非標準的な経路(Noncanonical Pathway)
僕は、毎朝、砂時計を見ている。正確に言うなら、木曜日と日曜、祝祭日を除いてだが。砂粒がガラスで出来た細い部分を通過する姿を、その後ろからの視点で眺めているのだ。偶然、何かの拍子にガラスの壁面に付着している1~2粒の砂粒、それが僕が落ちていく砂粒たちを眺める位置だ。
砂粒は、毎回、同じ時間をかけて、その細い通路に吸い込まれていく。毎日、僕は、偶然にも、ガラス壁面に付着し、そして、流れ込む砂粒たちを眺めている。
彼らは、先を争うように、そして、無駄なスペースを空けることもなく、毎日毎日、規則正しく、その細い通路に雪崩込んでいく。
・・・・・と、村上春樹風に書き出してみました。
いや、ほんと、毎日、見てるんだよね。この風景。今日も同じものを見ていた。
そう、みなさんは、だいたい察しはついたかもね、、、、私は、集団で落ちていく砂粒にはなれない性格で、壁面に付着する性質だということが。なんのメタファーかは、おいといて、、、、、
さて、---スゲェ、びっくり!!---
ってなことを、ここんところ、ビックリした時に、リアルタイムで書けなくなっている。理由は簡単なこと。仕事が忙しいからだ。。。。いや、忙しいというのは、正確ではない。時間は作ろうと思えば、作れるからだ。
どちらかというと、そっちに没頭することが、やってて楽しいからかもしれない。
そういう仕事がない期間は、やることもないし、日常の感じたままを、このブログに書きなぐることで、ストレスを発散させているわけだが、そっちをやってる時は、世の中に対する不満なんかは、感じなくなっちゃう。
いつだったか、野田総理が、消費税だけじゃなく「相続税も増税だ」って言ってるのを聞いた時には、「あっ、こいつはバリバリの共産主義者だな。庶民を低い次元で平等=均質化して、そして、指導者層が庶民に施すことを理想的な社会であるって考える奴だ」って感じたことがあった。
そんな時は、今までだったら、理屈と屁理屈をこねまわし、民主党をこき下ろしてたところなんだけど、最近じゃ、、、違う。
---まぁ、いいや、なるようにしかなんないし---
みたいに、すぐなっちゃう。怒りが持続しないのだ。文章を書くモチベーションが持続しない・・・・・まるで、ハングリーさを失ったボクサーみたいなもんだ。
というわけで、、、この Science 誌の論文、、、真核生物と原核生物の転写の違いを知っている人には、驚きの内容なんだけど、、、、その一点だけで、facebook にこんなことを呟いちゃったりしたのだった。。。
教科書的には、自己を構成するタンパクと反応する TCR をもつ T 細胞レパートリーを削除、もしくはアネルギー化出来ないことが、自己免疫疾患の原因だとされるけど、この論文によると、なんらかの理由で、CUGによって開始されるORFで翻訳される自己タンパクがあれば、自己免疫になっちゃう可能性があることになる。臨床的に観察される“感染症後の自己免疫疾患発症”は、感染微生物の産生するなんらかのタンパクが、古典的なAUGによって開始されるORFにより翻訳される自己タンパクをモディアフイするんだと思ってたんだけど、、、、翻訳開始位置を変更する・・・・って機序も考えられるのか!!!!!
ってか、翻訳開始位置が、AUG 以外にあったなんて、、、青天の霹靂!!最近サボってるブログ更新のネタになるな!!
Leucine-tRNA Initiates at CUG Start Codons for Protein Synthesis and Presentation by MHC Class I
Abstract
Effective immune surveillance by cytotoxic T cells requires newly synthesized polypeptides for presentation by major histocompatibility complex (MHC) class I molecules. These polypeptides are produced not only from conventional AUG-initiated, but also from cryptic non–AUG-initiated, reading frames by distinct translational mechanisms. Biochemical analysis of ribosomal initiation complexes at CUG versus AUG initiation codons revealed that cells use an elongator leucine-bound transfer RNA (Leu-tRNA) to initiate translation at cryptic CUG start codons. CUG/Leu-tRNA initiation was independent of the canonical initiator tRNA (AUG/Met-tRNAiMet) pathway but required expression of eukaryotic initiation factor 2A. Thus, a tRNA-based translation initiation mechanism allows non–AUG-initiated protein synthesis and supplies peptides for presentation by MHC class I molecules.
メッセンジャーRNAからタンパク質への翻訳についての教科書的な見方は、翻訳が常に、開始因子であるメチオニンの結合した転移RNA(tRNA)によるAUGコドン(メチオニンをコードする)で始まる翻訳領域(ORF)から開始される、というものである。
しかしながら、AUGによって開始されていないORFによって産生されたポリペプチドがあるという証拠がある。
Starckたちは、多様な生化学的技術を用いて、伝統的見方に沿わない、そうした翻訳開始の根底にある仕組みを決定した(p. 1719; またDeverによる展望記事参照のこと)。
AUGによって開始されるORFと、ロイシンCUGによって開始されるORFとで、その翻訳開始を比較すると、CUGコドンから翻訳を開始するのに、細胞はヒストンのアセチル化に関わるロイシンtRNAを利用できることが明らかになった。
CUGによって開始されるペプチド類は、主要組織適合性クラスI分子によって提示され、T細胞を活性化することができた。
こんなことで「ビックリしたぁ」なんて喜んでるなんて、自分でも、いい年こいて、ちょっと、こっばずかしい・・・気もするんだけど、モンハン※に夢中になるのと同じく、こんなのにワクワクしちゃうんだよね。※モンスター・ハンター by カプコン
この間、高校時代のテニス部のOB会に出席した時、なんと、35年ぶりに、顧問の先生にお会いした。顧問であり、生物の先生でもあった、自分に大きな影響を与えてくれた先生だ。
一次会で、「生物学に対する“熱い思い”は、先生に与えてもらったものだ。そして、それは、今でも持続している」なんて話を、“熱く”語らせて頂いたのだが、2次会ではそのことで、先輩方にご迷惑をかけることに、、、、、
「まったく、お前が乗せるから~~~~、先生の話が長くなっちゃって~~~~」みたいに。
う~ん、たしかに、長い話は~~~~もうしわけありましぇ~~~んって感じ。
でも、熱く語り合えたのは、とても、うれしかったりするわけです。生物オタクとしてはね。
ということで、本日から、9月までの間、ある種の仕事から解放されるわけで、その間は、以前のペースになるかもね。
p.s. 絵は、映画『009 RE:CYBORG』から。
僕は、003 と 009 が好きだった。子供のころ 003 に感じた思いは、今、異性に対する思いへと変化したが、憧れという点では同じだ。今、僕は、003 を裸にして、隅々まで見てみたい。敏感な部分に触れてみたい。
ってなくらい、この絵の 003 はセクシーだね。