« 2009年03月 | メイン | 2009年05月 »

2009年04月 アーカイブ

2009年04月10日

食餌療法とがん

20090410_diet_and_cancer.jpgマリンパの雑感には、ココログで提供してくれる“検索フレーズランキング”なるブログパーツが貼り付けてある。

前にも書いたかもしれないけど、これが『へぇ~っ』って感じで面白い。


---こんなフレーズが気になってるんだぁ---

---こんな事を気にしてる人、結構、いるんだなぁ---

と、私の予想とは裏腹なことが、いかに多いことか。


そんな中でも、ちょっとは、狙い通りなものもある。

それは“検索フレーズランキング”“人気記事ランキング”両方にランキングされている『花粉症に効く』というフレーズだ。

このタイトルをつけた時は、内容がショボイ事もあり、せめて人の目を引くだけでも・・・って狙ったのだった。


---案の定---


『花粉症に効く』に続き、ピンと来たのが今回のコレ!

生理:食餌療法とがん

Nature vol.458 (7239), (Apr 2009)

げっ歯類では食餌制限に抗がん作用があることがずっと以前から知られているが、一部の腫瘍がこの治療法に反応するかどうかを決める分子機序については、意外にもほとんど知られていない。

N KalaanyとD Sabatiniは、ヒトのある種のがん細胞系をマウスで異種移植腫瘍として増殖させると、食餌制限による腫瘍増殖抑制効果に極めて高い感受性を示すが、ほかの系では抵抗性がみられることを報告している。

腫瘍の感受性の違いの原因は、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)/Aktシグナル伝達経路の活性化状態であることが、今回明らかになった。

したがって、この経路の状態は、どの腫瘍が食餌制限を模倣した治療に反応するかを予測するのに使えるかもしれない。


Articles p.725

News and Views p.713


『花粉症に効く』もそうだけど、『食餌療法とがん』もいかにも、そこに“簡単な答え”がありそうな気にさせてくれるフレーズだ。

そうなのだ。

大衆の気を引くためには、“簡単な答え”がありそうって事が大事なのだ。


がん治療に“食事療法”があるのか???

この Nature vol.458 に掲載された論文は、そんな事は一言も言ってないんだけど、オンラインサイトでの、要約に付けられたタイトルがそうなんだから仕方が無い。

私の責任ではない。

・・・・・・って、まてよ!

天下の Nature でも、ネットの世界では、閲覧数を気にするものなのか??

だって、タイトルが『食餌療法とがん』だぜっ。

内容は『PI3Kが活性化した腫瘍は食餌制限に抵抗性を示す』って事だ。ヒトで応用可能だとして、がん細胞をそのヒトから取り出し、PI3K の活性化の状態を調べる。活性化状態が高ければ、食事制限は、意味が無い・・・・ってことだろう。


でも、『食餌療法とがん』で検索して訪れる人は、こんな事を知りたいのではなく、『何を食べたら、或いは、何を制限すれば、私の○○がんは治るの?』って事なんじゃないかな。

がんに罹患している人に対して『“簡単な答え”を求めてるだけ・・・・』なんて事は言えないけれど、そんな安直な方法なんてこの世に存在しないって事を、知らせてあげられなかった医療従事者の責任は・・・・・・重い・・・・・・。
 
 
 
話は変わるが、4月10日付けの《薬事日報》の一面には、岐阜大学病院の専門薬剤師に資格手当てが支給されることになったとあった。

その理由は、がん化学療法に積極的に関わった結果、医師や看護師の業務量が軽減され、患者数が増加し、結果として医業収入が増加した・・・・・からだそうだ。

人件費の原資は、当然、収入増に寄らなければならないけれど、なんだか、悲しいのは私だけだろうか??

がん専門薬剤師って名前がありながら、がんの薬物治療成績向上に、直接、関わった事が評価されたわけじゃない・・・・・。

【全国で初めて導入】
【医業収益増エビデンス認められ】

一体、専門薬剤師の“専門”って・・・・・・。
 
 
 
閑話休題。がんの薬物治療成績向上に直接関わりたくて、がん専門薬剤師って資格?を取ったんだろう。だから、たとえば、その薬剤師が転職することになったとして、『専門薬剤師募集』の広告文字に吸い寄せられて行ってはみたものの、その実態は医師や看護師の業務量が軽減が目的だった、、、、ってのは、どうなんだろう?


