FasLの非アポトーシス作用
このタイトルに、ギョっとした方もいるのではないだろうか?私も、『ギョ』っとなった。
Fas のリガンドに、アポトーシス誘導以外の作用があるなんて!!
・・・・これは、とりもなおさず、Fas 自体に、そのようなシグナルを伝達する経路が存在していたという事だ。あるいは、経路を共用していた。。。。。
喩えれば、ゴルゴ13 がターゲットに向けて放った銃弾が、相手(場合)によっては致命傷にならず、それどころか“益々血気盛ん”になってしまう・・・・・みたいな現象だ!
細胞:FasLの非アポトーシス作用Nature 461, 7264 (Oct 2009)
細胞膜貫通タンパク質であるFasL(Fas ligand)は腫瘍壊死因子ファミリーに属し、免疫調節で主要な役割を担っている。
FasLがその受容体に結合するとアポトーシスが誘導されるが、FasLの細胞機能の中で細胞死がどの程度重要なのかは明らかになっていない。
今回、分泌型FasLは欠くが膜結合型FasLの発現は正常であるマウス、あるいは膜結合型FasLは欠くが分泌型FasLは産生するマウスを遺伝子ターゲッティングにより作製して実験が行われ、可溶性FasLがアポトーシスとは無関係の機構で自己免疫と腫瘍形成を促進することが示された。
Letters to Nature p.659
進化論的に見りゃ、妊娠中、妊婦の血糖値が上昇するのは、太陽が東から昇るが如く、生理的だ。胎児は自分への栄養を多くする為に、母親の血糖値を上昇させる。。。胎児側の因子が、母体のインスリン抵抗性を惹起させるのだ。。。。。
その為に、胎児はすくすく成長するわけだが、、、、産後の栄養管理が行き届いた現代では、胎児がすくすく育つ事は、デメリットとして考えられるようになった。
論文中にある『しかし、胎児の過成長、肩甲難産、帝王切開、高血圧性疾患のリスクは減少した。』と言う言葉が如実に表している。。。。。
私は、このような状態を積極的に治療することが、はたして良い事なのか疑問に感じているのだが、、、、、
(小学5年生で自殺しなければならない子供を生み出す社会環境は、こんな所から始まっているのかも?本来なら淘汰されていた脆弱な子供が生まれる。生まれた後も過剰な介入。子供のささいな喧嘩に介入する教師も教師だが、それを問題にする親も親。虐められた子供の親の過剰な反応が教師の過剰な反応を誘導する。もしくはサボタージュを誘導する。世の中のすべてが、現象に過剰に介入しすぎるように思うのだが・・・・妊娠や老化に介入する・・・・良い事なの??そういゃ~、万引きした子供の親の中には、万引き出来ないようなシステムを作っていなかった店が悪いという輩がいるらしい。。。。妊娠中の高血糖が悪い事だというのに、少し似ている・・・・かなっ?)
軽度妊娠糖尿病に対する治療の多施設共同無作為化試験A Multicenter, Randomized Trial of Treatment for Mild Gestational Diabetes
M.B. Landon and others
背 景軽度妊娠糖尿病に治療を行うことで、妊娠の転帰が改善されるかどうかは明らかでない。
方 法妊娠 24~31 週で、軽度妊娠糖尿病の基準(経口ブドウ糖負荷試験で異常を認めるが、空腹時血糖値は 95 mg/dL [5.3 mmol/L] 未満)を満たす女性を、通常の出生前ケアを行う群(対照群)と、食事療法・血糖値の自己測定・必要に応じてインスリン治療を行う群(治療群)に無作為に割り付けた。主要転帰は、死産または周産期死亡と、高ビリルビン血症、低血糖症、高インスリン血症、分娩外傷を含む新生児合併症の複合転帰とした。
結 果958 例のうち、485 例を治療群、473 例を対照群に無作為に割り付けた。複合転帰の頻度に両群間で有意差は認められなかった(治療群 32.4%、対照群 37.0%、P=0.14)。周産期死亡はなかった。しかし、治療群では、対照群と比較して事前に規定した副次的転帰のうち、平均出生体重(3,302 g 対 3,408 g)、新生児脂肪量(427 g 対 464 g)、妊娠期間に比べて体重の重い新生児の割合(7.1% 対 14.5%)、出生体重が 4,000 g を超える新生児の割合(5.9% 対 14.3%)、肩甲難産の割合(1.5% 対 4.0%)、帝王切開の割合(26.9% 対 33.8%)が有意に減少した。また、妊娠糖尿病に対する治療の実施は、通常ケアと比較して、妊娠高血圧腎症と妊娠高血圧の発症率低下にも関連していた(2 つの複合発症率 8.6% 対 13.6%、P=0.01)。
結 論軽度妊娠糖尿病に治療を行っても、死産や周産期死亡、新生児合併症を含む複合転帰の頻度に有意な低下はみられなかった。しかし、胎児の過成長、肩甲難産、帝王切開、高血圧性疾患のリスクは減少した。(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00069576)
(N Engl J Med 2009; 361 : 1339 - 48.)
