アルツハイマー治療の周辺に新キャラクター登場?
EphB2受容体について、本日、Nature Japan ホームページを覗いて、『フーンっ!』。
いや、全く知らなかったから。この受容体。で、早速、調べてみたのね。そしたら、、、、アルツハイマーとの関連で Hit するのって、、、、、ないっ!(アルツハイマーと関係の無いところではチラホラ見かける。脳神経の分野なんかで)
個人のブログでは、Office Oh!NO でも勝手にお気に入りリンクを貼らせてもらっている“内科開業医のお勉強日記”さんが、2010年11月末に取り上げているだけだ。
このお医者さんは「EphB2は、受容体とともに酵素としての役割をもつ、coolな分子であり、、」と、評している。。。う~ん、“coolな”って使いどころが、カッコイイですねぇ!!
で、私が『フーンっ!』となった論文は、、、、、(要旨だけ引用します)これ。
医学:記憶障害の一要因であるEphB2Nature 469, 7328 (Jan 2011)
EphB2受容体がアルツハイマー病にかかわることは、関連解析により以前から示されている。
この受容体は、さまざまな生物学的機能を調節するチロシンキナーゼ型受容体の大きなファミリーの1つに属しており、アルツハイマー病でのその役割はまだ解明されていない。
今回Cisséたちは、アミロイドβオリゴマーがEphB2と相互作用して、その分解を引き起こすことを明らかにしている。
EphB2はNMDA型グルタミン酸受容体を調節していて、正常マウスでEphB2が大幅に減少するとNMDAR電流が弱まり、長期増強が障害される。
NMDAR電流と長期増強は共に記憶形成に重要である。
アルツハイマー病のマウスモデルの1つでEphB2レベルを高めると記憶が改善されることから、アルツハイマー病ではEphB2の濃度あるいは機能の増強が治療に有効となるかもしれない。
Articles p.47
News and Views p.44
うんうん、確かに、《アミロイドβオリゴマーがEphB2と相互作用して、その分解を引き起こす》って書いてある。
一粒で二度おいしい・・・・・って覚えとくとイイカモ!(ホントは、二度だけじゃないんだよねぇ。生命現象って、冗長で多重で、、、、、)
さて、武田薬品工業の MR 氏が、新年の挨拶にやってきたとき、、、、
「今年は、なんか、新薬出んのか?」
「ハイ、アルツハイマーのが」
「おおっ!なんか、画期的なヤツ、あったっけ?オタク?」
「いえ、アセチルコリンってヤツっす」
「なぁ~んだ。まだ、そんなのだすんだぁ」
とはいえ、武田薬品工業の台所事情は厳しいらしい。私は、個人的にジェネリック否定派(ブランドを変えろってのは、間違ってる。最初からジェネリックでコントロールするのは、肯定するけど)だから、ゾロ対策の為の“配合剤”は、部分肯定だ。
最近、健保組合が「薬を変えろ!許可しない医師がいたら、病院変えろ」と、文書を配信しているらしい。
この、“くそったれ”な作戦に対抗するには、配合剤しかない!(正月早々、しかも、今年初のエントリーなのに、下品な表現ですねぇ・・・)
「この薬には、ジェネリックは無いんですよねぇ」って。。。。言えるじゃん。くそったれにはくそったれな作戦で、、ってこと。
おっと、脱線。
だから、MR 氏に、「どんどん、配合剤、だしちゃって」と。
でも、アクトスとネシーナの配合剤は、、、、当局に、放置プレーされてるらしい。。。かわいそうに。。。。。。
と、こんな調子で、ブログ書初めです。
で、Nature 新年号で、もひとつ、オモシレェなぁってのが、、、、コレ。この擬態に関しての論文。
たしかに、みんなが擬態しちゃったら、捕食者は絶滅しちゃう。そうすると数が増えすぎちゃう。擬態して生き延びた種は、、、、、、だから、、、、
うまく出来てるね。世の中。
種が違っても、同じような姿形になるのは、エボデボの理屈。毒を持っているもの同士が似た色彩になるのが、ミュラー型擬態。
政治・外交も同じだね。一方的な“自虐的態度”じゃ、共存すら出来ないんだよ!引くところは引き、押すところは押し、騙すときには騙す。
ということで、菅さん、期待してますよ! まず、官房長官と国家公安委員長は、、、変えなくっちゃ。
進化:擬態する被食種どうしは距離を置くNature 469, 7328 (Jan 2011)
Credit: Martin I Taylorミュラー型擬態種は、被食者になりうるが有毒あるいは食味が悪いことを明示・警告している種群を指しており、これらの種は近縁でないにもかかわらず類似した警告色を進化させて共通の捕食者の食欲を減退させ、数の力で生き残っていこうとする。
しかし、競争的排除が1つの擬態種に有利に働いて他種を犠牲にすると予想される場合、こうした擬態の効果が多種共存を維持するのに十分かどうかは、よくわかっていない。
M Taylorたちは、種の豊富な熱帯産ナマズの分類群にみられるミュラー型擬態を調べて、この問題に取り組んだ。
形態計測および安定同位体による分析の結果、擬態種どうしが同一のニッチを占めることはなく、資源を巡る種間の直接的な競争がないために多種共存が可能だと説明できることがわかった。
Letters to Nature p.84
News and Views p.41