『食餌療法とがん』ってタイトルに、「そこに行けば、なにか、簡単な答えがあるんじゃないのか?」と思う人がた。

実際、訪れてみたものの、欲しい情報はそこには無かった。


日本病院薬剤師会の会長が『大きな一歩』とコメントしているそうだが、心の奥にある心境は、、、、、?


いやいや、お金が大事なのは、十分、承知しているんだけど・・・・・それに、、、そんなことより、もっと前に、、、


がん治療に「夢のような治療法は存在しない」、「食事療法が“効く”のは特定の体質の人」、「同じがんでも原因は十人十色」、「治る人は何もしなくても治り、治らない人は何をしても治らない」って事をがん患者さんにわかってもらう役割は、今の制度の下では誰がするんだろう?主治医は当然だとして・・・・・?

誰だって、こんなことはやりたくない。ならば、他の“がん専門”って肩書きを付けた医療職の人間がやれば、少しは話を聞いてくれるんじゃないのか?

きれいな場所から、クヂの一つも届かない立ち位置で、「患者の為」とか「医療の向上」を訴えても、心に響かないんだよねぇ。

企業で言えば、解雇通告をする人事担当者みたいな役回りを、率先してやってこそ、医療職の仲間だって認められるんじゃないのかなぁ、薬剤師は!?

ねぇ!専門薬剤師さん達っ!?

2009年04月22日

進化論から見たカレー毒物混入事件の判決

20090422_arsenic_curry.jpg「4枚のカード問題」というのをご存知だろうか?

進化心理学のパイオニアである Leda Cosmides による“新しい解釈”を知った時、私は、私自身の【ルールを無視する奴に対して沸き起こる嫌悪感】を説明するのに、『これ以上のものは無いっ!!』って感じで、膝を打ったものだ。

ポイントは互恵的利他行動。
・これは抜け駆け個体が多いと進化しない。
・抜け駆け個体に対しては利他行動をしないように、そいつを見抜く能力が進化。
・脳に専用のモジュールがある(かも)。

ルールを守るということは、自分にとれば行動が制限されたり我慢しなきゃならないわけで、それは他人の為の行動、すなわち利他行動と考えられる。それを“お互い様”にすることで自分の生活圏から得られる利益が向上する。すなわち「情けは人のためならず」でルールを守る行動は互恵的利他行動とみなせる。

ルールを守らない“奴”に対して“嫌悪感”を抱く為だけに、脳にモジュールが存在しているのだから、人は、電車の中で携帯電話で通話する奴に“嫌悪感”を抱くのだ。

脳に専用のモジュールがあるかどうかについては議論の余地があるようだが、私は研究者じゃないので、細かいことはどうでもよい。そして、“本能”という言葉の定義に違和感がある人もいるかもしれないけれど、この“嫌悪感”は本能と言っても差し支えないのでは、、、と思っている。


巷では、携帯電話使用を注意する人を、「心が狭い」とかなんとか言って、逆に中傷する人がいるが、自分の無知無教養をさらけ出しているようなもんだ。「心が広い」「心が狭い」の問題じゃないし、しちゃいけないんだよね。それこそ、問題のすり替えだ。

ルールを守らない人に抱く嫌悪感は本能なのだからね。


というわけで、カレー毒物混入事件の判決。

本日の朝刊はどこでも一面の扱いだろう。判決理由は蓋を開けてみれば“当たり前”の事なんだけど、昨日の判決が出る前の時点では、ワイドショーなどは“動機”がわからないから、判決は微妙・・・・みたいな論調で出演者に語らせてたりした。

私は、この“動機”を重要視する(させる?)マスコミのスタンスには“嫌悪感”を感じていた。

・・・が、今朝の朝刊で、「動機が解明されていないことは、被告人が同事件の犯人であるとの認定を左右するものではない」という論拠が示され、溜飲を下げたのだ。


法律(ルール)は、そもそも、ヒトが互恵的利他行動をするにあたって、恩恵だけを受け取り利他行動しない“ズルい奴”を探し出し、自身の利益を損なわないようにする・・・という、生き物の本能から発したものだと考えられる。

だとしたら、利他行動をしない“理由(動機)”はどうあれ、そいつに対して“嫌悪感”を感じるのは生物として“当然”で、そいつを仲間はずれ(村八分)にするのも生物として“当然”だ。