(C)2009 Massachusetts Medical Society.
インフルエンザの予防接種の案内が65歳以上の人を対象に届いている。私の母親のところにも届いた。色々と記入するところが多く、ブツブツ文句を言いながら書いている。
『効果あるのかなぁ?』と母
これに答えるには、ワクチンの投与経路により誘導される抗体の違いから始めなくてはならない。。。。いつもの事だが、説明が面倒(どうせ理解されない)なので・・・。
『やってみなきゃ、わかんないよ』と私。
巷でも、私の母同様、疑問に思っている人は多いだろう。
政府、行政、専門家・・・・・彼らの答えは、、、、ハッキリ言って、韻文調で“心に訴える答え方”なんだよなぁと感じる。
理論的に知性に訴える説明じゃない。
それが証拠に、筋注での投与では IgG クラスが誘導されるだけだから、感染予防には効果は無い。ただ、発症するかどうかは、産生される IgG の量による。量は体質とその時の環境によって決まる。。。。とは説明しない。
吸入(現在、開発中)ワクチンなら、インフルエンザウイルスの人体への侵入経路である粘膜面に分泌型 IgA が誘導されるから、この量が十分なら、文字通り感染が予防される事になるのだが・・・・・。
ポリオは感染経路通りにちゃんと飲ませてるのにねっ。(でも、ロジカルな説明はなされてるのかなぁ?お母さん方はしってるの?何故、注射じゃないのか?あっ、下手に説明しとくと、インフルエンザの時、困っちゃう?喉や気管から入るのに、どうして注射なんだ?ってやぶへび?)
ところで、感染の予防と発症の予防、、、、違いを理解している庶民はいるのだろうか?
新聞などでは、『発病しても重症化しない』と書いてある。まさに IgG が十分にあれば、サイトカインストームが惹起される体質の人を除いては、重症化しない。正しい事を書いてはいるのだが、、、、、語数制限しちゃイケナイよねぇ!理論的な話をする時には!
専門家じゃなくても話せばわかる教養のある人はいるはずなのに、ロジカルな説明がなされないのは、理解不能な人にレベルを合わせているからだろう。
これって、、、、、やっぱり、、、、宗教、、、それも仏教なら大乗仏教・・・だっ!
私が、常々、感じている“現代医療と宗教の類似性”は、こんな所から来ているのかしれない。
世の中(庶民)のコンセンサスでは、「血糖値が高い事は悪い事だ!」がある。
IIf "状態" ne "妊娠" {
print "「血糖値が高い事は悪い事だ!」"\n;
} else {
print "「血糖値が高い事は胎児には良い事だ!」"\n;
}
は、庶民には難しい!
ならば、すくすく成長する事も“悪い事=リスク”にしちゃえば、簡単!!
私の言う事を聞いていれば、幸せになれますよ!!
なみあむだぶつ(念仏)
ほうれんげきょう(題目)
おおっ!!
ゴルゴ13 のターゲットのターゲットのように、人体のナゾは、まだまだ深い。
医療で心に訴えるお話してどおすんだ?ってのが私のスタンスなんだけど、心に語りかけて欲しい人(患者)が多いのなら、『なるようにしか、ならねぇよ』じゃ救われないってのも、理解は出来る。
一体、私は、なにをしたいんだろう???
業界紙をみれば、薬剤師学術大会でどっかのバカが“これからの薬剤師”の仕事のやり方を蕩蕩とといているらしい。自分らで“患者に良かれ”と思ったことを押し付けてるわけだ。そんな事、望んじゃない患者だって多いのに。
これだって、『私に任せれば・・・・』だ。宗教だよ。
やっている事をサイエンスにしたいなら、サイエンスは“残酷”だという事を理解しなきゃ!価値観を押し付けて、私に任せなさいっ・・・・は、牧師や坊主の仕事だろう!!
・・・・・だけと、最近、お坊さんか牧師さんになりたい私。。。。。分子生物学は趣味にしたい。。。。。もう、すでに、趣味かっ!
(。_゜)☆\(ーー;)バキッ