ってくる。『生活を変えましょう。あなたの生活習慣が生活の質の分かれ目です』とか言って欲しいわけだよ。本当に国民の事を考えてるんなら“苦言の一つ”も出てこなきゃおかしい。それとも、国民は好き勝手にやりたい放題で、尻拭いは民主党が全部やりますとでも言うのかね?
タバコを吸っていたが故に、ガンや心臓病で死んじゃった人が、幼児を抱える一家の大黒柱だったら、残された家族に対して、経済的にも精神的にも、民主党はサポート出来るっていうのか?
出来るわけないじゃん!だから、偽善者だっちゅーの!
愚かな国民の目から鱗を落として欲しい、、、、こういうの、期待しているだけに、余計、腹立たしいのかもしれない。リップサービスだけで、いざって時、結果的に何も出来ずに謝罪して“責任取る”しかしないのが見えてるからね。
ところで、私が何処に投票するか?それは秘密です。福島みずほチャンとこに同情票、一票?なんちゃって。