最終的に、そこで、“ズルい奴”の生命は絶たれる。うまくいけば生きながらえて遺伝子(子孫)を残せるかもしれないけれど。。。。

文明後の人間の間では、“ズルい奴”にも罰を与えることで、仲間に引き戻す、すなわち、更正の機会を与えるのだが、別に“ズルい奴”の動機は問う必要は本来はない。とにかく、“ズル”をすれば(ルールを守らねば)報いがあるってだけで、目的は達せられるのだから。(最近は、法学・法律が一人歩きしている感がある。刑法第39条を含めて・・・)


カレー毒物混入事件の被告人は、生物としての単純なルールに裁かれたと理解した。

マスコミが「動機、動機」と騒ぎたて、「裁判員になったら、あなたはどう判断する?」なんて方向は、別な意図を感じてしまう。

「感情に流されてはいけない。理性的に考えなければならない」などという人がいるが、人間の理性的な判断というもの実態を知らない無知な人の言葉だと言わざるを得ない。

そんな人には、『生存する脳―心と脳と身体の神秘』(アントニオ・R. ダマシオ著)を読むことを薦めよう。理性的な判断をするために、どれだけ感情が重要なのかがわかるだろう。


私は、裁判員になった時には、本能が“嫌悪感”を発したら「死刑」を選択する事には躊躇しないだろう。そして、その判断には不安は無い。。。。。と思う。

2009年04月24日

まつげエクステはイタイですか?

20090425_LATISSE.jpgMSNは、私の IE8.0 のホームになっている。いわゆるデフォのポータルサイトってヤツだ。特に理由があるわけじゃなく、IE をインストールすると、デフォで MSN だからなのだが。

でも、これって、つけっ放しのテレビみたいに、ほとんどテレビを見ない私にとって、貴重な情報源でもある。何の情報って?そりゃ、芸能やその他、若い子と話を合わせるため・・・・。

で、本日は、朝から焦ったわけで・・・・・、何が焦ったのかと言うと、老眼が始まってることを自分の中で“消化”しなきゃならなくなった時と同じで、日本語なのに意味がよくわからない・・・・・・。


『三十路で目ヂカラ低下ギミ
  まつげエクステはイタイですか?』


こんな見出しが、トップに躍っていたのです。

ここ(マリンパの雑感)を訪れてくださる方々で、私と同年齢の方々にお聞きしたいのだが、これ、何のことなのか、パッと見てわかりますか?(逆さまつげのことかな?って思ったアナタ・・・フフフ!ナイスです)

私は、わからなかったので、思わずクリックしちゃったわけです。そしたら、、、、、


・・・・エクステンションのことを、若い子達は“エクステ”と言うらしいです。まぁ、省略言葉が解らなくても良いんだけど、、、、、と強がってみたものの、癪に障るので、、、

おじさんはもっと凄いもの知ってるもんねぇ、、と自慢しないではいられないわけです。

それが『LATISSE』。(上の写真参照)

コレ、なんたって、まつげ生え薬なんだから。どうだっ!まいったかぁ!!

元は緑内障治療の PG (プロスタグランディン) 製剤。副作用でまつげが伸びちゃったんで・・・・・。だから、まつげ生え薬として、、、いやいや、本物の薬で、FDA で認可されてるし。。。。

まっ、おじさんは薬の専門家だからねぇ!

と、これで、若い女の子から羨望のまなざしを向けられること、間違いなし!
若い女性 MR の方々からも・・・・・・。

ワハハハハ・・・・・ハァ。


だけど、世の中の女性にとっては、まつげの長さってのは大事なんだろうなぁ!気にしてるのは、日本だけじゃないんだから。


20090425-09-gtr.jpgところで、私なんぞ、今、コレが気になってショウガナイ。それは、R35 GT-R '09モデルキットだ。

とあるブログでは、「'07、'08モデル乗りは、'09モデルには乗っちゃいけない」とまで書いてある。それほど、'07、'08モデルと'09モデルでは足が違うらしい。

で、その09モデルに使用しているスプリングやショックアブソーバー、フロントトランスバースリンクブッシュが販売される事になったのだ。

'07年モデル 定価666,000円
'08年モデル 定価631,200円

だから、私の場合は631,200円で手に入る・・・・・・

・・・・・・・欲しい・・・・・・・。


でも、女性から見れば、私がこんなものを欲しがっているのは、気が知れないんだろうなぁって思ったら、なんか、一人で笑ってしまった。

しかも、とても、空しい。。。。

ネットの情報がなければ、、、あんな情報も、こんな事も、、、、

About 2009年04月

2009年04月にブログ「WebMaster's impressions」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2009年03月です。

次のアーカイブは2009年05月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.37